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ラグビー日本代表 オフでは「スマブラ」対戦、卓球も!現地ジャーナリストが語る「サムライタイム」BEST8進出への“秘策”
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2023.10.07 06:00 最終更新日:2023.10.07 06:00
「俺たちは独りじゃない。強い絆がある」
9月28日のサモア戦の直前に、ラグビー日本代表のキャプテン・姫野和樹(29)はチームにこう語りかけたという。
負ければ予選プール敗退が濃厚だったこの試合で、体格で上回るサモアに競り勝った日本代表。決勝トーナメント進出への希望を、10月8日のアルゼンチン戦へと繋いだ。
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姫野が言うように「サモア戦勝利の裏には『強い絆』があった」と言うのは、W杯を間近で取材するスポーツジャーナリストの斉藤健仁氏だ。
「今回の勝因のひとつに、セットプレーが挙げられると思います。組織力ができていたから勝てた。じつは、日本代表は、この試合から『サムライタイム』という“コール”を採用したんです。これは、拮抗した場面で各自が自分の役割に集中しようと選手たちが決めた合図です。今回は、試合終了間際、相手に攻め込まれた際などにキャプテンの姫野が『サムライタイム』のコールを飛ばし、チームを鼓舞していました」
“絆”を高める場所は、「グラウンドを離れてもあった」と、斉藤氏が続ける。
「じつは、チームの宿舎に『キズナルーム』というのがあるんです。ここでは選手らが、卓球やトランプなどで遊びます。ちなみに、卓球は流大選手(31)がうまいと聞きました。
チーム内には仲がよいグループがいくつかありますが、卓球では試合で絡むことが少ない選手同士がペアを組むこともありました。そうしたことで、絆はより深まっていったと思います。
あと、対戦ゲームの『スマブラ』もしているそうです。昔は『モンスターハンター』が主流だったんですが(笑)」
そうした“コミュニケーション”が功を奏したのか、サモア戦の直前、キャプテン姫野にある変化があったという。
「姫野は怪我で、第2戦のイングランド戦が今大会での初出場でした。しかし、記者会見では背筋をピンと張ってかなりガチガチに見えましたね(笑)。ところが、サモア戦の前に『イングランド戦から変わったことは?』と聞くと『なんもないですよ』と言って、初めて笑みを浮かべたんです。ようやく肩の力が抜けたように見えました」(斉藤氏)
試合中の“アラート”は、フィールドでプレーしている選手にとってどのくらい重要なのか。元日本代表でプロップを務めた畠山健介氏は「“アラート”は誰が出すかも重要になってくる」と語る。
「油断すれば相手にトライを許す危険な場面だから引き締めよう、といった“黄色信号”のようなものは、僕が代表だったころもありました。当然、キャプテンからそうしたコールがあれば、場が引き締まります。信頼できる、体を張っている選手が出すからこそ、コールとしてみんなに浸透するんです」
この「サムライタイム」、次のアルゼンチン戦ではよりいっそう重要になってくる。
「次戦勝利のポイントのひとつに“我慢”があると見ています。相手は強力なフィジカルを誇る格上です。体力が切れてくる後半、その猛攻にどこまで耐えられるかが勝負の分かれ目でしょう」(畠山氏)
2大会連続のベスト8へ、姫野の“コール”がチームを鼓舞する。