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筒香嘉智が “熱烈ベイ党” 相川七瀬に直伝「日本シリーズ」連覇への道…心構えは「見るなら未来! 集中するなら今!」

横浜DeNA筒香嘉智と、大のベイスターズファンという相川七瀬
デビュー30周年イヤーに突入した歌姫・相川七瀬(50)が贈る『BIG BANG対談』。今回の相手に指名したのは……昨年、日本一に輝いた横浜DeNAベイスターズの頼れる兄貴分、筒香嘉智(つつごうよしもと)選手(33)だ。
ーー昨年、ベイスターズが26年ぶりに日本一に輝いた記念すべき11月3日は、相川さんにとって忘れられない一日になりましたね。
相川 そうなんですよ。 “見なきゃ後悔する“ と駆けつけた「全日本大学駅伝」で、母校の國學院大學が優勝。すぐに伊勢から横浜へ移動して、ライブで2曲歌った後、横浜スタジアムでベイスターズのVですからね。
ーー相川さんがSNSにアップした、筒香選手のタオルマフラーを掲げ、日本一を祝福した写真が話題になりました。
相川 2回、筒香選手が優勝を引き寄せるホームランを打ってくれたのでもう嬉しくて。
筒香 ありがとうございます!
相川 じつは、あの写真にはベイスターズOBが写り込んでいるんです。
筒香 OB? 誰ですか?
相川 私もファンの方に教えてもらうまで気づかなかったんですけど、梶谷(隆幸)さんが、私の真後ろに写っていたんです(笑)。
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■過去と比べない、見るなら未来
ーー昨年は、リーグ3位からの下克上でしたが、相川さんの目にはどう映っていましたか。
相川 ベイスターズって、乗ってるな! と思うと、いきなり急降下でガタガタになることがシーズン中どこかで起きる(笑)。優勝には届かずか……と思っていた勝負どころの9月にチームの力が爆発してくれたので、本当に嬉しかったです。
筒香 チームが連敗するときは、必ず予兆があるんです。なんか変だぞと思っているうちに、どんどんチームの雰囲気が悪くなる。昨年はオールスター前にそれが来て、何か言わなきゃと思っている矢先、怪我をしてしまって……。
相川 怪我に関する体のケアは大変だと思いますが、筒香選手が長いシーズンのなかで、特に気をつけていることってなんですか。
筒香 翌日に疲れを残さないために、体のケアは大切です。でも、同じくらい大切なのが、心のケアだと思っています。
相川 心のケアですか?
筒香 すごく浅いところで言うと、小学生のころって、遠足の前の日はワクワクしてなかなか眠れないじゃないですか。それが毎日続くのが僕の理想なので、そういう気持ちでいられるように、心のケアを大事にしています。
相川 それは、メジャー挑戦が影響していますか?
筒香 僕は、ずっと人に求められる自分でいなきゃいけないと思ってプレーしていたんですけど、アメリカではメジャーからマイナーに落ちてしまいました。そこから独立リーグでプレーして、今日打たないとクビになるという状況が続くなかで気づいたのが、自分の心を大切にするということでした。
相川 それは、自分がそれをやりたいかといった、そういうモチベーションのことですか?
筒香 今永(昇太)も言っていましたけど、最後の責任は自分にあるので、自分がやりたいと思ったことを、やりたいようにやることが大事だと思います。
相川 ほかにもありますか?
筒香 過去と比べない、見るなら未来。集中するなら今。
相川 すごくシンプルに言いましたけど、それってすごく難しい!
筒香 アメリカのマイナーリーグは、バスで7〜8時間移動するのが当たり前で。隣にはでっかい体の外国人が座っていて、球場に着いたら2時間後には試合。食事もハムとチーズをパンに挟んで、というような環境が自分を強くしてくれたんだと思います。
相川 つらいとか、疲れたとかの次元ではなく、日本での価値観が一変するような経験ですね。
筒香 そうですね。目の前のことを懸命にやるだけで、これが未来につながるんだと自分自身に言い聞かせてやっていましたが、正直楽しくはなかったですね(苦笑)。相川さんは、そういう経験はないですか?
相川 私はすごく売れたときもあれば、結婚・出産して仕事がゼロになったときもあって。そのときに過去の自分を認めて、仕事をしてきた自分も認めて、母親である自分も認めて。そうすることで、あらためて自分は歌うことが好きだと気づいたというのはあります。
筒香 長くやればやるほどいろんなことが起きるし、それが苦しいときもあれば楽しいと感じることもあるし、新しく気づくこともありますよね。
■目指すのはリーグ優勝から日本シリーズ優勝
相川 昨年、久しぶりに日本に帰って来られて、ファンとしてはチームに一本芯が入ったように見えましたけど、ご本人的にはどうでした?
筒香 最初は、遠慮しながらまわりを見ていた感じでしたね。でも、シーズン終盤ごろから、気づいたことや言いたいことは言うようにしました。誰にどう思われようと、言うべきことは言おうと思っていたので。
相川 筒香さんは、チームの中では頼りになる、でもちょっと怖い先輩という感じなんですか(笑)。
筒香 怖いとは誰も思っていないと思いますよ。よく、イジッてきますから(苦笑)。
相川 みなさん、筒香さんのことはなんと呼ぶのですか?
筒香 基本は “ゴウさん” ですけど、桑原(将志)なんか、自分がサンドウィッチマンの富澤たけしさんに似ているからといって、 “たけし” と呼びますから。かわいくて頼もしい後輩です(笑)。
相川 あはは! おもしろい。これまで以上に、桑原選手を応援します(笑)。
ーー今年の目標は当然、日本シリーズの連覇ですね。
相川 ファンとしては、まずリーグ優勝。そこから、さらに高みを目指してほしいというのが正直な気持ちです。
筒香 当然です。今年こそ、リーグ優勝です。昨年も、リーグ優勝の可能性がなくなるまで、三浦監督は「優勝」と言い続けていましたし、選手も同じです。目指すのは、リーグ優勝から日本シリーズの優勝。それ一本です。
ーー昨年は、チームの応援ソング『Blue Star』を配信リリース。今年は、ベイスターズの試合を45試合生中継するテレビ神奈川の『横浜DeNAベイスターズ熱烈LIVE』のテーマソング『Victory Anthem』を歌う相川さんは、5度めの始球式(5月3日、横浜スタジアム)が待っています。
相川 そうなんですよ! これまで4度、始球式をさせていただいているんですけど、あとわずかが届かなくて。目指せ、ノーバン投球です(笑)。
筒香 今春、ベイスターズの沖縄キャンプに来られたときも、投球練習をしていましたもんね。
相川 (山﨑)康晃にも褒められたんですけど、球の軌道はいいんですよ(笑)。でも、あとちょっとが届かない。
筒香 パワーが足りない?
相川 そう。だから今は肩の可動域を広げるため、先生について本格的なトレーニングをしています。
筒香 本当ですか?
相川 はい(笑)。マウンドは聖域。そこに上がるということは、私が國學院大學の大学院で学んでいる神道文化学的に言うと、御神体に上がっているようなものですから、真剣ですよ!(笑)。今年は、筒香選手を唸らせますので楽しみにしていてくださいね。
あいかわななせ
1975年2月16日生まれ 大阪府出身 1995年シングル『夢見る少女じゃいられない』でデビュー。その後もヒット曲を数多く世に送り出す。2020年に國學院大學神道文化学部を受験し合格。卒業後、同大の大学院に進む。昨年11月、ミニアルバム『SPARKLE』をリリース
つつごうよしとも
1991年11月26日生まれ 和歌山県橋本市出身 2009年のプロ野球ドラフト会議で1位指名され、横浜ベイスターズに入団。2019年オフに、タンパベイ・レイズと2年契約を結び渡米。2024年、横浜ベイスターズと再び契約を結んで日本球界に復帰し、26年ぶりの日本一に貢献した
写真・福田ヨシツグ
取材&文・工藤 晋