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本塁打王・大谷翔平「来シーズン開幕には制限なく打てる」右ひじ手術後“復帰への道”を整形外科医が解説

スポーツ 投稿日:2023.10.03 18:05FLASH編集部

本塁打王・大谷翔平「来シーズン開幕には制限なく打てる」右ひじ手術後“復帰への道”を整形外科医が解説

日本時間10月1日、フィールド上に現れた大谷は右肘を固定していた(写真・アフロ)

 

 日本時間10月2日、米大リーグ、ア・リーグ15球団のレギュラーシーズン全日程が終了。エンゼルス大谷翔平の本塁打王が確定した。

 

 日本人初の本塁打王という快挙を成し遂げた大谷。シーズンラスト25試合を欠場しながらの達成のニュースに日本中が沸いている。現在、右ひじ手術後の治療に専念している大谷だが、その活躍は来シーズン早くも見られそうだ。

 

 日本時間10月1日、大谷は手術後、初めて球場に姿を見せた。この日、球場入りの際には右腕に包帯が巻かれていたが、フィールド上では赤の長袖パーカーを着用し、右手は固定していた。9月19日の、右ひじのじん帯を修復する手術から約2週間が経過し、左手でチームMVPのトロフィーを掲げる大谷の姿に、多くのファンが歓喜の声をあげた。

 

 

 今後、復帰までの道のりは長いものになるのだろうか。福住整形外科クリニック院長・亀田和利医師に、道のりを考察してもらった。

 

「これまでの報道などからすると、今回は、前回の手術で移植した腱の修復と同時に、新たに自分の腱を移植して靱帯再建し、さらに人工靱帯を使った『インターナルブレース』で補強したハイブリット手術の可能性があり、かなり早い復帰が実現すると予想できます。

 

 一般的な肘靱帯再建術(トミー・ジョン手術)では、術後にトレーナーや理学療法士など、さまざまな治療家によるリハビリによって可動域と筋力の回復を図ります。しかし、リハビリによって可動域と筋力が戻ったからといって、すぐに競技復帰できるわけではなく、再建した靭帯がちゃんと生着するまでは、ひじにストレスをかける本格的な投球動作はおこなえません。プロ野球では、術後1年弱でようやく実戦練習となり、試合復帰には1年から1年半はかかります。

 

 しかし、今回の大谷選手の手術がインターナルブレースであれば、人工靱帯なので、生体の靱帯が生着する期間を待たなくて済みます。そのため、術後3カ月ほどでスローイングを再開でき、投手復帰までの期間は、早ければ7カ月前後と予想できます」

 

 インターナルブレースの場合には、リハビリも早期に開始されるようだ。

 

「リハビリの初期(手術後1~4週間)は、まずひじの動きを再獲得する可動域訓練が行われ、炎症や腫れをコントロールすることを目標とします。ひじを装具などで固定し、手術した腕の筋力維持のための、軽度のエクササイズをします。そういったエクササイズを続けると、ひじの可動域は術後2カ月もすれば、手術前のレベルまでしっかり戻る場合がほとんどで、筋力に関しても、徐々に問題なく回復してきます。それ以降は、筋力トレーニングがメインになります」

 

 復帰を確実にするためには、トレーニングとともに栄養療法も重要だと話す。

 

「栄養学(食事療法)も、筋力をつけるために知識を身につけたいところですが、その点は、しっかりとした管理栄養士がサポートするでしょう。すべてが順調に運べは、術後3カ月ごろで、投球に関してはスローイングを再開だと思いますし、バッティングの練習も本格的に始まる可能性があります。

 

 手術後に大谷選手の代理人を務めるネズ・バレロ氏が出した声明どおり、『2024年の開幕には制限なく打てる状態になり、来たる2025年の開幕には二刀流として復帰できる』という見通しに、おおむね間違いないと思います」

 

 世界が注目する大谷伝説は、来シーズンからさっそく期待できそうだ。

 

(取材・文/吉澤恵理)

( SmartFLASH )

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