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オープン戦最下位・阪神に1985年V戦士が奮激アドバイス!「日本一から暗黒時代」の悪夢を避ける「アレンパ」への鍵

スポーツ 投稿日:2024.03.29 06:00FLASH編集部

オープン戦最下位・阪神に1985年V戦士が奮激アドバイス!「日本一から暗黒時代」の悪夢を避ける「アレンパ」への鍵

2桁勝利が期待される村上頌樹だが、3月19日のソフトバンク戦では5回8失点の自己ワースト(写真・共同通信)

 

 球団史上初の連覇に挑む阪神。だが、オープン戦の成績は、3勝14敗1分けと最下位に終わった。

 

 そんなチームを見守るのが、1985年、岡田彰布(あきのぶ)監督とともに日本一を達成した当時のV戦士たちだ。

 

 まずは、そのころのチームの勢いを振り返ってもらおう。中継ぎの要として1985年を迎え、先発陣の不調から先発に転向すると、チーム2位の12勝を挙げた中田良弘氏が語る。

 

 

「このシーズンは広島が強く、正直、優勝は難しいかなという気持ちもありました。ただ“バース、掛布、岡田”に代表される打線の破壊力は凄まじいものがあり、オールスター前には広島との差が縮まっていました。首位が見えてくると、そこからは一気に勝ち進みましたね」

 

 この年、開幕投手に指名されたのが池田親興(ちかふさ)氏だ。シーズン途中で怪我のために離脱したが、復帰して計9勝をあげ、優勝に貢献した。

 

「2年めの僕が開幕投手を務めたことからもわかるように、チームの弱点は先発投手陣のコマ不足でした。ただ、当時の吉田義男監督の采配は、せっかちというか、とにかく早めの継投なんです。結果的に、それがよかったのかもしれません。圧倒的な応援のファンも、どこでもホーム試合のような感覚に持っていってくれました」

 

 捕手として投手陣を支えた山川猛氏は、「強力打線に助けられた面はありますが、平田(勝男)、弘田(澄男)さんらが、細かい野球もしっかりやっていました」と証言する。

 

 当時の虎ファンは、そんな1985年の勢いそのままに、黄金期の到来を期待した。だが、連覇が期待された1986年は3位に沈み、1987年は9年ぶりの最下位。この年から2001年にかけての15年間で、10回もの最下位を経験することになる。

 

 では、球団ワーストとなるオープン戦9連敗を記録した今季は、そんな悪夢の“暗黒時代”の幕開けとなってしまうのか。

 

 前出の中田氏は、故障もあって1986年からの4年間は勝ち星がなかった。1990年に10勝をあげて完全復活を果たすことになるのだが、長い低迷期を経験した当時と今季を比較し、こう断言する。

 

「当時の低迷は、レギュラー陣の年齢が30歳くらいになっていたことも原因だったと思います。バースは1986年も、前季に続き3冠王になりましたが、彼ひとりでは勝てませんでした。一方、いまの阪神には、ずば抜けた選手はいませんが、若く、伸びしろしか感じません。誰かに頼った野球をしていないところもいい。“打線は水物”なだけに、やってみなければわからない部分がありますが、いまのチームの強みは安定した投手陣です。連覇の可能性は十分。優勝の本命だと思っています」

 

 1986年の阪神は、怪我人が続出した。4月20日には、掛布雅之が死球を受け、左手首を骨折。5月には、池田氏もベースカバーの際にランナーと交錯し、足を骨折してしまう。

 

「前年13勝をあげた、エースのゲイルが5勝止まりと不調で、僕もシーズンの大半を棒に振りました。前季と同様、開幕前から投手不足であることはわかっていたんですが、補強できなかったことも痛かったですね。でも、怪我人がこれほど多く出なければ、連覇はできたと思っています」

 

 池田氏の目には、自身がエースとして引っ張った当時と比べて、いまの投手陣の層の厚さは頼もしく映る。

 

「昨季は村上頌樹(しょうき)、大竹耕太郎で計22勝しており、僕は今季も同じくらいの勝ち星が計算できると思っています。心配なのは、僕らの時代のように怪我人が出てしまうことですが、オープン戦の岡田監督を見ていると、悪いときの判断を冷静におこなおうとしているようです」

 

 山川氏も、「おごる気持ちがなければ、今季も優勝争いをし、連覇を狙える」と力強い。

 

「打線では、大山悠輔が打線の軸になり、佐藤輝明がもう少し確実性のある、後ろにつないでいける打撃ができれば、もっと厚みが出てくると思います。それを求めても、彼には似合わないかもしれませんけどね(笑)」

 

 そして、自身のポジションである捕手についても、もちろん注目している。

 

「1985年の話をすると、開幕当初は、投手を1人、多く登録するということで、捕手は木戸克彦と2人制でした。木戸がメイン、私がサポートという形で、木戸が怪我で離脱したときもうまく回ったんです。今季は、梅野隆太郎、坂本誠志郎という2人の捕手を、岡田監督がどのように起用していくかに注目しています。本来はひとりに固定するのがいいんでしょうが、ともにゴールデン・グラブ賞を取れるくらいの捕手なんです。打撃がメインなら梅野で、投手を引っ張っていくリード面で考えると坂本かな、と思っています。バッテリーを含めた守備が安定していると、勝てるチャンスは多いと思いますよ」

 

 先輩たちの信頼を背に、連覇への挑戦が間もなく始まる。

( 週刊FLASH 2024年4月9日号 )

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