
アストン・ヴィラへの移籍が発表された鈴木彩艶
英・プレミアリーグのアストン・ヴィラが8月19日、日本代表の鈴木彩艶(ざいおん)を伊・セリエAのパルマから完全移籍で獲得したと発表した。移籍金は最大3500万ユーロ(約64億8000万円)と見られている。
鈴木はJ1浦和レッズの下部組織で育ち、その後、ベルギーのシント=トロイデンVVに移籍した。すぐに身長190cmの体躯を活かした幅広い守備範囲と素早い反射神経で正GKの座を獲得。その活躍は欧州に広く知れ渡り、ドイツと並んでGK大国に数えられる伊・パルマに移籍した。そこでも実力をいかんなく発揮し、さらなるステップアップが期待されていた。迎えた北中米W杯でも日本の“守護神”として全4試合に出場。ビッグセーブを連発して注目度はさらに高まっていたところだった。
「W杯の活躍で、それこそ世界中の強豪クラブが注目していました。パルマと同じセリエAのユベントスやプレミアリーグの強豪からも多く声がかかっていたといいます。なかでも熱心に誘ってきたのがパリ・サンジェルマン(PSG)でした」(サッカーライター)
PSGといえば、欧州チャンピオンズリーグ(CL)を連覇中の紛れもないビッグクラブだけに、心躍らせたファンは多かったはずだ。しかし、ビッグクラブからのオファーには“裏”があった。
「じつは、鈴木を控えGKとして獲得しようとしていたんです。PSGは国内のリーグ戦、カップ戦だけでなく、CLも3連覇がかかっていますから、当然試合数は増えていく。控えメンバーの充実も大きな課題の一つだっただけに、鈴木を欲したわけです。彼を獲るためには移籍金で60億円以上かかると見られていましたが、PSGのオーナーであるナーセル・アル=ヘライフィーは大富豪でもあるだけに、資金源はありました」(同前)
また、現在の正GKであるマトヴェイ・サフォノフはW杯から締め出されているロシア代表のため、日本のファンにはそれほどおなじみではないかもしれないが、実力は本物。CL連覇に大貢献し、鈴木といえどもその牙城を崩すのは難しいかもしれなかった。
「そうしたことも含めPSG移籍には懐疑的な意見が多かっただけに、土壇場でご破算となったことは、むしろ鈴木にとっては良かったといえます。不幸中の幸いですね」(前出ライター)
アストン・ヴィラへの移籍決定は、文句のつけようがないのだ。
「近年のプレミアリーグ繁栄に貢献したマンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、チェルシー、リバプール、マンチェスター・シティ、トッテナム・ホットスパーは『BIG6』と呼ばれていますが、アストン・ヴィラは昨季、この6チームに割って入り4位の好成績を収めているのです。また、ヨーロッパリーグを制し、1995-96シーズンのリーグ・カップ優勝以来、30年ぶりのタイトル獲得となりました。今季はCLへの出場権もあり、もし鈴木が出場となれば日本人GK初の快挙となります。成長には、この上ない舞台となるでしょう」(サッカー専門紙記者)
鈴木が移籍したことで、世界一レベルが高いといわれるプレミアリーグ所属のサムライ戦士は計10人となった。
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