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“大物食い”誓った!熱海富士×翠富士 伊勢ヶ濱部屋の“先輩後輩コンビ”、故郷・静岡から94年ぶりの三役目指し
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2024.01.18 06:00 最終更新日:2024.01.18 06:00
今年の大相撲を大いに賑わせてくれそうなのが、静岡県出身の2人の力士だ。翠富士(27・東前頭二枚目、焼津市出身)と熱海富士(21・西前頭筆頭、熱海市出身)は、ともに伊勢ヶ濱部屋の兄弟弟子で、沼津市にある飛龍高校相撲部出身。14日に初日を迎えた初場所の直前、2人が本誌のインタビューに応じ、2024年の意気込みを語った。
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――昨年は、2人ともに大活躍でした。
翠富士(以下、翠) いやいや、サク(熱海富士の本名、朔太郎)がすごすぎて。
熱海富士(以下、熱海) そ、そんなことはないと思います。
翠 一応、兄弟子だし、高校の先輩でもあるんで、負けられないなと思ってたんですが、あっさり番付で抜かれてしまいました。
――一緒に食事に行ったりはしますか?
翠 それがですね、誘ってもあんまり来てくれないんですよ。人気者だからね、サクは。一緒に行く時間ないよね?
熱海 いえ、いつでも待ってますよ(笑)。
――最初に会ったのはいつ?
翠 もう10年くらい前かな。
熱海 自分が小学6年のときですね。小6から相撲を始めて、飛龍高校で稽古をさせてもらったんです。そのとき、翠関は高校3年生でした。
――そのときの印象は?
翠 日本語をしゃべれてなかったんですよ。何を聞いても「はっす!」しか言わないんで、海外の人なのかなと(笑)。
熱海 ハハハ。
翠 体は大きかったです。あのときでもう、自分よりデカかったですから。
熱海 体重は100キロくらいありましたからね。でも、相手は高校生ですからみんなデカくて、めちゃめちゃ緊張しました。そのなかで話しかけてもらえたのは、すごく覚えていますね。
■伊勢ヶ浜部屋には飛龍高出身が5人も
――それにしても、飛龍高校のOBはここ数年、すごい活躍ですね。何か強さの秘密みたいなものは?
翠 う~ん、なんだろう……。めちゃくちゃ自由すぎるところなんじゃないですか。強豪校出身の人の話を聞くと、みんなすごく厳しいんですよね。そういうの全然ないんですよ。
熱海 なんか、弱小相撲部みたいなノリなんです。
翠 相撲部の栗原(大介)監督が言うには、選手の自主性にまかせると。無理やりやらせても強くならない。強くなるコは、どうやったら強くなるか、自分で考えるんだと。だから、本当に自由にやらせてもらえましたよ。
熱海 もともとは、地元の静岡の人がほとんどなんですけど、最近は九州からも相撲部に入ってきたりしてますよ。
翠 やっぱり、熱海富士効果だよね。
――飛龍高校からプロ入りする人も増えています。伊勢ヶ濱部屋に、また一人入門したそうですね。
熱海 そうなんです。高校3年生が一人。これでうちの部屋は、飛龍高校出身者が5人になりました。
(※飛龍高3年の鈴木塁智が入門。ほかにも幕下の聖富士、三段目の颯富士がいる)
――静岡県出身の幕内力士は、翠富士関が戦後5人め、熱海富士関が6人めだそうです。
翠 三役に上がると、江戸時代以来らしいんですよ(実際には94年ぶり)。
――番付からいえば、今場所は2人ともチャンスですね。
翠 自分の番付だと、二桁勝てば三役には上がれるとは思うんですけど、上の人もなかなか負けないからなあ。
熱海 三役、なかなか空かないですよね。自分は筆頭ですけど、西なんで、ただ勝ち越しただけじゃ上がれないかも。
――熱海富士関は2場所連続優勝争いをしてるわけですから、今場所こそ狙うは優勝?
熱海 いや、そんなに甘くないですよ。
翠 初めてだからな、上位と総当たりは。
熱海 勝てる気が……しないんです……。
翠 そこまで力の差があるとも思っていないけど、でもやっぱり強いんだよな、ちょっとだけ。
熱海 はい。結局、自分は上位の人に負けてますからね。
■back numberのライブに行きたい!
――そこは、先輩の経験でアドバイスとか?
翠 そんなのはないですよ。自分で頑張るしかない。
――肩すかしを教えたり?
翠 あれは、教えてできるもんじゃないですよ。サクは稽古場で毎日怒られてるんです。せっかく教えてもらってるのに、なかなかやらないよな。
熱海 自分、運動神経が悪いんですよ。教えてもらっても、なかなか難しくて。サッカーでも、ボールを蹴ろうとしたら空振りするし、ドリブルもできないんで。
――熱海富士関は「永谷園」とCM契約をしたそうですね。
翠 すごいよね。永谷園さんを味方につけたら、もう怖いものなしだ。「二代目高見盛」を目指すんだろ?
熱海 ああ、それはあんまり言ってほしくないかも……。
翠 これからCM撮るんだよね。すっかり芸能人だな(笑)。
熱海 う~ん、ミーハーなのは、否定しません。
――テレビに出る機会も増えたのでは?
熱海 それが全然ないんですよ。『さんまのまんまSP』(カンテレ・フジテレビ系)には出させてもらいましたけど。基本、地元(静岡)のテレビばっかりです。
――芸能人だと、誰に会いたいんですか?
熱海 石原さとみさんとか。
翠 え? こないだ言ってたのと違わない?
熱海 いや、そんなことないです。あと福原遥さん。映画やってるんで観に行きたいなあ。
――最後に、今年の目標を。
翠 自分はやっぱり三役ですね。これまで(前頭)筆頭までは上がったんですが、そこからが上がれない。今年こそ、と思っています。
熱海 自分もまずは三役だと思っています。
――もうひとつ上、大関を目指すという気持ちは?
熱海 いや、自分なんかまだまだ「顔じゃない」と言われますよ。まずは初場所を勝ち越して、そこから一番でも多く勝てればいいと思っています。あと、back numberのライブにも行きたい。もうすぐツアーで、チケットはファンクラブ会員限定なんですが、ハズれちゃったんです。なんとかならないかな……。
今年も大相撲は、“下剋上”必至といわれている。伊勢ヶ濱部屋の最強コンビが、土俵上で“静岡旋風”を巻き起こす。
撮影・舛元清香、千葉麗美 コーディネート・金本光弘