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波瑠『ナイト・ドクター』リアルな鬱展開と安っぽい下世話展開…いったい誰得?
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2021.06.28 06:00 最終更新日:2021.06.28 06:00
前クール作品『イチケイのカラス』(フジテレビ系)が全話二桁視聴率(世帯視聴率)と、好調のままフィニッシュした “月9”。そして『イチケイのカラス』最終回の翌週である6月21日(月)、特番などの小休止を挟まずにスタートしたのが波瑠主演の医療ドラマ『ナイト・ドクター』(フジテレビ系)だ。
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試験的に昼夜完全交代制を導入し、夜間勤務専門の救命医チーム 「ナイト・ドクター」 が設立された病院が舞台。朝倉美月(波瑠)、深澤新(King & Prince 岸優太)、成瀬暁人(田中圭)、桜庭瞬(DISH// 北村匠海)、高岡幸保(岡崎紗絵)という5人の医師と、彼らの指導医である本郷亨(沢村一樹)がチームになった。
第1話は世帯視聴率が13.4%、個人全体視聴率が7.7%となかなかの好スタートだったが、はたしてストーリーは……?
(※視聴率はビデオリサーチ調べ/関東地区)
■安易なご都合主義がなく、ぽんぽん奇跡を起こさない
なにかと説明セリフが多かったことや、日勤の医師である救命救急センター長の性格がクズすぎるといったツッコミは多々あったが、筆者が評価すべきと感じたのは安易に奇跡を起こさなかったところ。
まず「ナイト・ドクター」発足初日に工事現場事故による重傷者が3名運び込まれ、美月が尽力するも、後日その患者の1人が亡くなってしまう。そして美月は亡くなった患者の恋人から責められるのだ。また、次に運ばれてきた身元不明の患者も亡くなってしまう。
救命救急のリアルを描くためだろうが、初回からなかなかの鬱展開。
しかし、ぽんぽん奇跡が起きるようなご都合主義にしなかったのはよかったと思う。今後、話数を重ねていくうちに、奇跡のような快復をみせる患者が出てくるかもしれないが、初回できっちり救命救急の現場の厳しさを示しているので、奇跡的展開があっても説得力があるのではないだろうか。
■“もう一人の主人公” キンプリ岸優太の成長物語?
主人公の美月は、すでに医師として一定以上の経験と腕があり、強い信念も持っている。そのためエンタメ作品としては、よくも悪くも成長の “伸びしろ” はそこまで大きくないように感じた。
一方、深澤と桜庭の若手イケメン医師2人は、現場で呆然と立ち尽くしたり、嘔吐したりするシーンがあり、現時点では役立たず。だがエンタメ的に言えば、成長の “伸びしろ” の大きさが充分ありそうだ。
深澤がナレーションを担当しており、深澤視点で物語が描かれているような描写も多々あるため、本作は彼が “もう一人の主人公” で、彼の成長物語であるのかもしれない。
ジャニーズ事務所の期待の星であるKing & Princeに所属する岸優太を、“もう一人の主人公” に大抜擢することで、フジテレビがジャニーズに恩を売ろうとしている……というのは、さすがに穿った見方をしすぎか?
■下世話な浮気シーンで締めてしまったもったいなさ
個人的にもったいないなと思ったのはラストシーン。
美月が彼氏のマンションの寝室に行くと、彼が見知らぬ巨乳美女と裸で寝ていたのだ。シリアスなシーンが続いていたので、制作サイドはあえてライトな浮気展開で終わらせたのかもしれないが、その安っぽい下世話な演出で記念すべき第1話を締めたのは残念に感じた。
余談だが、その浮気相手の巨乳美女を演じていたのはグラビアアイドルの天木じゅん。天木と言えば、前クールで北川景子と永山瑛太が出演した『リコカツ』(TBS系)の第1話でも、ジムのインストラクターと不倫している会員役でゲスト出演していた。
ドラマのプロデューサーなど、キャスティング権を持っている人々の界隈では、「浮気・不倫でスポット投入するなら天木じゅん」みたいな暗黙のルールがあるのかもしれない。
――今後もシリアス演出と少々コミカルな演出を並走させていくのか。それは “誰得” とも思われるが、気になる第2話は今夜21時放送である。
●堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中