ワールドシリーズ3回戦に勝利し、山本由伸(手前)に抱きつく大谷翔平(左)と佐々木朗希(写真・アフロ)
10月27日(日本時間28日)、ワールドシリーズ(WS)第3戦は、ロサンゼルス・ドジャースが延長18回の末、トロント・ブルージェイズに6-5と競り勝ち、対戦成績を2勝1敗と一歩リードした。
壮絶な戦いだった。試合時間は6時間半を軽く超え、それでもドジャー・スタジアムに残ったファンは、両チームの死闘に酔いしれた。試合は18回裏にフレディ・フリーマン一塁手のセンターオーバーの本塁打で決着。この劇的な勝利は単なる1勝に留まらず、チームの“結束”にもつながった。というのも、“2試合分”に相当する試合展開に、両チームともリリーフ陣の駒が足りなくなってしまったのだ。
「16回を過ぎたあたりから、ド軍ベンチでは2日前(WS第2戦)に9回完投勝利した山本由伸が、マーク・プライアー投手コーチを含め、デーブ・ロバーツ監督と何やらひそひそ話をしていました。山本は、延長戦で投手が足りなくなることを想定して『コンディションもよかったので、僕が行きます』と志願していたんです。この光景を横で見ていた佐々木朗希は、驚きの表情を浮かべていました」(現地記者)
結局、フリーマンのサヨナラ弾が出たため、山本の“志願登板”は実現せず、酷使されずに済んだ。
「試合後、WSで引退するクレイトン・カーショウは山本について『信じられない。2日前に完投しているんだよ。それも大陸横断の移動を挟んで、朝4時に到着して、実質、1日だけ休んで、それで投げられるって言うんだから。WSで勝つには、ああいう献身が必要』と、インタビューで応えていました。カーショウは、涙をこらえながら話しているようにも見えました。決勝弾のフリーマンも、彼が準備しているのを見て『おいおい、山本を登板させないようにしないとな』と思ったそうです。山本の“男気”はチームの結束を高め、ひとつになる意味でとても重要なことだったんです」(同前)
この山本の献身的な姿勢は、Xで
《フリーマンやっぱり凄いけど、山本由伸の男気に、大谷、佐々木が迎えに行って、3人で喜ぶ姿、幸せだな》
と、賞賛されている。
劇的勝利の翌日、第4戦は大谷翔平が“二刀流”で登場。チームの士気は最高潮となっていたが……。
「前日の延長18回の疲労が大谷にも襲いかかり、いつもどおりのピッチングとはいきませんでした。7回途中、無死一、三塁の場面で降板となりました。ここでリリーフに登場したアンソニー・バンダ、ブレイク・トライネンはタイムリーを打たれ、あっという間に得点は1-6となってしまいました。最終的にドジャースは1点を返しましたが、敗戦となりました。第4戦を取れば優勝に“王手”だっただけに、敗北は痛かったですね。
現地ファンからは、第3戦でも失点していた不調のトライネンに関して『なぜ起用するのか』と、怒りの矛先がロバーツ監督に向いている状態です。敗因はほかにもありますが、連覇に向けてチームが一丸となったタイミングだっただけに、ロバーツ監督の“迷采配”が目立つ結果となりました」(前出・現地記者)
2勝2敗で迎える第5戦。WS制覇にリーチをかける戦いは、10月29日(同30日)の午後5時(同午前9時)に幕を開ける。
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