10月26日、プロ野球ドラフト会議が開かれ、1位指名では現行方式で最多となる7回、抽選が繰り返された。
そのなかで、阪神は1位で青学大の下村海翔投手を指名。単独指名に成功した。会場ではアナウンスされた直後、ファンから大歓声がわき起こった。
下村は最速155キロのストレートを武器とする先発タイプの右腕。上背は174センチながら、多彩な変化球と抜群の制球力を誇り、日米大学野球ではMVPにも輝いた。
【関連記事:「掛布雅之」阪神二軍監督が金本監督から見限られた瞬間】
下村は阪神の本拠地・甲子園球場がある兵庫県西宮市出身で小さいころからの阪神ファン。阪神の指名が読み上げられた直後、青学大では大きなどよめきが起こった。会見で下村は「地元だったので。行きたいとは思っていました」と正直に明かした。
阪神は支配下選手の氏名を予定していた6人で終了。
1位 下村海翔・投手(青山学院大)
2位 椎葉剛・投手(徳島インディゴソックス)
3位 山田脩也・内野手(仙台育英高)
4位 百﨑蒼生・内野手(東海大熊本星翔)
5位 石黒佑弥・投手(JR西日本)
6位 津田淳哉・投手(大阪経済大)
岡田彰布監督は「予定通り」と述べ、報道陣から「100点に近い?」と問われ「100点でええよ」と満足した様子だった。
熱狂的な阪神ファンで知られるお笑いコンビ「ロッチ」の中岡創一は同日、自身のX(旧Twitter)にこう書きこんだ。
《今回のドラフトも神ドラフトでありますよ~に》
阪神ファンの間で「神ドラフト」と称えられているのが2020年のドラフトだ。
<2020年ドラフト・阪神>
1位 佐藤輝明・内野手(近畿大)
2位 伊藤将司・投手(JR東日本)
3位 佐藤蓮・投手(上武大)
4位 栄枝裕貴・捕手(立命館大)
5位 村上頌樹・投手(東洋大)
6位 中野拓夢・内野手(三菱自動車岡崎)
7位 高寺望夢・内野手(上田西高)
8位 石井大智・投手(四国IL高知)
支配下で指名した8人のうち5選手が2023年シーズンで結果を残し、リーグ優勝に貢献した。
1位で指名した佐藤輝明内野手は、オリックス、ソフトバンク、巨人と競合し、当時の矢野燿大監督がクジを引き当てた。2023年は24本塁打でリーグ4位、92打点でリーグ3位(以下、成績は2023年シーズン)。
2位の伊藤将司投手は、10勝5敗、防御率2.39と抜群の安定感を見せた。5位の村上頌樹投手は、3年めにしてプロ初勝利を含む10勝6敗、防御率は1.75で最優秀防御率のタイトルを獲得。
6位の中野拓夢内野手は全イニングに出場し、164安打で最多安打のタイトルを獲得。支配下選手最下位の8位で獲得した石井大智投手も、自己最多の44試合に登板し、1勝1敗19H、防御率1.35の好成績でセ・パ両リーグ含めて1位のチーム防御率2.66に大きく貢献した。
SNSでは2020年を「神ドラフト」と称える声が多く上がっている。
《近年における阪神のドラフトは神懸かってる 2020なんか今年の優勝に直結してる》
《何度見ても壮観。阪神史上といわず、12球団史上最も成功した神ドラフトだと思う》
《今年の阪神の優勝は近年のドラフトが上手くはまった事で成すことが出来たと言っても過言ではないので今回も神ドラフトになる事を期待しています》
評価するのに5年から10年はかかるといわれるプロ野球のドラフトにおいて、たった3年で「神ドラフト」と称えられるケースはめったに無い。
岡田監督が「100点」と評価した2023年も「神ドラフト」と称えられる日が来るだろうか。
( SmartFLASH )