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今永昇太、防御率も勝ち星もメジャートップで「サイ・ヤング賞」期待する声…“投げる哲学者” はなぜ勝てるのか?

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2024.05.03 18:00 最終更新日:2024.05.03 18:00

今永昇太、防御率も勝ち星もメジャートップで「サイ・ヤング賞」期待する声…“投げる哲学者” はなぜ勝てるのか?

写真:AP/アフロ

 

 5月3日、米専門テレビ局「MLBネットワーク」が選ぶ4月の最優秀投手賞「ピッチハンド賞」を、シカゴ・カブスの今永昇太が獲得した。4月は5試合に登板し、4勝0敗、防御率0.98なら当然の結果だっただろう。

 

 5月に入っても好調を維持。5月2日のメッツ戦では7回を87球、被安打3、無失点で乗り切ると、5勝めをマーク。防御率は0.78まで下がり、勝ち星とともにメジャートップという圧巻の数字だ。なぜここまでの数字を残せているのか。現地記者が解説する。

 

 

「今永は5月2日のメッツ戦終了時までに492球投げていますが、そのうちストレートの割合が58.3%。メジャー投手全体では30%ほどなので、ストレートが多い投手と言えます。

 

 ところが、そのストレートは、スピードが出たとしても150キロ前後で、お世辞にも速いとは言えません。

 

 それでも抑えられるのは、球の回転数が多いからなんです。メジャー平均が2288.3に対し、今永は2424.3と100回転以上多い。しかも彼は身長が178センチと、明らかにメジャー平均より低いわけですが、そこを利用する野球IQの高さがあります。

 

 身長が低いわけですからリリースポイントも低い。その今永が、回転数の多いストレートを、打者のインコース高めに投げ込む。そうすると打者は、計測される球速より速く感じ、しかも浮き上がってくると錯覚してしまう。

 

 だから、150キロ前後でも抑えられるわけです。いまでは彼のストレートをアメリカの解説者たちは、“ライジング・ファーストボール” と呼んでいます」

 

 また、ストレート、スライダー、スプリットのリリースポイントがほとんど変わらないため、打者が戸惑ってしまうことも好結果につながっている。

 

「カブスの首脳陣は、今永に注目した時点でストレートの回転数の多さを調べ上げていました。だからこそ彼がメジャーで『活躍できる』と自信があったそうです。

 

 しかも、日本よりメジャーのほうが高めをストライクに取る傾向があるので、手元でボールが浮き上がるように見える彼のストレートがより生きると。今永の活躍は決して偶然のものではありません」(同)

 

 日本球界で、今永は「今日は広島に勝ったというより、過去の自分に勝つことができた」など、その洒落たコメントから “投げる哲学者” と呼ばれてきた。

 

 カブス入団会見でメジャー挑戦について聞かれたときも、「生き方を変えるにはいましかない。彼が頑張っているなら、私もちょっと頑張ってみようと思ってもらえる選手になりたい」と答えて拍手を浴びた。

 

 その入団会見の第一声は「ヘイ、シカゴ(やあ、シカゴ)」。報道陣から拍手が起こると「なんて言ったんだい?」とカブスファンの応援歌「Go Cubs Go」の歌詞を使って笑いを誘い、一発でシカゴ市民の心をつかんだ。

 

 地元では、今永に新人王よりサイ・ヤング賞獲得の期待を寄せ始めたという。

 

 大谷翔平だけでなく、もう一人の “ショウ(昇)タイム” がいることを誇りに思いたい。

( SmartFLASH )

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