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西武、“超問題児” 佐藤龍世を放出「コロナ禍で無断外出」「女性と外泊して寝坊」…それでも中日が獲得した理由は

プロ野球界の “超問題児” 佐藤龍世(写真・共同通信)
類まれな素質を持ちながら、一方で私生活には多くの問題がある。2025年6月15日、西武ライオンズから中日ドラゴンズへのトレードが発表された佐藤龍世は、その典型かもしれない。
「佐藤は2018年のドラフト会議で西武から7位指名を受け入団。下位指名ながら、翌年の開幕では新人でただ一人1軍で迎えたことからも、期待の高さが伺えるでしょう。
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しかし、入団2年め、2020年のコロナ禍での行動が印象をすべて変えてしまいました。不要不急の外出が禁止されていたなか、佐藤は車でゴルフ場に出かけ、あろうことか約90kmオーバーのスピード違反。
事態を重く見た球団は無期限の出場停止処分を与え、裁判でも懲役3月、執行猶予2年の判決が下されました。これ以降、“問題児” というレッテルがついて回ることとなりました」(西武担当記者)
2021年には日本ハムにトレードされた。フェニックスリーグで視察に訪れた新庄剛志監督から全力疾走を怠ったことに苦言を呈されたが、これまでの問題行動を考えればかわいいものだった。
「2022年にはトレードで西武に出戻りしますが、首脳陣が決めたコンバート案を勝手に却下。首脳陣が怒り狂ったのは言うまでもありません。
そして、決定的だったのが今年のオープン戦のことでした。佐藤は日ハムとの2連戦を終え、札幌から静岡へ飛行機で移動するはずでしたが、寝坊で集合時間に間に合いませんでした。
そればかりか、前日は酒に酔ってチームとは別のホテルに女性と泊まっていたようです。このとき、佐藤はすでに入団6年めで28歳。若手の手本になる立場なのに相変わらずの問題行動ばかり。
3軍落ちは当然で、西武としてはこのとき、2度めのトレードを画策し始めたのでしょう」(同)
今回のトレードを受け、中日ファンの間では「なぜ問題児を獲るのか」といった声がある一方、「問題児を獲るのが中日の歴史」とする声が多くあるのも事実だ。
「そもそも、故・星野仙一監督は『球界一手をあげた監督』と言われるほどでしたからね。現役では “オレ流” を貫き、首脳陣でさえ腫れ物に接するようだった落合博満の獲得に始まり、近鉄時代にファンから総スカンを食らい、その後のオリックスでも交渉で大揉めだった中村紀洋をテスト生で獲得したことも。
日ハム時代に後輩への暴力行為で巨人へ移籍した中田翔も昨季、中日のメンバーとなりました。また、昨季まで指揮を執った立浪和義元監督も、白井文吾元オーナーが健在の際は、その私生活の問題から『俺の目の黒いうちは監督をやらせることは絶対にない』と言われていましたからね。
そう考えると、いつの時代も一癖も二癖もある人物が中日の歴史を作ってきたと言えます。ユニークな選手が加入したと、喜ぶファンもいるくらいです」(スポーツ紙デスク)
6月23日現在、中日は31勝36敗2分けと、首位・阪神から6.5ゲーム差をつけられ5位に甘んじている。年間Bクラスも2021年から4年連続となっており、もはや定位置となっている。
佐藤龍世という強烈な “問題児パワー” でBクラスからの浮上を果たせるか。