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【2022年「大駄作」連ドラ5作品】柴咲コウの熱演が台無し「警察が無能すぎてもはや滑稽バラエティ」だった作品は?

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2022.12.30 06:00 最終更新日:2023.01.06 10:16

【2022年「大駄作」連ドラ5作品】柴咲コウの熱演が台無し「警察が無能すぎてもはや滑稽バラエティ」だった作品は?

 

 2022年、今年も数多くのドラマが放送された。

 

 そこで今回は、『SmartFLASH』で年間100本近いドラマ批評記事を執筆しているコラムニストの立場から、2022年の「期待値が高かったのにフタを開けてみれば駄作」として、5つのドラマを独断で選んだ。

 

 なお、ここで紹介するのは、あくまで放送前の期待値は高かったのにガッカリさせられたという作品。最初から期待値が低く、そのまま本当に駄作だった作品は除外させていただき、放送前とのギャップが際立ってしまったドラマを厳選した。

 

 

 結末のネタバレなどは最小限にして解説していく。今からでも視聴できる動画配信サービス名も記載しておくため、逆に興味が沸いたという方は正月に視聴してみてほしい。

 

■『DCU ~手錠を持ったダイバー~』(TBS系/1月期/Paravi)

 

『半沢直樹』を生み出したTBSの看板枠・日曜劇場の作品で、『下町ロケット』や『ドラゴン桜』などで同枠への貢献度が高い阿部寛が主演、さらにハリウッド大手プロダクションと共同制作という箔付けまでされたこの作品。

 

 否応なく期待値が高まっていたこともあり、視聴率的には大ヒットと言える数字を残したが、評判はかんばしくなかった。

 

 海上保安庁が新設した潜水特殊捜査隊、通称「DCU」。隊長(阿部)を筆頭に、15年前の海難事件で救われ、隊長を慕う若手隊員(横浜流星)らの活躍を描いた。

 

 第1話は、事件解決のため、水深100mの湖底を隊長らが潜水捜査するダイナミックな映像が楽しめたが、物語後半ではあきらかにダイビングシーンがスケールダウン。これが本作をいまいちだと思わせた最大の原因だった。

 

 後半は水族館や温泉に潜るだけで、最終話も施設内の水槽でラストバトル。前半に制作費をつぎ込みすぎて、後半は予算が足りなくなったんじゃないか、そんな心配をしてしまうほど、醍醐味であったはずの潜水シーンがショボくなっていた。

 

 ハリウッドだなんだと鳴り物入りでスタートしたこともあり、視聴者から失望とツッコミの声が殺到したのだった。

 

■『元彼の遺言状』(フジテレビ系/4月期/FOD)

 

 主人公の敏腕弁護士(綾瀬はるか)が、バディとなる謎の男(大泉洋)と難解な殺人事件などを解決していくミステリー。

 

 本作の前に綾瀬が主演した連ドラ3作品は、全話の世帯平均視聴率(※ビデオリサーチ調べ/関東地区)が12%台後半から15%前半と軒並みヒットしていたため、そんな彼女の月9作品ということで期待値は爆上がり。

 

 しかし、第1話こそ12.1%と好スタートだったが、その後は右肩下がりで、第6話は7.9%まで下がってしまった。

 

 原因はいくつか考えられるが、個人的に残念だったのは、元彼の遺言状にまつわる事件が第2話で早々に解決してしまい、第3話以降はタイトルとほぼ無関係の1話完結型になってしまったこと。1話完結型ミステリーが悪いわけではないが、この作品は各エピソードの脚本や演出が雑になっていた印象が強い。

 

 また、主人公は知識豊富で頭のキレる強気な弁護士で、どんなあくどい手を使ってでも “勝ち” にこだわるタイプ。キャラ立ちはしているが、こういった主人公像はテンプレ化していて、たとえば『リーガル・ハイ』(フジテレビ系)の主人公との既視感もあった。

 

 そこまで粗悪な作品ではないものの、前評判が相当高かったため、ガッカリ感も強かったのである。

 

■『インビジブル』(TBS系/4月期/Paravi)

 

 事件解決のためなら手段を選ばない異端の刑事(高橋一生)と、本名・国籍・年齢すべてが不明という犯罪コーディネーター・キリコ(柴咲コウ)がバディを組んで、凶悪事件を解決していく物語。

 

 演技力に定評がある高橋×柴咲が挑むクライムサスペンスということで、ハズしようがないと思っていたのだが……まさか “シリアス風のコメディドラマ” に成り下がるとは。

 

 原因は脚本のお粗末さにあるのだが、具体的に言うと、エリートなはずの警視庁の刑事たちが、あまりに無能すぎたのである。敵か味方かわからないキリコをやすやすと逃がしてしまったり、簡単な偽装を見破れず容疑者を連れ去られてしまったりと、ことあるごとにダメダメぶりを披露。

 

 ネタバレは最小限にしておくが、最終話もひどかった。何十人もの刑事が黒幕を完全に包囲していたのに、みなが油断して黒幕に起死回生のチャンスを与え、逆に危機的状況に陥ってしまうのだ。

 

 犯罪者たちが有能なのではなく、単に警察がアホすぎて状況が悪化するという展開があまりに多く、バラエティ番組のコントかと思うほど滑稽だった。高橋や柴咲の渾身の演技も台無しだった。

 

■『恋なんて、本気でやってどうするの?』(フジテレビ系/4月期/FOD)

 

 広瀬アリスのプライム帯・連続ドラマ初主演作。昨年、広瀬がヒロインを演じた恋愛ドラマ『知ってるワイフ』(フジテレビ系)は感動を呼んだため、こちらにも期待がかかっていた。

 

 本作が駄作と言わざるを得ない要因は、“安っぽい” という一言に尽きるだろうか。

 

 広瀬演じる主人公は、27歳にして恋愛経験ゼロ・男性経験ゼロ。仕事も趣味も充実しているため、恋愛という不確かなものに今のペースを乱されたくないと考えている。

 

 そんな主人公に、お相手役の年下イケメン(SixTONES・松村北斗)は、転びそうになったところで体を支えてくれたり、傷ついているときに抱きしめて「泣いていいよ」と慰めたりと、ありがちなモテ男ムーブを連発。

 

 主人公は「恋なんて人生のムダ!」というポリシーを持っているわりに、そんな古臭いシチュエーションであっさり恋に落ちるので呆れてしまう。

 

 また、その年下イケメンは、フレンチビストロのギャルソンなのだが、実はその店は、カネ持ちの父親があてがってくれたお店。要するに、24歳にもなっても親のスネをかじって調子ぶっこいているボンボン息子だったのだ。

 

 中高生レベルのすったもんだを繰り返す2人の恋愛に共感できない視聴者が続出。恋愛ドラマは感情移入してもらってナンボだが、それがかなり難しかった。

 

■『金田一少年の事件簿』(日本テレビ系/4月期/Hulu)

 

 なにわ男子・道枝駿佑主演で、名探偵・金田一耕助の孫である金田一少年が、高校生ながら類まれなる推理力で数々の難解な殺人事件を解決していく作品。

 

 これまでに、KinKi Kids・堂本剛、嵐・松本潤、KAT‐TUN・亀梨和也、Hey!Say!JUMP・山田涼介という、ジャニーズ事務所のエースタレントが主演を務めてきており、道枝が5代め。

 

 伝統あるシリーズなのに駄作になってしまった最大の要因は、ズバリ道枝の役作り。毒にも薬にもならない無難な演技に終始していたことがとても残念だった。

 

 金田一少年は、ふだんはお調子者のおバカキャラだが、ひとたび事件が起これば天才的な頭脳でクールになぞ解きをしていく役柄。つまり、おバカモードと天才モードのギャップが最大の魅力なのだ。

 

 しかし、道枝はぜんぜん振り切れておらず、中途半端。恥を捨てておバカキャラを演じる覚悟ができていないように見えた。金田一の味であるダメ男っぽさが薄く、ゆえにただの明るい美少年にしか見えないのである。

 

 ほかにも、役者たちの芝居がオーバーで学芸会のようだったり、遺体の一部である手の小道具が見るからにゴム製でちゃちかったりと、全体的にチープすぎてガッカリさせられた。

 

 ――今回紹介した作品は「Paravi」「FOD」「Hulu」といった動画配信サービスで観られるので、こわいもの見たさで気になった方は視聴してもいいかもしれない……。

堺屋大地

恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『現代ビジネス』『集英社オンライン』『日刊SPA!』などに寄稿中

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