
大谷翔平(写真・桑原 靖)
ロサンゼルス・ドジャースは9月1日現在(日本時間2日)、138試合を消化して82勝56敗とし、2位サンディエゴ・パドレスに9.5ゲーム差をつけている。優勝へのマジックも15で、ナ・リーグ西地区でも5連覇も目前である。
佳境を迎えるなか、チームの顔である大谷翔平の調子が一向に上がってこない。ここ11試合ノーアーチで、その間の打撃成績は42打数6安打。15三振も喫している。打率は.143で、驚くことに打点は「0」なのである。
ここまでの不振は初めてのことだが、いちばんの要因は治りきらない左ひざの状態にあることは間違いない。デーブ・ロバーツ監督は「左ひざ痛はバッティングには影響していない」と言うが、これをそのまま信じることはできない。なぜなら、凡打し、ベンチに下がるときに時折見せる足を引きずった仕草が深刻さを物語っているからだ。
また、打球はゴロが多く、しかも微妙な当たりのため一塁まで全力疾走を強いられることも左ひざにとっていいわけがない。
「足を引きずるということは痛みがあるわけで、全力疾走など、強い負荷をかけることは避けなければいけません。それなのに、試合に出続け、負荷をかけてしまっている。本来ならば何試合か休んで完治に向けた治療をおこなうべきだとする声は多い。なのに『試合に出て治す』という矛盾することをやっているから、かえって長引いてしまっているようにも見えます」(スポーツライター)
一方、現地記者は「この不振には、バットも関係があるのではないか」と推測する。
「大谷は、ロサンゼルス・エンゼルスで最後となった2023年は、自身初のア・リーグでホームラン王に輝いています。翌年にはド軍に移籍し、前人未到の『50(本塁打)-50(盗塁)』を記録しました。そして昨年は自身最多となる55本塁打を記録しました。
じつはこの4年、成績がどんどん向上しているにもかかわらず、少しずつバットの長さや重さを変えているんです。打者にとってバットを変えることは、ものすごく勇気のいること。好成績をあげたならなおさらで、普通の打者ならばバットを変えずにそのまま行くのが普通なんです」
さらに「並みの打者とは違う点だ」として、こう続ける。
「いくら好成績をあげても『まだ上がある』とばかりに、よりよいバットを探していくわけです。じつは今季もバットを変えています。スタート時は先端がくり抜かれたバットを使って調子を上げましたが、4月後半には元の形に戻した。
また、大きさも変えています。スタート時は35インチ(88.9cm)の長尺バットでした。これは長さがあるぶん遠心力でヘッドが走り、より強烈な打球を飛ばすことができます。ただ、使いこなすには体力がいることも事実です。そのため、途中から34.5インチ(87.6cm)のバットに変えました。わずか1.3cmばかり短くしただけなんですが、その分軽くもなり、扱いやすい利点がある。より操作性を重視したということでしょう。
軽くするということは、年齢も関係していると思いますね。どうしても振る体力は年齢とともに落ちてきますから。現在はまだ使いこなせているとはいえず、だからこそちょっとしたスランプに陥っているのではないでしょうか。
バットを軽くしたことには別の見方もあり、将来的に二刀流を封印し、『バット一本で生きていく』という意思表示ではないか、と考える識者がアメリカでは多いのです」
変わることをためらわない大谷なら、打者に専念する選択もあり得るかもしれない。
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