
会見に登壇した渡辺久信氏
「違う世界を勉強するのもいいのかなって。60歳を過ぎていますが、いまはワクワクしていますよ」
そう語るのは、プロ野球・埼玉西武ライオンズで監督、GMを歴任した渡辺久信氏。8月2日に61歳の誕生日を迎えた球界のレジェンドが、サッカー界と初めて“合体”する。
8月24日、群馬県前橋市内でおこなわれた「GUNMA NEXT」プロジェクトの始動記者発表会で、渡辺氏がサッカーJ3・ザスパ群馬のシニアアドバイザー兼プロジェクトの特別アドバイザーとして参画することが発表された。
プロジェクトは「群馬から世界へ」を合言葉に、スポーツに取り組む群馬県内の子どもたちや指導者を海外に送り込み、そこで得た知見を次世代の地元スポーツ界に還元させるというもの。まずは2027年、ザスパ群馬のアカデミーに所属するメンバーを対象に取り組むという。
発起人は株式会社ベイシア、株式会社カインズの会長・土屋裕雅氏が務める。メンバーは、ドイツやタイなどでプレー経験がある、サッカー元日本代表でザスパ群馬の細貝萌(はじめ)社長、そして渡辺氏らが集った。土屋氏は「顔合わせしたときから、競技は違っても話は合っていました。渡辺さんにはトレーニング、メンタルで助言いただけると思います」と期待を寄せる。
渡辺氏がこのプロジェクトの打診を受けたのは、6月のこと。2025年には、恩師で94歳の広岡達朗氏から「60歳はまだまだ子ども」とハッパをかけられた矢先のことだった。
「タイミング的にも本当によかった。競技は異なるけれど、育成や組織づくり、海外挑戦など、共通しているところもあります」(渡辺氏)
前橋工高からドラフト1位で西武入り、通算125勝を挙げ、2024年限りで退団した。現在は解説業、ゴルフ、孫の世話など第2の人生を謳歌する一方で、故郷への思いは尽きない。
「群馬を離れて40年。地元愛は強くなっていますよ。2025年は30回、帰省をしたし。郷里の匂いはすごく好き! 実家周辺は田んぼだらけで、カエルの鳴き声を子守唄代わりに育ってきましたから」
渡辺氏はこう笑いを誘いながらも、NPB退団後、コーチ兼任投手で過ごした台湾での3年間が「私の礎になっている」と強調した。
「異文化に触れて、困難を乗り越える力が、世界で活躍するアスリートには必要だと実感しました。『I love GUNMA』の気持ちで、思い切り地元に恩返しをします」
選手、指導者、フロントとしてプロ野球界で頂点を極めた“ナベQ”が、今度は地元のスポーツ界発展に一肌脱ぐ。
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