6月28日、博多で行われた日本選手権で、サニブラウン・ハキームが男子100メートル決勝で10秒02の大会新記録を出して優勝した。
同レースには日本人で初めて9秒台に到達した桐生祥秀も参戦し、結果は10秒16で2着。サニブラウンは史上初の日本選手同士による「9秒対決」を勝ち抜いたことになる。
サニブラウンはレース後の取材に応じ、「まずまずの走りだったのかなと思う。ちょっと課題の部分の修正ができなくて、内容的には準決勝の方がいい走りだった。それでも集中して、やるべきことをやってレースに勝ったので、そこの部分に関しては満足かなと思います」と語った。
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「9秒台もまた見せてくれるか」という質問には、「はい、まあ、そのうち」と笑顔を見せた。
2018年は右足の肉離れでシーズンの大半を治療やリハビリにあててきたサニブラウンにとって、今年は復帰のシーズンだ。5月11日には9秒99で日本人2人目の9秒台を記録。6月7日には9秒97をたたき出し、日本記録の保持者となっている。
男子100メートルで9秒台を記録するには、どうしても時速40キロを超えることが必須になってくる。2009年、ベルリン世界選手権でウサイン・ボルトが出した世界記録は9秒58。
このときの最高時速は44.7キロだ。今回の決勝レースでサニブラウンが出した最高時速は42.7キロで、2位の桐生の最高時速は42.0キロ。今後、この差を詰められるかが、世界最速への争点になってくるだろう。
9月には、今回の優勝をうけて陸上世界選手権に出場するサニブラウン。レース後には、「しっかり体を休めて、体を作り直して。いろいろと課題もあるので、修正して万全の状態で選手権に挑めばいい」と語っていた。
世界選手権出場で、2年前の雪辱を晴らせるか。