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「あこがれるのはやめられた」FA獲得ことごとく失敗の「阿部巨人」を待ち受ける4期連続V逸の黄信号
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2023.12.03 14:30 最終更新日:2023.12.03 14:39
今オフの補強で、阿部慎之助新監督に優勝を求めるのは酷かもしれない。巨人はオリックスからFA宣言をしていた山﨑福也の獲得を狙っていたが、日本ハムに奪われた。
「父親の山﨑章弘さんは1979年のドラフト2位で巨人に入団し、10年間プレーし、2020年から2年間は巡回打撃コーチも務めている巨人OBです。そのつながりを考えても、以前なら巨人に来ていたでしょう。
しかし、環境面などを考慮して日本ハムを選びました。目先の金銭よりも、自分の野球人生にとって何がプラスになるかを考えた結果、巨人という選択肢はなかったのでしょう。多くのプロ野球選手が、巨人にあこがれを抱いていた時代は終わったのかもしれません」(スポーツ紙記者、以下同)
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巨人のFA獲得失敗は、いまに始まった話ではない。2017年オフには日本ハムの増井浩俊投手、2019年オフには楽天の美馬学投手、ロッテの鈴木大地内野手を狙ったが、いずれも断られている。2022年オフも、西武の森友哉捕手の調査に乗り出したが、オリックスに奪われた。
「増井は『優勝したいと考えて、巨人ではなくオリックスを選んだ』と明言しています。34歳になる年から5年間、現役を続け、移籍1年めには35セーブをマークしました。2021年には優勝を達成し、2022年限りで引退しました。選択に後悔はないでしょう。
ロッテを選んだ美馬は、先発の一角として投げています。楽天を選んだ鈴木大地も出場機会は減ったものの、2023年も101試合に出場しています。直近6年で巨人にFA移籍した選手は8人いますが、いまも巨人で現役を続けているのは、丸佳浩と梶谷隆幸の2人だけ。2020年オフにDeNAから獲得した井納翔一は2年で解雇されました。このような状況を見れば、山﨑が巨人を選ばなかった理由も理解できます」
阿部新監督は、就任1年めでのペナント制覇を求められる。巨人は来季、優勝できなければ、4年連続V逸のワースト記録に並んでしまうからだ。
「今オフの補強の仕方を見れば、フロントは2024年、絶対に勝たなければならないと思っています。ドラフトでは、育成以外はすべて大学、社会人の選手を指名し、トレードではソフトバンクから高橋礼、泉圭輔、オリックスから近藤大亮という3投手を獲得しましたからね。
しかし、いくら大学や社会人出身でも1年めから活躍できる選手は限られていますし、トレードの3投手は2023年、まったく結果を残せていません」
2023年シーズンの成績を見ると、高橋礼は5試合0勝2敗で防御率10.80、泉圭輔は3試合0勝0敗で防御率16.88、近藤大亮は12試合0勝1敗で防御率5.11と、戦力になっていなかった。
「高橋礼は2019年に先発で12勝をあげるなど、3人とも過去の実績はありますが、過度な期待は禁物です。ドラフト1位の西舘勇陽(中央大学)は開幕ローテーションを望まれますが、逆にいえば、新人を計算に入れたくなるほど投手陣はコマ不足です。
安定感のある先発は戸郷翔征、山﨑伊織の2人だけ。その山﨑も、ローテーションを1年守ったのは2023年が初めてです。シーズン終盤、好投した赤星優志もおおいに期待は持てますが、計算できるまでにはなっていません。ただ赤星含め、井上温大や横川凱など伸びしろのある投手はたくさんいるので、阿部監督がその潜在能力を引き出す起用法ができるかにかかっているでしょう」
優勝はもちろんだが、フロントや阿部新監督は、FA宣言選手に「巨人に行きたい」と思わせる、魅力あるチーム作りをできるかが、今後の課題となりそうだ。
( SmartFLASH )