2024年の3月をもって会長職を退任する田嶋幸三の後任として、宮本恒靖が第14代日本サッカー協会会長に就任することが確実視されている。なお、47歳での就任となると、史上最年少であり、W杯に出場した初めての会長となる。
「これまで会長になる年齢はほとんどが60代だったことを考えると、異例の“大出世”。組織の若返りであると同時に、リーダーシップを発揮して、長く会長を務めてほしいという狙いがあるのでしょう」(スポーツ紙記者)
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宮本といえば、その強いリーダーシップをもとに、G大阪や日本代表でも長くキャプテンを務めてきた。その手腕を協会でも発揮してほしいということだろう。
「宮本は現役時代、Jリーガーでありながら同志社大学経済学部を卒業。語学も堪能で、異国の地でのアウェー戦でも堂々と他国の選手や審判と渡り合ってきました。また、おしゃれでも有名で、好みはイギリス系のファッション。整った顔立ちも相まって、彼を“ツネ様”と呼ぶ女性ファンも多くいました。美容にもこだわり、1本7千円の高級シャンプーを使っているといわれたほどです」(同前)
サッカー選手を引退後は、海外の大学院で修士課程を修了し、文武両道の一面を持つ宮本。ただ、長年サッカーを取材するベテランライターは、そんな“ツネ様”のリーダーシップには疑問符がつくと語る。
「代表時代のメンバーからは『それほどリーダーシップがあるとは……』との評価です。ジーコジャパンではキャプテンを務めましたが、ジーコ監督から『じつはキャプテンは中田英寿にやらせたかった』と聞いていました。ところが中田が固辞して、宮本が立候補したから彼がなったのだと。
また宮本といえば、2004年のアジアカップ・ヨルダン戦のPK戦での“雄姿”がよく取り上げられます。日本は2人が蹴ってともに外し、0-2と追い込まれた。そのときPKスポット周囲の芝が荒れていたため、『これはフェアじゃない。状態のよいほうでやるべきだ』と通訳なしで主審に訴えた。
その結果、途中でサイドを変え、大逆転勝利に繋がったといわれ、彼の大手柄だと報道されてきました。しかしメンバーに聞くと、言いだしたのはほかの選手で、英語が話せる宮本が代表して主審に主張したに過ぎないという話だったんです」
その疑問符は、JFA専務理事時代の評判にもついて回る。
「彼はこれまで2年間、協会で専務理事を務めていましたが、職員からは『専務理事時代におもだった実績がなく、何がやりたいのかよくわからなかった。このまま会長になっても、何をやろうとするのかわからない』といった声が多く聞かれているんです。今回、宮本さんが会長になれば、協会の態勢が大きく若返ることになりますが、彼の手腕はまだ未知数というしかありません」(同前)
現在日本サッカー協会は、コロナ禍もあり資金不足といわれている。歴代最年少会長は、どんな改革に挑むのかーー。
( SmartFLASH )