
力投する森下暢仁投手(写真・共同通信)
ゾンビたばこ騒動の影響でイメージ悪化が進んだ広島。シーズンオフに待っていたのは大量の戦力流出危機で、球団は食い止めようと躍起になっている。
鈴木清明球団本部長は、10月15日、国内FA権を取得した床田寛樹投手、森下暢仁投手、坂倉将吾捕手について、今後、FAの権利を行使した場合でもチームに残留することを認める方針であると明かした。
「鈴木本部長は『宣言をしたとしても、残るなら残ればいい』と話しています。フロントの責任者としてすでに坂倉、森下と話し合いの場を持って残留要請をしているといいますが、本格交渉はいずれも代理人が球団側と折衝します。球団側の必死さが伝わる内容です」(スポーツ紙プロ野球デスク)
年俸の総予算がある程度決まっている広島は、FA権を行使したあと、原則的にチームに残留することを認めていなかった。いわゆる “宣言残留” についての態度を変化させたのは、どういった理由なのか。
「2002年には金本知憲が宣言残留を認められず、巨人とのFA合戦を制した阪神に移籍。その後も黒田博樹、新井貴浩など、宣言残留を認めた選手はわずか4人ですが、全員が後にチームを移籍して誰も残っていません。
背景には、契約金、年俸が大幅に増えることで他球団とマネーゲームをしなければいけないことを松田元オーナーが極端に嫌がっていたことが大きかったといいます。ただ、メジャーリーグ移籍も含めて、選手の移籍は以前よりも柔軟になってきた。時代の流れとして、宣言残留を頑なに認めないこと自体が “遅れた対応” と選手や他球団に映るのです」(同)
最悪の場合、左右の先発ローテーション投手に捕手・内野手をこなせる中距離ヒッターが、今オフ3人が一斉に移籍する。すでに、小園海斗など4選手をゾンビたばこ騒動の流れで「信頼が築けない」と判断し、戦力外を通告している。それだけに、これ以上の流出は来シーズンのチーム編成に大きな影響を及ぼしてしまう。
「仮に3人全員が宣言残留をしたら、予算は20~30億円規模に膨れ上がる。カープにとって財政負担こそ大きいが、引き留めも含めてやらないとファン離れがさらに加速する恐れがある。たとえ止められなかったとしても、“やった事実” を残すことは重要で、それが来季のシーズンシートの売れ行きにも影響する。先発ローテーションを1年間守れる投手って、簡単には育成できませんからね」(球団OB)
もはや奥の手を発動してでも負の連鎖を止めなければいけない。それだけ、鯉軍団が窮地に追い込まれているというわけだ。
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