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ライバルは王貞治「張本勲」現役時代の矜持は「カネと打率」

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2020.02.16 06:00 最終更新日:2020.02.16 06:00

ライバルは王貞治「張本勲」現役時代の矜持は「カネと打率」

 

『サンデーモーニング』(TBS系)のご意見番として「喝!」を連発し、辛口コメントはたちまち炎上。御年79歳の張本勲は、通算最多の3085安打504本塁打319盗塁を達成した、名選手だった。

 

 現役時代の逸話は、記録だけでなく、記憶にも残るものが多い。当時を知る、スポーツ紙記者が語った。

 

 

「“不世出の天才打者” であることは、誰しもが認めるところ。それに加えて、足も速い。ですが、こと守備に関しては全然ダメ……というより、やる気を示しませんでした。

 

 高校時代に投手経験があり、投げ過ぎで肩を壊して以来、肩は弱いから守備は、おざなり。東映在籍時代の張本氏は、『打者は打ってナンボ。守備なんて、金にならねえことはやらねぇんだ』と持論を展開していたものです」

 

 ところが東映が日拓に身売りした最初のシーズンで、張本は守備にも精を出し始める。

 

「当時は、『前期・後期』の2シーズン制で、前期は最下位に甘んじた。田宮謙次郎監督が責任を負って、前期終了後に解任されました。それで後期は、新監督に土橋正幸さんが就任します。

 

 張本さんと土橋さんの間柄は、東映時代から “親分―子分” で、張本さんは『土橋の兄貴』と呼んでいた。土橋さんが監督になると、『張本を目いっぱい使おう』という方針で、張本さんをヘッドコーチ兼打撃コーチに大抜擢しました。

 

 コーチ兼任ですから、その分、年俸アップが確約された。その途端、手のひら返したように練習態度が変わり、守備も手抜きせず守るようになった。土橋監督に対する義理人情もあったのかもしれませんが、『張本という選手は、金になることなら何でもやるんだな』と、あらためて思い知らされましたね(笑)」(前出・記者、以下同)

 

 そんな張本には、選手として意識する「ライバル」がいた。

 

王貞治さんです。昭和15年生まれで昭和34年プロ入団した、同期の間柄。張本さんが、王選手に対するライバル意識を見せた、こんな発言があります。

 

『俺だってホームランだけ狙えば、40本ぐらいなら打てるよ。ホームランと打点は積み重ねで、数字は減らない。でも、打率は生き物で、毎日変わる。5タコ(凡退)すると、一気に打率は下がる。

 

 高打率を保つほうが、ホームランを打つより難しい。だから、俺は打率にこだわるんだ。ホームラン王はワンちゃん。首位打者王は、この俺。俺はそうやって割り切っているんだ』

 

 ちなみに、『世界の王に対して、俺はアジアの張本だ』をキャッチーフレーズにしていたこともあります」

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