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「サッカー王国」ブラジルが本気の大改革!「年俸16億」で“優勝請負人”を招聘

ブラジル代表監督に就任するカルロス・アンチェロッティ氏(写真・共同通信)
世界のサッカーシーンにとんでもないニュースが飛び込んできた。FIFAワールドカップ(W杯)で5回の最多優勝を誇り、自他ともにサッカー王国”と認められているブラジル代表の監督に、カルロス・アンチェロッティ氏が就任するというのである。
アンチェロッティ氏は、これまでクラブチームの監督としてACミラン、チェルシー、パリ・サンジェルマン、バイエルン・ミュンヘン、そしてレアル・マドリーと、欧州5大リーグ全てで優勝を経験したばかりか、チャンピオンズリーグも5度制覇。実績からいえば間違いなくナンバーワンの“優勝請負人”だ。
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監督としての資質は申し分ないが、一つだけ問題がある。それは、彼がイタリア人だということだ。
イタリア代表も旧西ドイツ時代を含めたドイツ代表と並び、W杯優勝4回を誇るサッカー大国。そのライバル国の指揮官を招聘したということは、サッカー王国が恥も外聞も捨て、勝利至上主義に走ったことを意味する。
「このニュースには本当に驚かされました。まさかカナリア軍団(ブラジル代表の愛称)が外国人監督を就任させるとは。やはりサッカー王国と呼ばれながら、最近の不成績が関係しているのでしょうね。
ブラジル国民2億1000万人全員が“ブラジル代表監督“と言われるほど、代表チームへの指摘が激しいお国柄だけに、国民がよく許したと思いますね(笑)」(サッカーライター)
ブラジル代表は、いつの時代もサッカー界でトップを走っている印象を持つ人は多いかもしれないが、頂点の座からはしばらく遠ざかっている。W杯で5度めの優勝を飾ったのは、日本中が沸き返った2002年日韓共催大会のときで、じつに23年も前のことだ。
「日韓共催から前回の2022年カタールW杯までの5大会が開催されましたが、ブラジル代表はつねに優勝候補に挙げられてきました。ところが、優勝どころか2014年の自国開催のベスト4が最高。しかも同大会では準決勝のドイツには1-7で敗れて“ミネイロンの惨劇”と呼ばれ、3位決定戦でもオランダに0-3と敗戦。サッカー王国陥落とまで言われていたんです。
だからこそ、来年に迫った2026年北中米共催W杯では、優勝できるチームを作らなければいけない。そのためのアンチェロッティ監督就任です。決して資金が潤沢ではないブラジルサッカー連盟が、アンチェロッティの年俸を支払うために用意したお金は16億円とも報じられています。カタールW杯で最高給取りの監督はドイツ代表のハンジ・フリックの約9億5000万円と言われていますから、ブラジルサッカー連盟の本気度がよくわかります」(同前)
北中米W杯は南米から6カ国が出場できるが、ブラジル代表は4位と低迷している(7位のチームがFIFAプレーオフトーナメントに回る)。
“優勝請負人”はどん底から6度めの制覇という、とてつもなく高いハードルを超えることを求められている。