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オールスター出場! 今永昇太に恩師・ラミレスが与えていた金言「メジャーでベストフレンドになるべき“相手”」
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2024.07.17 06:00 最終更新日:2024.07.17 06:00
今季からメジャーリーグ(MLB)に挑戦しているカブスの今永昇太。
7月17日におこなわれるMLBオールスターゲームに、同球団で初めて、新人投手として出場することとなる。今永は1イニング投球する予定だという。
まさに「投げる哲学者」が世界中に名を轟かせている。
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前半戦は6登板めで早くもデビューから5連勝を飾り、一時は防御率0点台を維持していた。その後、打ち込まれる登板もあったが、8勝2敗、防御率2.97という成績で、シーズンの折り返しを迎えた。
この活躍を“予言”していたのは、日本時代に所属した横浜DeNAベイスターズの元監督であるアレックス・ラミレス氏だった。
本誌が前半戦中に取材したラミレス氏の今永に対する分析、エールを紹介していく。
(以下は、2024年5月30日に配信した記事より)
「かりに、僕が現役時代に対戦したら、10打数2安打くらいでしょう。そして、7三振は取られていると思うし、ヒット2本も振り遅れてライト前に落ちて……だと思いますよ(笑)」
少しうれしそうに、こう話すのは、横浜DeNAベイスターズ前監督のアレックス・ラミレス氏だ。
2015年10月19日に、ラミレス氏のDeNA監督への就任が発表されたが、その3日後におこなわれたドラフト会議で、初めて“ラミレス監督”が1位指名した選手が今永だった。
「今永に『メジャーで通用する能力がある』と伝えたことはありましたが、さすがに監督の僕に『メジャーに行きたい』と面と向かって言ってくることはありませんでした(笑)。
ただ、昨季終盤の今永からは、その気持ちが強く見えましたね。メジャースカウトにも思いが伝わり、カブスと複数年契約ができたことで、いまは自信を持って投げているように見えます。
投げている球種やストレートの速さは日本時代と大きく変わっていないなかで、結果が残せているのは、その部分が大きいと思います」(同前)
NHKのMLB中継で解説を務める武田一浩氏は、今永の飛躍について、理由は投球スタイルにあると指摘する。
「メジャーでは2年ほど前から『速いストレートは低めに投げない』という流行りがあるんです。低めが得意な打者が多いために、とらえられやすく、反対に高めの速球は効果的。
ドジャースの山本由伸は開幕当初に、低めに投げて打たれる場面があったのに対し、今永はよく勉強しており、初めから“メジャー流の投球”をしていたんです」
じつは、その碩学(せきがく)ぶりに大きな影響を与えたのが、ラミレス氏だったのかもしれない。2020年シーズンをもってDeNAの監督から離れたラミレス氏だが、今永との絆はその後も続いていた。
2023年11月、ポスティングでのメジャー挑戦を表明した後、今永と食事をする機会があったという。
「まだ、カブスとの契約が決まっていませんでしたが、彼としてはいろいろと聞きたいことがあったみたいです。
僕自身の経験から、いちばん大切なこととして『メジャーにはどの球団にも分析のスペシャリストがいるから、その人と“ベストフレンド”になるべきだ。初めての環境で、初めての相手に投げるんだから、とにかく分析スタッフにいろいろな質問をして、仲よくなりなさい』とアドバイスしました。
もともと今永は相手を分析したり、弱点を見つけることで、長いキャリアで成功できる“賢い投手”だと思っていました」(ラミレス氏)
その“金言”の成果か、今永はメジャー初登板から6回9奪三振の無失点ピッチングで初勝利を挙げると、4月のナ・リーグにおける「ルーキー・オブ・ザ・マンス」を受賞した。
ラミレス氏が続ける。
「初登板の後に連絡をしました。『おめでとう。この調子でがんばってね。今季、応援に行けたら行くよ』と伝えると、『ぜひ待ってます』と返ってきました。
彼も人間なので、絶好調が続くと相手を甘く見てしまうことがあるかもしれない。そこだけが少し心配です。2023年の食事会では、彼に『12勝はできる』と伝えました。早くそこに到達してほしいです」
恩師らしく、冷静に“次のステップ”への助言を投げかけたラミレス氏。だが、取材中は、どこか誇らしげだった。
( SmartFLASH )