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本田翼『君の花になる』気軽にサクッと楽しめる秘密は「恋愛・友情・成功」3本柱の絶妙バランス
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2022.11.22 11:00 最終更新日:2022.11.22 11:00
この作品の3本柱である「恋愛・友情・成功」のバランスがよく、いい意味で適当に観られるドラマだと思う。
本田翼演じる主人公・仲町あす花が、鳴かず飛ばずで崖っぷちの7人組ボーイズグループ・8LOOMが共同生活を送る寮の寮母となり、彼らがトップアーティストになっていくために応援していくドラマ『君の花になる』(TBS系)。
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あす花は元高校教師なのだが、8LOOMのセンターを務める佐神弾(高橋文哉)は元教え子で、数年ぶりに再会した2人の恋愛展開も描かれている。
世帯平均視聴率(※ビデオリサーチ調べ/関東地区)は第1話から第5話まで6.5%、6.0%、5.2%、5.1%、5.3%と低空飛行を続けているものの、5%台で踏みとどまっているため固定ファンはついているようだ。
先週放送の第5話は、グループの大きな転換点となる回だった。
新曲が週間ランキングで1位を獲得しなければ、契約更新されず解散の危機という状況だった8LOOM。新曲は残念ながら3位だったものの、テレビ中継されたライブで新曲とともに歌っていた3年前のデビュー曲が1位を獲得し、危機を脱するまでが描かれた。
■先週は男同士の友情とサクセスストーリーが熱かった
このドラマの見どころは、あす花と弾の恋愛、8LOOMの男の友情、そして8LOOMの芸能界での成功の3本柱。
第5話では、弾があす花への恋心をより自覚していき、一方のあす花も弾がある女の子に抱きつかれる姿を見てモヤモヤとした感情を覚えるシーンがあったが、基本的に恋愛パートは少なめ。友情パートと成功パートが熱かった。
弾に代わって新リーダーを任されたメンバーが、気負ってライブ直前で足をケガして、ライブで得意のダンスが披露できない事態に。しかし、新リーダーがメンバーたちのことを想う姿と、そんな新リーダーのケガを全員でフォローする展開になり、男同士の友情イチャイチャが好きな方にはたまらなかっただろう。
また、新曲が3位どまりで絶句したあす花を描き、視聴者も一瞬絶望させておきながらの、実はデビュー曲が1位でしたという意表を突いた “裏切り” は心地よく、サクセスストーリーとしても一定の見応えがあった。
■本格的じゃないから気軽にサクッと観ることができる
悪く言えば、恋愛パートは胸キュンシーンの押し売り感があるため、好き嫌いがわかれるだろう。友情パートは男同士のわちゃわちゃが好きな人なら楽しめるだろうが、そこまで深い心情が描かれるわけではない。成功パートはピンチを跳ねのけてどん底から飛翔するという王道展開だが、セオリーどおりでありがち。
要するに3本柱は1本1本を分析するとどれもちょっと微妙で、どれも骨太とは言いがたい。ただ、その3本のバランスがちょうどいいし、どれも本格的ではないから気軽に観られるというメリットがある。
たとえば筆者は、TVerの見逃し配信再生数の歴代記録を更新し、今期のドラマの話題をかっさらっている川口春奈主演『silent』(フジテレビ系)が、間違いなく今年のNo.1恋愛ドラマだと思っている。
だが、毎回毎回、胸に深く突き刺さりすぎてしまうためヘビーで、『silent』は「よし、観るぞ…!!」としっかり心構えをしてからでないと観られない。
ところが『君の花になる』は、事前の心の準備などは不要で、ライトに観ることができる。あくまで個人的な感想でしかないが、同じような感覚を抱いているドラマファンは少なくないのでは、とも思う。
きちんと作品に向き合わないと観られない『silent』と、気軽にサクッと観ることができる『君の花になる』、どちらもそれぞれによさがあるということだろう。
――今夜放送の『君の花になる』第6話は、8LOOMが一気に売れっ子になってメディアから引っ張りだこの様子や、脱退していた元メンバーの存在が波紋を呼ぶ様子が描かれる。後半戦に突入して新展開を迎えるようだが、これまでと変わらず、適当に観るのにちょうどいいドラマであってほしい。
●堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中
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