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“性加害”報道で「降板ドミノ」の香川照之 自著で語っていた驚くべき“男尊女卑”思想

エンタメ・アイドル 投稿日:2022.09.03 18:33FLASH編集部

“性加害”報道で「降板ドミノ」の香川照之 自著で語っていた驚くべき“男尊女卑”思想

 

 銀座のクラブでの、女性への“性加害”を「デイリー新潮」に報じられた俳優・香川照之(56)が、9月1日、自身が金曜日のMCを務めていた朝の情報番組『THE TIME,』(TBS系)を降板した。また、出演していたCMも、トヨタ自動車、アリナミン製薬、東洋水産、セゾン自動車火災保険、サントリーの5社がすでに、放映やサイト掲載を打ち切っている。

 

 

 さらに性加害に続き、香川が女性の番組スタッフを殴打した疑惑が「週刊文春」で報じられた。記事の内容については、香川の所属事務所は否定している。

 

 自分より弱い立場の、とくに女性に対する暴力。香川の驚くべき“男尊女卑”とも思える発想は、かつて自身の著書でも語られていた。2010年にキネマ旬報社から出版された『日本魅録2』のなかに、以下のような記述がある。

 

 香川は1965年、歌舞伎役者・三代目市川猿之助(現・二代目市川猿翁)と女優・浜木綿子との間に生まれた。生後間もなく両親は別居し、自身が3歳のころに正式に離婚。以来、父とは会うことも許されず、本来、生業として継がなければならなかった歌舞伎とも離れ離れになった、と自身の生い立ちを紹介し、こう続ける。

 

《全ての人の祖先に、男だけの系譜の流れと、女だけの系譜の流れが存在する。そして私は男子である。だからこそ、祖父、曾祖父、さらに六代前まで遡って歌舞伎をしていたという私の『男』の系譜、あるいはもっと戻って、私をここに送り出した男たち全員の系譜の綿々とした血の流れは果たしてどんなものだったのだろうと、私は時々目を瞑って考えてみる。日本では良きも悪しきも当たり前だった『男尊女卑』という姿勢が、戦後『最も愚かしいもの』として多くのフェミニストから急追され、二十一世紀の今や、強い女性・働く女性・家庭に入らない女性像へと組み代わり、この『女性の男性化』によるシングルマザーの急増や、男子よりも女子を産みたいと望む夫婦の台頭などが、『家』とは男子を継承していく歴史なのだというこの国の古来の伝統を『そんなものは古くさい』『いらない風習なのだ』と端に押しやってしまった感がある》

 

 この記述について、ノンフィクション作家の石井妙子氏は著書『日本の血脈』のなかで、「父への強い思慕と、母、あるいは女性全般に対するうっすらとした嫌悪のようなものが漂っている」と述べる。しかし、香川がこだわる歌舞伎役者の「父系の血脈」、彼の言葉でいうところの「男だけの系譜」は、「強い女たち」によって支えられてきたとも、石井氏は指摘する。

 

 家格がものを言う歌舞伎界において、初代・猿之助は不遇の時期を過ごしたが、「劇界の女将軍」と呼ばれた妻・古登の導きにより、活躍の場を得て、屋号の「澤瀉屋」は隆盛したという。また、香川の父である三代目猿之助は離婚後、独自にケレン味を出す芸を追求し、歌舞伎界で孤立していたが、舞踊家の藤間紫と再婚し、妻の献身的なサポートを得たことで存分に活躍することができた。当然、女性、あるいは母の支えがなければ市川家は成り立たなかったのだ。

 

 また、石井氏は、「父親を知らない」「自分には『男』としての大切な何かが欠落しているのではないか」と自著で繰り返す香川に、「父性への執着」を見ている。実際、香川はかつて松田優作と共演した際、松田の男気に惚れ「親父になって欲しい」と告げている。また、自著でも「かつて僕が最も愛した男性である松田優作」と綴る。

 

 母も留守がちで、孤独な少年時代を過ごしたという香川。“心の穴”を抱えて生きてきたにせよ、他人を暴力で傷つけてしまっては、同情の余地はない。

( SmartFLASH )

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