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『初恋の悪魔』生死不明キャラの伊藤英明が次回予告で普通に元気…違和感の理由を考える

エンタメ・アイドル 投稿日:2022.08.13 11:00FLASH編集部

『初恋の悪魔』生死不明キャラの伊藤英明が次回予告で普通に元気…違和感の理由を考える

 

 終盤シーンと次回予告映像の大きな違和感。第4話終盤、揉み合っているうちに階段から転げ落ち、最悪の場合は死亡しているのではと思われた人物が、次回予告でごくごく元気そうに食事をしているのだ。

 

 先週土曜に第4話が放送された林遣都仲野太賀がダブル主演する『初恋の悪魔』(日本テレビ系)は、実に混沌としている。

 

 

 古くは『東京ラブストーリー』(1991年/フジテレビ系)を大ヒットさせ、近年は『カルテット』(2017年/TBS系)、『大豆田とわ子と三人の元夫』(2021年/フジテレビ系)といった話題作を生み出している脚本家・坂元裕二氏の最新作。

 

 ベースは警察署を舞台にした事件解決型のミステリアス・コメディーなのだが、主要キャラ4人は刑事課の現役刑事ではない。1人は刑事課を停職中で、残り3人は署内の総務課、会計課、生活安全課。4人とも職務上は大きな事件と無関係ながら、毎回事件に首を突っ込んで謎を解明していくというスタイルだ。

 

■作品タイトルの意味がようやくわかりかけてきた

 

 第4話終盤シーンと次回予告の違和感について考察する前に、『初恋の悪魔』という作品タイトルの意味について考えてみたい。

 

 現時点でもこのタイトルの意味は明確に示されていない。特に第1話を観ただけではさっぱり意味がわからなかったのだが、第4話まで観終えると、その意味の輪郭はぼんやりと見えてきている。

 

 主要キャラ4人のなかで紅一点の摘木星砂(つみきせすな/松岡茉優)。イカツいスカジャンを着こなす彼女は万引きなどを取り締まる生活安全課所属の刑事で、言葉遣いや振る舞いは乱暴という男勝りのキャラクターだ。

 

 第1話で主人公の一人・鹿浜鈴之介(しかはますずのすけ/林)が星砂に惚れるのだが、第2話以降でもう一人の主人公・馬淵悠日(まぶちはるひ/仲野)も星砂と心の距離を縮めていき、恋愛感情を抱くようになる。主役2人が同じ女性を好きになり三角関係の様相を呈しているのである。

 

 そして星砂には大きな秘密があり、実は彼女のなかに「ヘビ女」と呼ばれる別人格がいることが明らかになっている。ヘビ女は男っぽい星砂とは真逆で、男を惑わす魔性系のようで、3年前に亡くなった悠日の兄の死に深く関わっている模様。悠日が敬愛していた兄は、星砂のせいで死亡したのかもしれないのだ。

 

 主人公2人が星砂に恋をし、悠日の兄は星砂の別人格と恋愛関係にあった可能性が浮上しているという状況。物語はまだ中盤なので、最終回間際でダブルミーニングとして別の意味も明かされる可能性はあるだろうが、現時点ではタイトルの『初恋の悪魔』とは、星砂のことを指していると考えられる。

 

■階段を転落した署長の安否が気になっていたが…

 

 ここからは冒頭でお伝えした、終盤シーンと次回予告の大きな違和感について考察したい。

 

 第4話終盤、悠日の自宅マンションを訪れていた星砂が帰ろうとすると、警察署長の雪松鳴人(伊藤英明)がマンションの階段から突然現れる。雪松は悠日の兄と旧友で、彼の死の原因を探っており、帰ろうとする星砂の腕を強く握り、放そうとしない。そこに悠日が止めに入って揉み合いになり、はずみで雪松は階段を転落。

 

 雪松は階段の下まで転げ落ち、ぴくりとも動かない状態で倒れ込んでいる姿が映され、このシーンは終わっている。こんなシーンを見せられれば、雪松は死亡したか大ケガを負ったと考えるのが普通。にもかかわらず、このすぐ後に放送された次回予告で、雪松はケガしている様子もなくぴんぴんしており、悠日の自宅にて2人で普通に食事しているのだ。

 

 もちろん、雪松は幸いにもケガしなかったというのなら、終盤と予告映像に矛盾はないのだが……非常に不可解な演出なのだ。

 

 連続ドラマでは、次回も観てもらうために、終盤に視聴者が気になるシーンを入れるのは常套手段。だから登場人物を事故に遭わせて生死不明のまま仰々しく引っ張り、翌週の放送で無事に生きていたことをあっさり明かすという演出も珍しくはない。

 

 だが、それは翌週の放送まで生死不明にしておくから視聴者は次回が気になるわけで、次回予告でぴんぴんしている姿を映したら、わざわざ事故に遭わせた意味がなくなってしまう。

 

 本当に雪松がなにもなく無事に元気ならば、この作品の制作陣は相当アホだということになるが、さすがにそんなことはないはず。つまり、なんらかの秘密が隠されている、もしくは視聴者への心理的トリックが仕掛けられている可能性が濃厚なのだ。

 

 あくまで一例だが、雪松は転落時に死亡しており、次回予告で流れた元気な姿は過去の回想シーンだった、という展開もありえるのかもしれない。

 

 いずれにしても、生死不明にしたキャラの元気な姿を次回予告で流したのには、深い意図があるはず。

 

――本作の第1話から第4話までの世帯平均視聴率(※ビデオリサーチ調べ/関東地区)は6.6%、3.9%、3.8%、5.2%と低空飛行。特に第2話、第3話は3%台と目も当てられない数字になってしまっている。次回予告に違和感があった今夜放送の第5話で、もう少し巻き返せるといいのだが……。

 

堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中

 

( SmartFLASH )

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