
冨安健洋(左)と板倉滉(写真・共同通信)
サッカー日本代表「サムライブルー」にとって、待ちに待った朗報が届いたのは、12月16日(日本時間17日)のことだった。オランダの強豪・アヤックスが、冨安健洋と契約をかわしたと正式に発表したのだ。契約期間は、北中米ワールドカップを意識した2026年6月30日までの半シーズンとのことだ。
1900年に創立のアヤックスは、エールディヴィジ(オランダリーグ)きっての好成績を残してきたクラブといえる。リーグ優勝回数はトップの28回を数え、欧州チャンピオンズリーグ(CL)では、前身である欧州チャンピオンズカップを含めれば、優勝は4回となっている。戦術やシステムでは、その時代、時代で革新的なものを生み出し、世界中のトレンドとなってきた。
しかし1990年代後半に入ると、優秀な選手は資金力が潤沢なチームが集まるイタリア、イングランド、ドイツ、スペインのリーグに集まるようになり、アヤックスも優秀な選手を輩出する側に回ってしまう。その結果、CLの最後の優勝は1994-95シーズンであり、リーグ優勝も2021-22シーズンで止まっている。今季は3位(12月18日現在)につけているものの、1位のPSVアイントホーフェンからは勝ち点で14差と離されている。
「リーグ戦での失点は20で、トップPSV、2位フェイエノールトと同じなんですが、イージーなミスだけでなく、連携面でもヒヤッとする場面が多いんです。そのテコ入れとして選ばれたのが冨安。ブランク期間を心配するサポーターは多いようですが、監督やクラブの幹部は、その実力を高く買っているようです」(サッカーライター)
同じアヤックスで、実力を高く買われてきながら、最近のパフォーマンスによって評価が落ち始めている選手もいる。それは、日本代表で冨安とDFラインでコンビを組んでいる板倉滉だ。
「今季は本来のポジションであるセンターバック(CB)だけでなく、守備的MFでプレーすることが多かったです。ただ、このポジションでの不安定さが、評価を下げる結果につながっています。先のCLのカラバフ戦でも縦へのロブに対し中途半端な追い方で相手に入れ替わられ、失点となってしまった場面もありました。
守備的MFでは持ち味が半減するとして、センターバックへ戻ることになるはずです。そうなると、板倉と冨安は、ポジションを争うことになるわけです。ようやく冨安にプレー機会が与えられるようになったかと思えば、今度は板倉が弾き出される可能性が出てきたのです」(同前)
12月14日(同15日)には、日本代表に追い打ちをかけるような“事故”が発生した。イングランドのプレミアリーグにおけるクリスタルパレス対マンチェスター・シティ戦でのこと。空中でシティの選手と競り合った鎌田大地が、着地の際に太もも裏を負傷し、無念の途中交代となった。これが思いのほか重傷で、グラスナー監督によれば「8~10週間の離脱を覚悟しなければいけない」とのことだ。
サムライブルーの森保一監督が心休まる機会は、当分、訪れることはなさそうだ。
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