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元ヘビー級ボクサー・西島洋介、下戸なのにバー経営「最初の1週間は客2人だけ」いまは無料スパーリングでファン殺到

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2023.12.25 06:00 最終更新日:2023.12.26 11:33

元ヘビー級ボクサー・西島洋介、下戸なのにバー経営「最初の1週間は客2人だけ」いまは無料スパーリングでファン殺到

 

 1992年に「西島洋介山」のリングネームでプロボクサーデビューした西島洋介氏。国内唯一のヘビー級選手として活躍した同氏は、1995年から3年間、3度にわたりクルーザー級タイトルを獲得したボクシング界のレジェンドだ。2003年にプロボクサーを引退してからは、総合格闘技に転身してたびたびリングに立ってきた。

 

 そんな西島氏が出迎えてくれたのは、マネージャーであり、格闘家女優としても活動しているアンナ氏とともに経営しているスポーツバー「AN」だ。

 

 店を訪れると、ガラス張りの店内には開店を祝う造花が置かれている。亀田興毅をはじめ、俳優・高橋克典、芸人の平成ノブシコブシ・吉村崇など、名だたるメンバーからの祝福に、交流の広さをうかがわせる。

 

 

「初めまして。西島洋介です」

 

 屈強な体とは裏腹に、柔和な笑顔を見せて挨拶をする西島氏。バー経営をしているが、実は本人はお酒をいっさい飲めず、作れないとのこと。この日は、アンナ氏にドリンクの作り方を教えてもらっていたのだが、そこで見せた不器用な姿はファンが想像する豪快な「西島洋介」とは一味違った。

 

「この人はお酒を作れないから、私が店で出す食事やドリンクなど全部作っているんです。洋介はいつも『飲むヨーグルト』。飲みすぎてたまにお腹壊しちゃうんだけどね(笑)。甘いものも好きなんですよ」(アンナ氏)

 

 この日はプロテイン入りのカフェオレを飲んでいた西島氏。現在の生活については、アンナ氏がこう語る。

 

「試合の審判や、プロ・アマチュア両方のパーソナルトレーナー、出張レッスンでは、10~20人ほどを集めてレッスン後に食事会、そして写真撮影やサイン会をしています。北海道から沖縄までほぼ全部の県で教えに行きましたよ。

 

 あとはこのバーの経営ですね。バーは2019年6月6日午後6時6分に千葉県・柏で開店。ですが、コロナ禍で緊急事態宣言が出されて、1週間で来たお客さんは2人でした(笑)。2020年10月、現在の松戸市に場所を変えて再開店しました。

 

 もともと週末のみ開ける予定だったんですけど、トレーニングや試合観戦が入ることが多いので、現在は予約制で開けるようにしています。格闘技ファンや、K-1選手やお相撲さん、YouTuberなど多くの方が来てくれます。

 

 バーの名前の『AN』は、アンナと西島のイニシャル。ほかにも食事メニューの『チャンピオンバーガー』や夏頃から出している伊勢海老入り『ベストパンチラーメン』は、全部洋介が考えました」

 

 ここで「洋介もしゃべってよ(笑)」とアンナ氏からツッコミが入る。ふだんは寡黙だという西島氏。しかし、お客さんが無料で受けられる1分間のスパーリング指導ではガラッと雰囲気が変わる。

 

 店内にはサンドバックや、グローブ、ミットが常備されていた。特に、オープンフィンガーグローブは2007年から西島氏が実際に練習に使用していたレア物だ。

 

 実際に本誌記者もスパーリングを体験させてもらうと、先ほどまでの柔らかい雰囲気とは打って変わって真剣そのものに。

 

「ワンツー! ワンツースリー! もう少し腕を上げましょうか。いいですね。その調子で!」

 

 さすが元世界王者の指導。たった数分で的確なアドバイスが繰り返された。このスパーリングは老若男女に人気だそうだ。

 

「若い女性から年配の方まで、飲みに来る人みんな『西島さんとスパーリングやりたい!』と言います。スパーリング終わりのビールが美味しいみたい(笑)。テーブルや椅子を全部外に出して、マットを敷いてゲストを呼んで、プロレス大会を開くときもありますよ」(アンナ氏)

 

 現役時代同様のストイックさは変わらないようで、現在も体を絞り続けている。

 

「ボディビルダーのような体型にしようと思い、一度体重を落としてから筋肉をつけるため、ここ数カ月で10キロ落として85キロになりました。あと5キロ落としたいです。

 

 ここに来るまで自宅から自転車で1時間以上漕いできました。でも、痩せたからか年なのか……首のしわが増えた気がして、それが最近のコンプレックスです(笑)」(西島氏)

 

 最後、西島氏にとってボクシングとは何かを聞くと、数秒間考えたあとにこう漏らした。

 

「本当に好きなんですけど……長く関わりすぎて、好きだったのかわからなくなっている。でも、ボクシングをやることで世界が広がったし、僕を育ててくれたオサムジムには本当に感謝しています」

 

 かつてアメリカを舞台に大勝負を繰り広げてきた西島氏。ボクシングを愛してきた男の挑戦は、これからも続くだろう。

 

写真・久保貴弘

( SmartFLASH )

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