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布袋寅泰らに愛されたギター工房「ゾディアックワークス」閉業…代表が本誌に語っていた「いちばんカッコよく見える “顔” を」の思い

エンタメ・アイドル 投稿日:2023.05.15 16:11FLASH編集部

布袋寅泰らに愛されたギター工房「ゾディアックワークス」閉業…代表が本誌に語っていた「いちばんカッコよく見える “顔” を」の思い

左から音楽プロデューサーの織田哲郎、松崎氏

 

 布袋寅泰ギターを筆頭に、L’Arc〜en〜Ciel(ラルク アン シエル)のHYDEや、GLAYのHISASHIなどのギターを手がけたことで知られるギター工房「ZODIACWORKS」(ゾディアックワークス)が、2023年5月末日をもって閉業することが12日、公式サイトで発表された。

 

 全製品で在庫分は完売となっているため、注文の受付も終了になるという。

 

 

 2022年2月に同社の代表・松崎淳氏が出張先の福岡で逝去。ZODIACWORKS=松崎淳氏であったとはいえ、同社の閉業が発表されると、ネット上では惜しむ声が多く寄せられた。

 

《Zodiacのギターを買うというのが夢で、コツコツと貯金してました…⁠悲しいです…》

 

《ローン組んででも一本持っておきたかった》

 

《メーカーとミュージシャンのリレーションシップで、名器は生まれる。布袋氏、寂しいだろうな…》

 

 音楽誌『ヤング・ギター』で執筆する音楽ライターの尾谷幸憲氏が、松崎氏の功績を語る。

 

「松崎さんは、1992年にZODIACWORKSを設立する以前、日本の有名ギターメーカー・フェルナンデスに在籍していました。

 

 フェルナンデスのギターは海外メーカーのフェンダーやギブソンのコピー・モデルが多かったのですが、松崎氏は同社在籍時から布袋モデルや、X JAPANのhideモデルなどを制作しており、彼らと仕事をするなかで、独創的なデザインのギターをつくるようになりました。

 

 世界で一番売れたギター(ワンモデル)としてギネスブックにも載った、アンプ&スピーカー内蔵のミニギター『ZO-3』も松崎さんが開発したもの。本機をキッカケに、ギターを始めた人もかなり多いと思います」

 

 本誌は、2020年、ZODIACWORKSの工房を訪れている。取材に応じてくれた松崎氏は、布袋との出会いを次のように語っていた。

 

「布袋さんとは30年以上前、BOOWY時代からおつき合いいただいています。1992年にここを設立してからは、布袋さんのギターのカスタムメイドを始めました」

 

 ギタリスト布袋寅泰の象徴ともいえるギタリズム柄、いわゆるG柄のギターを何本も手がけたほか、日本を代表するミュージシャンたちの顧客を多く抱えていた松崎氏。

 

 しかし、独立後はすんなり軌道に乗ったわけではなかったことを、本誌の取材に明かしていた。

 

「当初は、あまり仕事はありませんでした。そんなとき、以前の僕の仕事を喜んでくれたムッシュかまやつさんが、所有するギターすべてのメンテナンスを依頼してくださったんです。それが終わると、『次は(吉田)拓郎のリッケンバッカーを見てね』と」

 

 ていねいな仕事ぶりでアーティストたちとの信頼関係を築いていった松崎氏は、その後、数々の独創的なギターを誕生させていく。

 

「ご本人が過去のインタビューで『月ごとの生産数はまちまちで、15本出荷できる月もあれば、3本しかできない月もあります』と語っていたこともあるように、ZODIACWORKSは、ほぼ松崎氏による個人工房でした。

 

 そんななかで、何本ものオリジナルデザインのボディを生み出したほか、通常のギターではあまり使用されないカーボン素材を使ったり、スワロフスキーを散りばめたギターを制作したり、常識に囚われない唯一無二のオリジナリティを発揮しました。

 

 近年、日本のギター市場では海外メーカー製品が勢力図を伸ばしつつあります。そういう時代に松崎さんとゾディアックがいないのは、わが国の音楽業界にとって大きな損失と言えるでしょう」(尾谷氏)

 

 本誌の取材に「ギターは、ギタリストにとっての “顔”。その立ち姿に合わせて、いちばんカッコよく見えるギターを作りたい」とも語っていた松崎氏。伝説のギターを数々生み出してきた工房は、主の死去から1年後、ひっそりとその幕がおろされることになった。

( SmartFLASH )

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