――「ファイナリストの中で自分たちが一番○○だ!」と言えるものは?
野田 「一番漫才をしていない」。漫才ができてない……あ! 一番漫才になってないってことか!
村上 かなりマイナスな強みだけど大丈夫かな……。一番しゃべる分量は少ないんじゃないですかね。特に今回のネタは、野田さん、ホントに少ないですから。
野田 途中、2分半くらい、しゃべってないですから。
村上 細かい説明はいらん、ということで。体で表現しているので、文字量で言うと50文字くらいです。
野田 しゃべりにウェイトを置いていた長い時間があった上での今ですから。動きでスゴいと思わせたいですね。
――ほかのファイナリストで意識しているコンビはいますか?
野田 「東京ホテイソン」ですね。(ボケの)ショーゴが体を鍛え出したんです。
村上 胸板がとんでもなく分厚かった。野田さんより分厚いんじゃないですか?
野田 それはないね、俺の方が強い。残念ながら。彼はまだ追いついていないですね。そう簡単にM-1決勝の舞台で脱げると思うなよと。とんでもない事態にでもならないと脱げないんだから(※2017年の決勝で、野田は審査員とのやり取り中に上半身裸になった)。追い込まれてみろよ、と。
村上 漫才(の内容)で意識してるわけではないんですね(笑)。僕が意識しているのは「ニューヨーク」です。嶋佐が同じ街に住んでいて、よく行くお店とかで “争い” といいますか……。お店でどちらがチヤホヤされるかを張り合っているので、勝ちたいですね。
――敗者復活で勝ち上がってきたら脅威だと感じるコンビはどこですか?
村上 「ランジャタイ」ですね。各コンビをざっくりと分けたら、動きの多いコンビとして同じ箱に入れられそうな感じがするので。敗者復活で上がってきて、僕たちよりもネタ順が先だったりするとややこしい展開になりそうだなと思います。あと、「コウテイ」も同じ箱に入れられそうですね。
野田 山ほどいますよ。僕、「ロングコートダディ」が『キングオブコント』でやったネタがすごく好きで。“マッチョだからバカ” という設定が王道なんですが、彼らのネタは “効率が悪いからマッチョになっちゃった” という信じられないくらい革命的なネタで。あれからロングコートダディにはずっと注目しています。
――優勝賞金1000万円の使い道は考えていますか?
野田 3年間くらいの生活費としてじっくり使います。ただ、お昼は1000円くらいのリッチなランチにします。死んでも高いものは買わないです。
村上 僕は高いものが好きなので、200万円くらいで腕時計か何かを買って、残りは地元のお店で使い切ります。地元で感謝のバラマキをします。
――最後に、決勝へ向けた意気込みを一言で!
野田 2017年の決勝戦でやり残してきたことを今年全部解決します。僕たちの「M-1の物語」を今年で終わらせたいと思います。
村上 もちろんそれもありますが……やはり毎年優勝を目指してきた賞レースなので、優勝します。そのうえで2017年にやり残したことを解決したいと思います。
※『M-1グランプリ2020』は今年も今田耕司・上戸彩を司会に、12月20日(日)18:34からABCテレビ・テレビ朝日系で生放送
構成&文/松田優子