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DeNA藤浪晋太郎「登録抹消」に安堵する巨人&阪神ナインたち…死球への恐怖は解消、割を食うのは中日か

8月17日の対中日戦に先発したDeNA・藤浪晋太郎
3年ぶりに日本球界に復帰し、一軍初登板となった8月17日の中日戦では5回5安打1失点と、勝利投手の権利を持って降板した、藤浪晋太郎。あとを継いだ投手が打ち込まれ、即勝利とはならなかったが、不安視された制球難も1四球と、上々のピッチングを見せたといっていいだろう。
ところが、8月21日には所属する横浜DeNAから登録抹消が発表され、「もしや故障では?」の憶測が流れた。その後、三浦大輔監督から「(抹消は)ローテーションの関係」との説明があって、ファンはホッと胸をなでおろしているようだ。
しかし、球界では「いちばん安堵しているのは横浜DeNAファンではなく、巨人と阪神のナインたち」との噂がささやかれているという。それはなぜか。
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藤浪が帰国後、最初に登板したのは7月26日、イースタンのロッテ戦だった。この試合で藤浪は1回を三者凡退に打ち取ったが、球数はわずか5球。続く7月31日の西武戦でも3回を無安打無失点、2四球に抑えていた。懸念された制球難も影を潜めていた。
ところが8月6日、イースタン・リーグの巨人戦では3回1/3を5失点。課題とされたコントロールは昔のひどいときのイメージそのままで、荒れた球が巨人ナインを襲う。結果、4回を投げ切ることができずとも、四死球は7となった。
そうした背景があったにもかかわらず、藤浪は8月17日の中日戦で一軍復帰を果たす。
「藤浪の荒れ球に対し、中日は対策というより、ケガをしないことを選んだようです。あの時点でBクラスでしたが、CS進出が閉ざされたわけでもありませんでした。そのため中日は、スタメン全員を左打者で並べました。藤浪の死球は、すっぽ抜けて右打者に当たることがほとんどだったからです」(中日担当記者)
試合後、中日の井上一樹監督は「オレもケガ人は出したくないし。ベストオーダーで臨めない」と語った。対して藤浪は「勝手に嫌がってくれる分には、好きなだけ嫌がってくださいという感じです。(左打者が並んだことで)球種の使い方が変わるなと思いましたけど、それくらいです」と発言。SNS上では井上監督の采配に《プロとしてどうなん?》の声が上がれば、「勝手に」発言の藤浪に対しても《元凶はお前だろう》と批判が殺到し、ともに炎上していた。
そして藤浪の登録抹消だ。
「怪我でも問題発言の対策でもなく、ローテーションの関係とのことですが、この決定にいちばん安堵しているのは巨人と阪神です。というのも、横浜DeNAは8月22日から28日までに、両チームとともに3連戦をこなします(25日は試合なし)。でも、藤浪は抹消されたことで、もっとも早く登板するとなっても8月31日の中日戦からなんです。巨人、阪神は2位、首位のチームですから、CSに向けて故障がいちばん怖い。それが、藤浪不在で死球への恐怖は消えました。
とくに阪神は、藤浪がMLBに行くときは積極的に止めず、NPBの復帰の際にはまったく声をかけませんでした。これは藤浪も認めています。本人は何とも思っていないと言っていますが、愉快な話でないのはたしか。それだけに、阪神ナインは戦々恐々としていたようです」(スポーツ紙デスク)
巨人、阪神は安心したことだろうが、8月31日に登録で、割を食ったのは中日、ということにならなければいいが……。