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元寺尾・錣山親方の早逝に「親方の健康管理制度を!」協会関係者からの叫び――酒量増加で体重激減、懸念されていた体調

スポーツ 投稿日:2023.12.20 20:50FLASH編集部

元寺尾・錣山親方の早逝に「親方の健康管理制度を!」協会関係者からの叫び――酒量増加で体重激減、懸念されていた体調

2015年、錣山部屋のちゃんこを紹介してくれた親方。「体は現役時代と比べてずいぶん小さくなりました」と自ら語っていた(写真・ヤナガワゴーッ!)

 

 元関脇寺尾・錣山(しころやま)親方が12月17日、「うっ血性心不全」のため亡くなった。また60歳の若さだった。

 

 現役時代は甘いマスクと筋肉質の体から繰り出される回転力の早い突っ張りで活躍。長兄の元十両鶴嶺山、次兄の元関脇逆鉾とともに「井筒3兄弟」としても人気を博した。年々重量化する角界において体重110キロは軽量だったが、39歳まで関取として戦い続け、息の長い力士でもあった。

 

 

 2002年秋場所で引退し、その後は年寄「錣山」を襲名。2004年1月には井筒部屋から独立して錣山部屋を創設。元小結豊真将の立田山親方や阿炎らを育てた。

 

 今年9月の秋場所では日本相撲協会の公式YouTubeチャンネルにも出演したが、体重は70キロほどまで落ち、その激やせぶりを心配する声は多かった。

 

 現在、日本人男性の平均寿命は80歳を超えているが、60歳での死去は、あまりにも早すぎた。だが、角界を引退すると、早く逝ってしまう力士は少なくない。昭和の大横綱北の湖は62歳、平成の大横綱・千代の富士は61歳、さらに「おしん横綱」と呼ばれた隆の里も59歳、そして若くして角界を追われた双羽黒はまだ55歳だった。

 

 こうした傾向に、力士の健康面を管理する医者は「現役時代の食生活を考えれば、早死にもありうる」と警鐘を鳴らす。

 

「健康面からいえば、力士の食生活はめちゃくちゃです。朝稽古をして自分の容量を超えた食事を無理に摂る。そして寝て、さらに多くの食事を摂る。これが毎日繰り返されるわけです。無理に太らせれば心臓に大きな負荷がかかることは当たり前です。引退後はそんな食生活ではなくなりますが、現役時代に痛めた内臓が、辞めたからといって、すぐに元に戻るわけではありません」

 

 ある協会関係者も危機感を持っている。

 

「力士は現役時代、協会や部屋主導で健康チェックを受けることは可能です。でも、引退すると、親方などは自分で管理するしかない。しかもほとんどの方が親方業を最優先に考えてしまいます。元貴乃花親方は若手力士に胸を貸し、さらに自分でもウォーキングを取り入れてうまい具合に減量していきました。でも、こうした自己管理を率先してやる親方は稀です。むしろ、タニマチとの会食が増え、現役時代より暴飲暴食が増える傾向にあります。

 

 また、親方になれば弟子一人ひとりに目を配らなければいけないわけで、現役時代とは異質のストレスが相当溜まります。錣山親方も、現役時代から酒量が大幅に増え、しかも痩せていった。周囲もみな、心配していました。錣山さんの死をきっかけに、協会は親方の健康管理をチェックする場を早急に作るべきだと思います」

 

 井筒3兄弟のうち長兄は60歳、次兄は58歳、そして錣山親方も60歳での死だった。早逝を悔やむとともに、今一度、角界の問題に目を向ける時かもしれない。

( SmartFLASH )

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