人気の2時間ドラマ『終着駅シリーズ』と『西村京太郎トラベルミステリー』が、ついに終幕のときを迎えることになった。最終作となる『終着駅シリーズ・ファイナル 十月のチューリップ』が12月22日に、『西村京太郎トラベルミステリー・ファイナル 十津川警部のレクイエム』は12月29日に、それぞれテレビ朝日系で放送される。
森村誠一氏原作の『終着駅』は、1990年に放送開始。1996年から主役の牛尾刑事を片岡鶴太郎が演じ、ファイナル作品は第38作となる。
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西村京太郎氏原作の『トラベルミステリー』は、1979年スタート。主人公・十津川警部役を三橋達也から2000年に高橋英樹が引き継いだ。ファイナルは第73作。
2時間ドラマをこよなく愛するコラムニストのペリー荻野さんに、2作品が終了することについて話を聞いた。
「『土曜ワイド劇場』(テレビ朝日系)の代表的なドラマであるこの2作品には、長年、楽しませてもらいました。ファンとしては、とても寂しい気持ちです。
ただ、テレビ朝日がこうして『ファイナル』と銘打ち、区切りをつけてくれたことはよかった。いつのまにかシリーズが制作されなくなって、終わっていく。そういう作品は多いんです。テレビ朝日の、両作品に対するリスペクトの表れだと思っています。
残念なことに、2時間ドラマは地上波のテレビから姿を消しつつあります。『土曜ワイド劇場』は2016年に終了、日本テレビ系の『火曜サスペンス劇場』も2005年に放送を終了しています。じつは現在、地上波で2時間ドラマのレギュラー枠はないんです。
テレビドラマ全体の傾向として、「短時間化」が進んでいるんですね。2時間どころか、1時間でも長いと。TBSの深夜0時40分からの『よるおびドラマ』(月~木)、NHKの『夜ドラ』(夜10時45分~、月~木)は、ともに15分のドラマです。
若い人は好きな時間に配信や録画で観る人が多く、しかも、ドラマ以外にもスマホでSNSをやったりと、とにかく忙しい。2時間のドラマが入り込むスキはなかなかない。
加えて、2時間ドラマで扱うサスペンスの“謎解き”が、現代には合わなくなっていることもあると思います。たとえば『トラベルミステリー』の見せ場は、時刻表を使ったトリックですが、防犯カメラがこれだけ普及している時代、やりにくくなっているのでは。現在の主流である科学捜査と、『終着駅』のような人間ドラマのマッチングというのも、なかなか難しい面はあるでしょう。
おそらく、2時間ドラマのコアなファンというのは、高齢化が進んでいるでしょうし、もはや地上波テレビのメインのターゲットではないのでしょう。寂しいことですが、今回の2作品の終了というのは、そう宣言されているような気もします」
『トラベルミステリー』のファイナル作品では、十津川警部がシリーズで初めて銃を撃つシーンがあるという。最後に大きな見せ場が用意されているようだ。
( SmartFLASH )