
国会での聴聞会に出席した洪明甫氏(写真・代表撮影/ロイター/アフロ)
2002年日韓共催W杯準々決勝、韓国対スペインは前後半90分、延長前後半30分でも決着がつかず、勝負はPK戦に突入した。
PK戦では「テ~ハミング!!」の大合唱が強烈な後押しとなり、4-3で韓国がリードするなか、韓国の5人目のキッカーはDFリーダーの洪明甫(ホン・ミョンボ)だった。
洪明甫が蹴ったボールは鮮やかにゴールに吸い込まれ、この瞬間、韓国サッカー史上初のW杯ベスト4入りを決めた。洪氏は後世に語り継がれる選手となる、はずだった……。
あれから24年後、彼の姿は国会にあった。北中米W杯のグループリーグ敗退の責任を取って韓国代表監督を辞任した洪氏が7月30日、韓国国会の文化体育観光委員会の大韓サッカー協会懸案関連聴聞会に証人として出席。今大会での失敗を認めた。
冒頭、「今回の北中米ワールドカップの結果について、国民の期待に応えられなかった点について、国民の皆様にまずお詫び申し上げたい。これまで代表チームに寄せられた期待に応えられなかった責任を重く受け止めている」と悲痛な表情で謝罪する洪氏に、韓国サッカー界の歴史を作ったレジェンドの威光はなかった。
聴聞会の最大の焦点は、代表監督就任の選考過程が適切だったかについてだった。洪氏を選んだ鄭夢奎(チョン・モンギュ)氏は、7月6日に辞任するまで大韓サッカー協会会長を13年間も務めていた。2人は韓国の名門、高麗大の先輩後輩の仲で、2024年の監督就任当初から「学閥による優遇」という疑惑が浮上していたのだ。
この問題に対し洪氏は「戦力強化委員会から提案を受けた当時、正常な手続きを経たと思っていた。何らかの特恵や利益を要求したことはない。正常な手続きを経たと考えている」と疑惑を完全否定した。
さらに、韓国代表監督としての年俸にも言及。年俸が38億ウォン(約4億3000万円)にも及んだことに関しては、「契約上、相互に公開しないという条項があるため、具体的な金額はお答えできないが、38億ウォンではありません。それよりも少ないです」と否定した。
ちなみにラウンド32に導いた日本の森保一監督は82万ユーロ(約1億5000万円)とされるため、その事実も韓国国内では大きな問題になっているという。
「ほかにも協会の法人用クレジットカードを私的に利用した疑惑など、サッカーとは関係ない質問も多数ありました。この点については韓国国内でも『本質からずれた質問が多い。やり過ぎだ』といった指摘もありました。また、日本のサッカーファンの多くは、監督が国会に呼ばれて成績不振について謝ること自体、異常なことだと感じているようです」(サッカーライター)
じっさいにXでは
《最悪だあホン・ミョンボさんは日本でも活躍したお馴染みの選手なので、こんな扱いを受けて悲しい。》
《ホン・ミョンボが可哀想過ぎる。 確かに無能だったかも知らんがサッカーのサの字も知らん様な政治家に 「何で負けた?」なんて聞かれて。》
《ホン・ミョンボ、辛かったら日本来てな》
韓国代表DFとして日本に強烈なライバル心を示し、湘南ベルマーレ、柏レイソルでも活躍した洪氏。その勇姿を記憶する日本のファンは同情の念を禁じ得ないようだ。
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