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Aマッソ「第7世代に仲間意識は1ミリもない」SNS時代の航海術は?
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2020.09.12 20:00 最終更新日:2020.09.12 20:00
アクの強い台詞をはじめ、独自の世界観が人気の女性お笑いコンビ「Aマッソ」。このSNS全盛時代にあって珍しく、メンバーの2人ともが、SNSのアカウントを持たない姿勢を貫いている。ツイッターとインスタグラムの公式アカウントも、担当マネージャーによるものだ。
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「もちろん、私たちにも批判的な意見があるのは知ってますが、罵詈雑言とかを見たくないんで、SNSはやらないです。普段から、お客さんや視聴者の評価は、気にしないようにしています。
でも、たとえばYouTubeの生配信や動画にくる批判コメントを見てしまっても、『くそぅ』とはなりません。『そんなん、どうでもいい。みんな器用に言ってるな……どんどん言ったらええ!』って感じです。私らにしては、大人な対応ですね(笑)」(ボケ担当・村上)
そんなAマッソのネタで大きな話題を呼んだのが、数年前に発表したコント『進路相談』。同作は、ラーメン屋を開く夢を持つ生徒(村上)と、担任の先生(ツッコミ担当の加納)との会話で構成される。以下で、その一部をご紹介しよう。
加納「『Aマッソ』ってお笑い芸人、知ってるか? ああいう女芸人が一番嫌いなんじゃ。見方、わかれへんやろ(中略)『女芸人が最近がんばってる』みたいに言われとるが、あれ嘘やぞ! テンプレートが蔓延してるだけじゃ!!」
村上「先生は、考え方が古いんです!」
加納「古くて結構、これが世論じゃ!!!」
女芸人自体や、世間から見た自分たちについて、ユーモアと怒声たっぷりに自己批判を繰り広げた。
また最近でも、YouTubeの『Aマッソ公式チャンネル』で、「Aマッソ加納のお気に入りメイク大公開」という自己批判ネタを配信している。
同作は、すっぴんの加納が、よくあるメイクの “how to動画” のように実演解説をしながら、「作家と寝てるんだろ」「尖ってるように見えて技術ないだけ」といった自己批判コメントを、映像合成で顔に塗っていくという内容だ。
こうした企画には、どういった思惑があるのだろうか。ネタ作りも担当する加納が、Aマッソ流 “SNS時代の航海術” を明かした。
「メイク動画の私への悪口のほとんどは、作家さんがYouTubeやSNSから拾ってくれたコメントです。でもあれって、“ガキ臭い発想” というか、『言われんでも、わかってんねん!』ていうことなんですよ。ただ、悪口や批判への私らのリアクションとしては、あのラインがギリギリですね。
ほかにも、ネタで『こんなアンチコメントがきてます』『やかましいわ!』という展開を作るときはありますけど、アンチに対して真剣に噛みつくことはありません。つまり私らは、『ネタというフィクション性をもってアンチに対する “接点” とする』というスタンスなんです。
世間の人から投げられている評価やイメージに対しての反応としては、『ここまでで、いいかな』と。MCで返すのもダサいですしね(笑)」(加納・以下同)
その価値観には、彼女たちなりの基準がある。
「悪口は “言われたもん負け” だから、反応するネタについては、おもしろさはもちろん、『いかにダサくならんようにするか』にも気をつけていて。無視もダサいし、構いすぎるのもダサいですからね。
そういう “平衡感覚” は、『ほかのことに対しても、持っとかなアカンな』と思ってます。まだまだ勉強中ですが……」
数年前までのAマッソは、見た目やモテないキャラを売りにしてきた従来の「女芸人」のイメージを覆し、あくまでネタで勝負する、“新時代の船頭” として扱われていた。
「『女芸人って、こうなんでしょ?』と言われるのは、今でもイヤです。ただ、そう言ってる女芸人が、ほかにも出てきましたよね。最近は、『ことさら私らが言わなくても、よくなってきたな』という感覚です。実際、“かつてのテンプレ” に頼らない芸風も増えてますし。
世の中の流れに女芸人が合わせていったのか、その逆か、正確にはわからないですけど、私は自分たちも含めて『女芸人たちが風穴を開けたのではない』と思っています。『いい変化だな』とは思いますが、女芸人の単純なパワーアップだとは、とらえていません。
逆にフラットになってきたから、『これからホンマに “筋肉” というか、地力が見られるぞ。言い訳できないぞ』と自戒しています」