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大谷翔平、決めることだらけで交渉長期化「またエンゼルスでシーズン中トレード」「山本、今永の日本残留」指摘も
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2023.12.09 18:00 最終更新日:2023.12.09 18:00
今オフの移籍市場で目玉とされる大谷翔平(29)の移籍先が、いまだに決まらない。2016年のエンゼルス移籍時は、申請してから数日で決まったこともあり、少なくともウインターミーティング(12月4~7日におこなわれたMLB関係者が一堂に会するイベント)の前半で決まると見られていた。
最大の関心事が決着しなければ、移籍市場の動きがスローになるのは当然。各チームの首脳陣からは「オオタニ、早く決めてくれ!」といった声があがるのも納得だ。
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当初から「大谷の交渉は長引く可能性がある」と言い続けてきたのが、メジャーリーグ評論家の福島良一氏だ。その理由とは?
「契約内容の規模や金額が、過去に例を見ないほど大型になるからです。1976年にFA制度が導入され、これまでも大型契約がまとまったことがありましたが、大谷の場合はそこに二刀流が加味される。これはかつてないことです。
しかも、10年単位の契約となれば、彼は今29歳なので、契約満了時は40歳間近。その後に契約するにしても、今季のバーランダー投手(アストロズ)のように単年契約の可能性が高い。
となれば、今回、彼にとっては最初で最後のFA移籍になります。簡単には決められないし、慎重になって当然だと思いますね」
大谷の交渉が長引くことは、FA市場にどんな影響をもたらすのか?
「大谷が決まらなければ、ほかの選手にも影響します。大物から決まっていくのが流れですから。大物が決まらずにほかの選手の契約が遅れたことはこれまでもありました。2月のキャンプイン直前に決まったこともあったほどです。
なので、それほど珍しいことではないし、移籍市場を停滞させたことによって反感を買うこともないと思います。
強いて言うなら、山本由伸や今永昇太のようにポスティングシステムを利用する選手は、MLBへの申請後1カ月以内に移籍先が決まらなければ、日本に残ることになります。まさかそんなことはないと思いますが、可能性はゼロではありません」
元メジャーリーガーのマック鈴木氏も、大谷の去就が決まらないことの影響をこう語る。
「大谷選手の結論が出ないことで、全体の移籍交渉が停滞しているとは思います。ただ、もうウインターミーティングも終わったので、各球団はある程度、方針を固めないといけません。
強打者のソト選手がヤンキースに決まったように、目玉の選手がどんどん決まっていけば流れは早くなるでしょう。ただ、ソト選手は、左打者、DH、外野手と、役割が明確だから交渉も進めやすい。
一方、大谷選手はそれだけではなくて投手でもあり、いろいろな部門の賞を取るだけに、決めることがたくさんある。時間は当然かかります」
大谷の去就の候補については、古巣エンゼルスと同じカリフォルニアに本拠を置くドジャースや資金力のあるブルージェイズ、そしてエンゼルス残留と、日によって報道も変わる。だが、福島氏は一貫してドジャースを推す。
「ここ11年で10回のプレーオフに進出していることからもわかるように、メジャー屈指の常勝軍団です。大谷がもっとも望む、毎年ヒリヒリするような9月を経験できます。さらに人気も高く、ホームでは毎試合5万6000人が詰めかけるなど最高の環境といえます」
現地でウインターミーティングを取材した記者から、こんなおもしろい話が届いた。
「大谷はドジャースに2度ほど “借り” があるんです。最初が花巻東高時代のこと。3年時の2012年10月に『メジャー挑戦』を表明し、本人はどこに行きたいとは言いませんでしたが、ドジャースの担当スカウトが大谷家に食い込み、何度もご両親と食事をしていたとか。しかしながら、土壇場で日ハムにさらわれてしまった
また、2017年にポスティングでメジャー行きを表明した際も、ドジャースと面談しています。そこにはチーム首脳だけではなく、カーショー、ターナーと投打の主力が列席。ところが、二刀流ありきの大谷は投げない日はDHで出たいと考えていたため、まだDHを採用していないナ・リーグのドジャースは初めから意中になかったんです。
この日、結婚記念日を返上してまで駆けつけたカーショーは、『限りなく無駄な時間だった。ヤツはDHでプレーすることを望んでいたから、ウチは最初から撤退すべきだった』と激怒し、思わぬ “因縁” を生んでしまったんです。こうしたことで、一部では大谷の人としての評価が下がってしまった。
今回、名前があがっている球団には、大谷は直接話を聞きに行っています。断るにせよ、自分の口から話したかったのではないでしょうか。過去を反省し、礼節を重んじるがゆえの行動です。だからこそ、発表が遅れているのだと思います」
マック鈴木氏はエンゼルス残留の可能性も示す。
「エンゼルスは、6年間、大谷をしっかり預かりましたが、ほかの29球団はどういうふうに扱っていいのか、マニュアルみたいなものがない。だから、ここにきてエンゼルスも、という人がいるんじゃないでしょうか。
大谷選手を見ていると、『お金だけじゃないでしょ』というのを感じる。これまでサポートしてくれたエンゼルスに残留し、また投げられるようになってから、シーズン中でもトレードで出してもらうというのもありだと思います」
ドジャースの “三度目の正直” か、古巣残留か、はたまたカリフォルニアから離れた球団か。世紀の二刀流の決断から目が離せない。
( SmartFLASH )