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榊原郁恵、戦隊モノ最高齢ヒロインの野望は「やっぱり変身したい!」
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2021.03.23 16:00 最終更新日:2021.03.23 16:00
「ヒロインっていうと、私が変身して戦うもんだと勘違いしている人もいるので、説明するのが大変なんです」と明るく笑うのは榊原郁恵さん(61、「榊」は正しくは“木へんに神”)。
2021年3月7日からスタートした『機界戦隊ゼンカイジャー』(テレビ朝日系)の、“最高齢のヒロイン”として注目を集めている。
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同作は「スーパー戦隊シリーズ」の記念すべき45作め。彼女が演じるのは、主人公のゼンカイザーこと五色田介人(駒木根葵汰)の祖母の五色田ヤツデで、駄菓子カフェ「カラフル」の店主だ。
「カラフルという名前のとおり華やかなお店で、本当に楽しませてもらえるセットなんです。
美術さんたちが凝ってくれていて、私の昔のシングル盤のレコードのタイトルが看板に書かれていたりして。
私しか気がつかないものにも気を遣ってくれる気持ちが嬉しいですよね。子供向けの番組ですが、こうやって丁寧に作られているから45作も続いているんだなって。
一瞬で終わるシーンも、とても時間をかけて撮影しています。こういうことは現場に入らないとわからないので、貴重な体験をさせてもらえて、めちゃくちゃ楽しいです」
生き生きと話す郁恵さんを見ていると、変身してくれないかな、という思いが。
「心の中では変身したいんです。『ババレンジャーが巣鴨に集合でどうですか?』とプロデューサーには何度もお願いしてるんですが、笑ってごまかされてます(笑)。
柴田理恵さんに『還暦だから赤い衣装で、全身タイツでもいい?』って聞いたら『いいよ、いつでも行くよ』ってOKはもらっているんですけどね。
私が変身するときは『そうよ、私ロボット』って『ROBOT』を歌うんです。40年前の曲がフリだったのかーって、きっと盛り上がりますよ。視聴者の皆さんで、私が変身するように、番組にハガキを出してください(笑)」
今年はデビューして45年めの節目の年である。アイドルとしてデビューし、歌にドラマに舞台にと、多くの場で活躍してきた。
「いちばん最初に出させていただいたドラマが、森繁久彌さん出演でシリーズ化されていた『だいこんの花』(1970年~1977年、テレビ朝日)だったんです。
そのときに森繁さんが色紙に書いてくださったのが『拍手は君を育てもするが堕落もさせる』という言葉。
私もいろいろな舞台で拍手に励まされてきましたが、だんだんそれに甘んじちゃっていい気分になってると、堕落していくぞということだと思うんです。
森繁さんにお目にかかれただけでも光栄だったんですが、これから人生を歩んでいく人間にとって、指針となるような言葉をいただきました。
若いころよりも、お仕事を続けて後半になってからのほうが、この言葉の重みみたいなものを感じていて、堕落してないか? 大丈夫か? って自分自身に問いただす、私の心の中でずっと支えになっている大切な言葉ですね」
その約半年後、学園ドラマ『ナッキーはつむじ風』(1978年~1980年、TBS)に主演し、好評を博す。
「このドラマの現場は本当に楽しくって、安心できる場所でした。私のお父さん役が柳生博さんで『まわりにいるスタッフたちのことは気にしないで、親子の会話に集中すればいいんだよ』って教えてくださって。
ドラマとはどういうものかということや礼儀作法など、いろいろなことを教えてもらった現場でした」
共演者やスタッフにも恵まれ、デビュー後、1年足らずで多くのことを経験した。そんな郁恵さんが「すごく勉強させてもらった」と話すのが、昼ドラの『プラチナエイジ』(2015年、東海テレビ)だ。
「このドラマは夫婦が60歳を迎えた3家族のドラマで、自分の年齢より上の役を演じるのは初めてだったんですね。
還暦を迎えるとこんなふうになるのかなとか、演じながらいろいろ考えたり悩んだり。
この業界は定年や締めなんてものはないですけど、私も60歳を目途に、引き際とか締めを考えないといけないのかなと思った時期もありました。
でも私がいちばん大事にしている舞台という板の上で60歳を迎えたときに、その舞台で主演を務めていらした高畑淳子さんは、まだまだという勢いでやっていらっしゃった。
お芝居に対して、仕事に対して一生懸命立ち向かっていらっしゃる姿を目のあたりにしてね。
そんな背中を見せていただいたら、まだまだ私はこんなところでエンドを迎えちゃいけないんだ、まだやりつくしてないことがたくさんあるんだって。ちょっと堕落してたんじゃない? って、森繁さんの言葉が心に浮かびました」
まだまだこれから。自分自身に発破をかけて頑張らなくちゃ、と思ったタイミングで、『ゼンカイジャー』出演の話が舞い込んだ。
「まさか戦隊ものとご縁があるとは思わなかったですが、インパクトがありますよね。1年間も放送があるので『助けに来たよ』って変身したいですね。
武器も銃じゃなくて、杖とかほうきとかおばあちゃんの知恵袋的なものを持って戦いに行きたいです(笑)」
写真・福田ヨシツグ
ヘアメイク・加藤京子
スタイリスト・西脇智代(ともにエルドルフィン)
衣装協力・Mia asterism DIANA
(週刊FLASH 2021年3月30日・4月6日号)