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巨人D1投手が壊滅状態の理由…阿部新監督V奪還のカギは “LINEマン” 原前監督との決別
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2023.11.13 18:06 最終更新日:2023.11.13 18:12
今オフ、3年連続でV逸をした巨人の動きが活発だ。トレードでソフトバンクから高橋礼、泉圭輔、オリックスから近藤大亮と、実績のある3投手を獲得。ドラフトでは育成以外では高校生を1人も指名せず、即戦力の大学・社会人に絞った。阿部慎之助新監督は来季、4年ぶりの優勝が求められている。
「巨人の歴代最長V逸は4年です。原辰徳監督、堀内恒夫監督の2003年から2006年までと、原監督、高橋由伸監督の2015年から2018年までの2度しかない。来季、優勝できなければワースト記録に並んでしまう。
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今季、打撃陣では門脇誠や秋広優人が成長し、4番の岡本和真はホームラン王を獲った。坂本勇人は開幕から不調で故障も重ねましたが、サードへのコンバートで復活した。投手陣がよくなるかどうかが、V奪還のポイントです」(巨人関係者)
今季、阪神は青柳晃洋、才木浩人、伊藤将司、村上頌樹など生え抜きの投手陣が中心となって優勝を飾った。一方、巨人は戸郷翔征が2年連続2桁勝利、山崎伊織が初の10勝をあげたが、ほかの若手投手陣が伸び悩んでいる。特に、最近10年のドラフト1位投手の成績は芳しくない(ドラフト年、名前、通算成績)。
●桜井俊貴(2015年)110試合13勝12敗 防御率5.18
※2022年限りで引退
●鍬原拓也(2017年)80試合5勝5敗 防御率5.80
※2023年オフに戦力外通告
●高橋優貴(2018年)69試合18勝25敗 防御率3.66
●堀田賢慎(2019年)11試合2勝3敗 防御率6.45
●平内龍太(2020年)67試合4勝6敗 防御率4.98
●大勢(2021年)84試合4勝3敗51セーブ 防御率2.82
このなかで、今年10試合以上に登板したのは、大勢と平内の2人のみ。勝ち星やセーブをあげたのは大勢だけだった。
昨年解雇された桜井は2019年に8勝、高橋は2021年にチーム最多の11勝、2022年に鍬原は中継ぎで49試合、平内も中継ぎで53試合と、一時的には活躍している。ただ、2年連続となると、おもだった成績はあげられていない。
さらに、巨人のドラ1投手はケガ人が続出している。
2020年には、入団直後の堀田が右肘のトミー・ジョン手術、鍬原が右肘の手術、2022年には高橋が左肘関節鏡視下クリーニング手術、平内も右肘クリーニング手術をおこなった。2022年の新人王である大勢は今季、右上肢のコンディション不良で、約3カ月戦線を離脱した。9月に復帰したものの、失点を重ねてシーズンを終えた。
スポーツ紙記者は、巨人のドラフト1位が育たない理由として、原前監督の起用法に問題があったと見る。
「阪神の岡田彰布監督は捨てゲームを作れるし、基本的に勝っているときと負けているときの投手陣を区別して起用しています。
しかし、原前監督は、接戦になると登板過多でも調子のいい同じ投手を連日継ぎ込んだ。それだけ人材不足だったのでしょうが、もう少し休ませながら使えば、ピッチャーが育ったのではないかと思います。
そもそも能力がなければ、先発で10勝前後あげたり、中継ぎで50試合前後も投げられませんからね。ドラフト指名時点では、阪神と巨人の投手にそこまで開きがあったとは思えません」
ドラフト1位ではないが、原前監督は今年も田中千晴、直江大輔など調子がよいと思った中継ぎ陣を使いまくっては疲労させ、打たれれば二軍に落とした。この繰り返しをやめない限り、巨人のリリーフ陣は育たないだろう。
「阿部監督は原前監督を尊敬していると公言していますが、反面教師にもしている。原さんは主力選手とLINEでコミュニケーションを取っていましたが、阿部監督は直接会って伝えている。
原前監督はトラブルを起こした中田翔を日本ハムから無償トレードで獲得した際も、当時キャプテンだった坂本勇人にLINEで伝えましたが、選手たちの間では獲得に疑問の声があがっていたんです。
しかも、打てなくても中田をスタメンで起用し続け、選手たちの心は原前監督から離れていった。
阿部監督はそれを教訓にし、大事なことは直接選手たちと膝を突き合わせて話そうと心がけている。リリーフの起用法でも原さんのマネをしなければ、眠っていたドラフト1位投手たちも蘇るかもしれません」(前出・スポーツ紙記者)
捕手出身で、投手の気持ちがわかる阿部監督は巨人投手陣を立て直せるか。
( SmartFLASH )