
サッカーの天皇杯2回戦の会場で檄を飛ばす「キングカズ」こと三浦知良(写真・YUTAKA/アフロスポーツ)
サッカーの天皇杯2回戦といえば、これまでならさほど注目されることなく開催されてきたが、8月26日のJ1横浜F・マリノス対J3の福島ユナイテッドFCの一戦は、少々違っていた。
「それは両チームに“主役”と期待される選手がいたからです。今季よりJリーグは秋春制に移行しましたが、横浜FMには開幕戦となった鹿島アントラーズ戦に、J1史上最年少で先発デビューしたMF三井寺眞がいたんです。デビューしたときは、16歳4カ月5日の若さでした。
同試合では3-4で鹿島に敗れたものの、前半7分にプロ初ゴールを決め、その後の2点にすべて絡むなど、スーパーな活躍を見せていました」(サッカーライター)
さらに8月22日の第3節、ヴィッセル神戸戦でも前半9分に華麗なボレーシュートを決めるなど、16歳の若さでいまやもっとも注目される選手となっている。
一方、福島には日本サッカー界のレジェンド・「カズ」ことFW三浦知良が今季より加入。カズは天皇杯1回戦の大山サッカークラブ戦で2本のPKを決めた。カズが天皇杯本大会でゴールを決めるのは23年ぶりのことで、59歳でのゴールも、もちろん大会の最年長記録だった。
「“希望の星”対“レジェンド”の一戦は大きな注目を集め、天皇杯2回戦では珍しく観客が7500人近く集まりました。2人の歳の差は43歳ということもあり、NHK BSが19時からの1戦を生中継するほどでした。
試合前、カズは三井寺について『開幕戦を見ましたが、すばらしい選手。対戦できたらいいと思います。でもピッチに立ったら年齢は関係なく、お互いにいい勝負ができたら』と闘志を見せていました」(同前)
一方、三井寺は「日本のレジェンドだと思うので、もし同じピッチに立てたらすごくうれしい。親からはユニホームを交換してもらったら、と言われています」と語っていた。迎えた一戦は、横浜FMが前半に挙げた1点を守り切り、3回戦にコマを進めた。
また、三井寺は交代出場、カズは出番なしと、残念ながら2人の対決が実現することはなかった。それでもカズは、試合前とハーフタイムのアップで誰よりも精力的に汗を流し、横浜FMのファンからも多くの激励の拍手を浴びた。
「残念ながらカズの出番はありませんでしたが、集まった7500人のほとんどが、カズ目当てだったことは間違いありません。それは報道陣も一緒でした。例年の天皇杯2回戦なら報道陣は数人ですが、この日は30人近く集まっていました。Xではこの一戦について《おじいちゃんと孫じゃん》と投稿する人もいましたが、年齢からくる衰えは当たり前です。アップでシュート練習を繰り返していましたが、打ったあとはよろけることも多々、ありましたから。でも、相変わらず影響力は絶大でした」(同前)
三井寺は試合後にカズと話ができ、念願だったユニホームも手に入れたという。「時間も時間だったので、とくにあんまり話はなかったんですけど、カズさんからは『いま持っている情熱、そういうものを失わずに、これからもがんばってください』と言っていただきました」と、すっかりファンの顔になっていた。
一方、試合後に多くの報道陣に囲まれたカズは、「いいゲームをしても、やっぱり勝たなければ意味がない。いいゲームをしたときこそ、勝たなきゃいけない」と語った。
この負けん気がある限り、カズに「引退」の2文字は当てはまらないのだろう。2027年2月、カズは還暦を迎える。
![Smart FLASH[光文社週刊誌]](https://smart-flash.jp/wp-content/themes/original/img/common/logo.png)







