先日閉幕した平昌五輪。小平奈緒(31)や高木美帆(23)らが1000万円超を獲得するなど、アスリートの「報奨金」が話題だ。
ところが、それを上回る大金を手にした男が一人。2月25日の東京マラソンで16年ぶりに日本記録を更新した設楽悠太(26・Honda)だ。
東京五輪でメダル獲得を目指す日本マラソン界は、2015年からボーナスを設ける “ニンジン作戦” を始めた。が、驚くべきはその内容が、「日本記録更新で1億円」だったこと。
陸上競技を多く取材するスポーツライター・折山淑美氏が当時を述懐する。
「世界陸上では世界新記録を達成した選手に10万ドル(約1000万円)が支給されたことはあったが、1億円は前例がない。決まった当初は、『エッ!』という驚きのムードが現場にあり、反響もすごかった。以来、選手のみならず監督ら、チームまでモチベーションが上がった。いまや確実にマラソン日本記録更新が大きな目標になっている」
さらには対象選手の所属チームにも5000万円が支給されるというから太っ腹だ。制度を創設した日本実業団陸上競技連合によると、「記録更新ごとに、年度内に一選手一回まで1億円が支給される」とのこと。設楽も同様で、年度が替わればもう一度1億円を手にするチャンスがあるのだ。
莫大な金額が注目されるが、もともとマラソンは金になる人気種目だ。
「シドニー五輪女子マラソン金メダリストの高橋尚子は、2003年から所属したスカイネットアジア航空と2年総額3億円、2005年から所属のファイテンとは4年総額6億円で契約していたといわれる」(スポーツ紙デスク)
前出の折山氏は、1億円プロジェクトによって、高橋尚子が火をつけた20年前の「女子マラソン黄金時代」のような成果が生まれるとみている。
設楽を直撃した。
ーー1億円はどのように使いますか?
「まだ決めていません……」
3度めのマラソンで日本新記録と駆け足で来たが、大金の使い道はじっくりと考えますよね。
(週刊FLASH 2018年3月20日号)