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『どうする家康』出演中の波岡一喜 苦悩を救った親友・上地雄輔の言葉「二番の俳優って大切」
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2023.03.12 11:00 最終更新日:2023.03.12 11:00
作品にも人にも恵まれたという波岡が、興味深い表現で話してくれた。
「俳優は『作品』というくじを毎回買って参加しているんです。僕が初めて引いた映画のくじが『パッチギ!』という大当たりのくじだった。作品が評価されると多くの人の目に留まって、僕の俳優としてのスタートラインは一気に上がりました。たまにすごいくじを引くためには、エントリーし続けないといけない。すごい本数の作品に出させていただいているのはエントリーさせてもらえてるから。ありがたいなと思っています」
いいスタートでも、その状態を保ち、さらに “上” へ行ける俳優はひと握りだ。壁にぶつかった波岡は、上を目指し、オーディションを受け続けた。
「32歳ぐらいのときに本気でやめようと思ったことがあります。俳優として0から1、1から2に上がっていきたいはずなのに、(次の作品では)2から1に落ちたりする。自分はエースで四番の俳優になりたいのに、なんでいつも二番なんだって。届かない感じが我慢できなくなったんですね」
そんなとき、波岡の気持ちを救ったのが親友である上地雄輔の言葉だった。
「『一喜が今やってる役を、何人の俳優がやりたいと思ってると思う? それをお前はやれているのにやめようって考えるなんてアホだよ』って言われて。そのとおりだなって思いました。ドラマや映画で役者全員が四番じゃ成り立たない。バントヒットで繋いでいく二番のような役者も必要なんです。雄輔の言葉で “二番” を続けることの大切さに気づいたというか。その日は潰れるまで飲みました」
波岡が「芝居の猛者が揃っている」と話すのが、現在出演しているNHK大河ドラマ『どうする家康』だ。徳川家家臣の本多忠真を演じているが、家臣団の結束が固く非常にいい現場だと話す。
「みんなが松本潤くんを公私で支えたいという共通認識があって、めちゃくちゃいいチームです。撮影中もどんなふうに布陣したらいいかと瞬時に察知できる天才が揃ってるから、すぐに進むんです。まだクランクアップしてないのに、『毎年集まろう』なんて話をするぐらい仲がいいです」
2021年放送の大河ドラマ『青天を衝け』で演じた、作品の脇を固める寡黙な武士・川村恵十郎役では「時折見せる笑顔がステキ」とSNSなどで話題になった。
「豪快な役が多いので、あの役はよかったですね。今出演している大河にも繋がったと思ってます」
そして、4月放送のドラマ『稲妻ムービーマーケット』(サンテレビ)では四番打者、主演を担う。
「あるものを手を抜かずにちゃんとやること。これを大事にしてきたからかな。二番でもたまには四番を打たせてもらえるので、やっぱり俳優はやめられない」
いい色に焼けたふぐを頬張る波岡は、優しい顔をしていた。
なみおかかずき
1978年8月2日生まれ 大阪府出身 ドラマ『プライド』(2004年、フジテレビ)でデビュー。映画『パッチギ!』(2005年)、『クローズZERO』(2007年)で注目され、多くの映画やドラマで活躍。配信ドラマ『火花』(2016年、Netflix)では主演を務め、NHK大河ドラマ『青天を衝け』(2021年)でも話題に。現在、NHK大河ドラマ『どうする家康』で本多忠真を熱演中。ドラマ『稲妻ムービーマーケット』(4月3日スタート、月曜23:30〜、サンテレビ)では主演を務める。舞台『幾つの大罪~How many sins are there?~』(4月~5月まで東京ほかにて公演)に出演
【しゃぶ焼 ふくのや】
住所/東京都渋谷区恵比寿南1-8-9 京城ビル4階
営業時間/18:00〜23:00(L.O.フード22:00、ドリンク22:30)
定休日/日曜、祝日
写真・野澤亘伸