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山川穂高の「人的補償」なぜ和田毅から甲斐野央に変わったのか…「球団の見立ての甘さが原因」ソフトバンク担当記者が明かす内幕
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2024.01.16 21:50 最終更新日:2024.01.16 21:50
山川穂高のソフトバンクへのFA移籍問題。当初、人的補償として和田毅が指名されるとの報道があったが、一転して甲斐野央が指名されることに。
山川には女性への “暴行疑惑” があったため、移籍には多くの野球ファンが首をかしげた。「X」(旧Twitter)でもさまざまな声が飛び交い、いまも大荒れ状態が続いている。
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《和田さんが矢面に立たされるのは違う》
《和田がゴネたのか それとも球団がゴネたのか》
《甲斐野くん可哀そうすぎる》
《今回に関しては全てフロントが悪い》
FAでは、選手の所属元球団に、移籍先球団に対して金銭補償を求める権利とともに人的補償のオプションが与えられる。一方、移籍先球団は、人的補償として移籍させたくない選手28人をリストアップできる。これが「プロテクト」だ。
西武は山川の移籍が決定してから、誰を人的補償にするかで熟慮を重ねた。そして、1月11日、「日刊スポーツ」が「人的補償として和田毅を指名する方針を固めた」と報じたのだ。
「他のスポーツ紙は、この記事を見て、和田がプロテクトされていなかったのかと驚愕しました。和田はチームの功労者で、メジャーも経験し、日米通算163勝のレジェンドです。
昨季も大ベテランながら有原航平の10勝に次ぐ8勝をあげていた。ただでさえ先発が弱いソフトバンクにとって、替えの利かない投手だったからです。
一方の西武は、26歳の高橋光成を中心に先発陣は駒が揃っていますが、若い投手が多い。そこに和田が入れば、戦力としてだけでなく、経験という財産を得ることができる。西武が和田を指名することは必然だったのでしょう」(スポーツ紙デスク)
和田がプロテクトされていなかったことに西武は驚いたはずだが、西武が和田指名に傾くと、今度はソフトバンクが驚く番だった。
「『西武が指名するかも』ということで、あわてた三笠杉彦GMが、和田が自主トレをおこなっている長崎を訪れて事情を説明しましたが、和田はチームに強い愛着を持っており、出した答えが『引退します』でした。さらにあわてたフロントは、別の道を模索し、西武に頭を下げて甲斐野に変更してもらったのです」(同)
なぜこんなドタバタ劇が起こってしまったのか。ソフトバンクの担当記者が解説する。
「通常、プロテクトするかどうかを選手に明かすことはありません。ただ、和田は功労者なので、球団は事前に『プロテクトから外す』ことを伝えていたんです。和田もそれを了承していた。
そこから、球団も和田本人も、人的補償でまさか指名されるとは思っていなかったことが窺える。これは、とくに球団の見立てが甘かった。今回の問題の本質はそこにあります。
しかし、じつは『日刊スポーツ』の報道が出る前に、西武はソフトバンクからプロテクトから外れたリストをもらい、『三森大貴内野手、柳町達外野手、和田のなかから選びたいがどうか』といったお伺いを立てていたんです。
西武としては和田を選びたかったんですが、和田は高年俸のうえ、将来のフロント入りを求めるなど契約が複雑だったこともあり、最終的に断念したといいます。
ところが、この西武のお伺いを『日刊スポーツ』が先走って報じてしまい、事態がややこしくなってしまいました」
じつは近年のソフトバンクは、現場とフロントの意志疎通ができていないケースが目立つ。2022年の現役ドラフトで放出した大竹耕太郎は阪神でエース格となり、日本一に貢献。同年オフ、FA移籍で獲得した近藤健介の人的補償で日ハムに移籍した田中正義は守護神に成長している。
彼らの放出はフロントによって決められたものだが、現場はその決定に納得していなかったという。結局、80億円もの大金をつぎ込んで大型補強を図ったが、日本一どころかリーグ3位に沈んだ。
今回の問題を受けて和田は、15日、「もうその件には触れたくない」と語った。かつて常勝軍団と呼ばれたチームが迷走を続けている。
( SmartFLASH )