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ヒットの予感あふれる『ハヤブサ消防団』…注目すべきはヒロイン川口春奈の “したたか” な作品選び

エンタメ・アイドル 投稿日:2023.07.27 11:00FLASH編集部

ヒットの予感あふれる『ハヤブサ消防団』…注目すべきはヒロイン川口春奈の “したたか” な作品選び

 

 川口春奈の作品選びが、いい意味で “したたか” だと感じさせる『ハヤブサ消防団』(テレビ朝日系)。

 

半沢直樹』(TBS系)などで知られる池井戸潤氏の同名小説が原作で、水卜麻美アナと結婚して脂が乗っている中村倫也が主演を務めており、先週木曜に第2話まで放送されている。

 

 予備知識なくタイトルだけ見ると、火災現場に駆けつけて活躍する消防団のお仕事もので、団員同士の熱い友情を描くハートフルなヒューマンドラマかなんかを想像するかもしれない。だが、本作はゴリゴリのミステリー作品となっている。

 

 

 ヒット作に恵まれない崖っぷちのミステリー作家・三馬太郎(中村)は、豊かな自然が広がるのどかな集落「ハヤブサ地区」に移住して地元の消防団に加入する。その田舎町では、連続放火騒動や住民不審死などの怪事件が起きていき――というストーリーだ。

 

 太郎よりも少し前に東京から移住していた映像ディレクター・立木彩を演じているのが川口である。

 

■第2話は展開がスローリーだったが…

 

 川口演じるヒロインが本格的に物語にからんできた第2話だが、ここまで観た率直な感想としては、少し展開がスローリーすぎるかな、というもの。

 

 第1話では放火事件と住民の不審死が描かれたので、ミステリー作品としてのグリップ力は強くてよかったのだが、第2話は特に事件は起こらず、早くも “なぎ” の回だった。

 

 世帯平均視聴率(ビデオリサーチ調べ/関東地区)は、第1話は10.5%と二桁スタートで好調だったが、第2話で9.4%とやや下落してしまったのは、その展開の遅さが一因かもしれない。

 

 とは言え、今のご時世で考えれば9%台でも高視聴率の部類だし、見逃し配信での人気の指標となるTVerのお気に入り登録者数も76.1万人(7月25日現在)と好調。この調子でいけばヒット作と呼べる作品になりそうである。

 

 消防団員にキャスティングされているのは、満島真之介を除いては、生瀬勝久、橋本じゅん、梶原善、岡部たかしといったいぶし銀のおっさん俳優が揃っている。

 

 池井戸潤氏原作のミステリーで、この渋いキャスト陣を考えると、タイパを気にする若者がターゲットではなく、メインのターゲットは骨太作品をじっくり観賞したい中高年だろうから、これぐらいスローリーでもいいのかもしれない。

 

■“低視聴率女優” のレッテルを貼られていた

 

 さて、ここからは川口の作品選びがいかに秀逸かという話をしよう。

 

 川口と言えば、昨年10月期に主演した恋愛ドラマ『silent』が大ブームとなり、役者としての格を上げたばかり。そんな彼女の『silent』後、初のレギュラー作品がこの『ハヤブサ消防団』なのだ。

 

『silent』放送前から『ハヤブサ消防団』の出演は決まっていたのかもしれないが、今の川口なら主演作のオファーも多いに違いない。あえて主演作ではなくヒロイン役で助演するという戦略だったのだろう。

 

 そもそも、ドラマの主役を担うということはハイリスク・ハイリターン。その作品がヒットすれば主演俳優の評価がうなぎ上りになるが、爆死してしまうと評価はだだ下がりする。

 

 実は、当の川口自身が、主役を背負うハイリスクのダメージをこうむった過去があるのをご存知だろうか。

 

 今から10年前の2013年、川口が18歳のときに主演した『夫のカノジョ』(TBS系)。第5話で3.0%という低視聴率を叩き出してしまい、ほかの回でも3%台を何度も出したこともあり、放送回数が短縮されて8話で打ち切りになってしまった。

 

 当時、川口は自身のブログで、《視聴率、視聴率、、今はすべてが数字で判断される時代なのかな?悲しいな…》とつらい心情を吐露していたほどだが、これを機に “低視聴率女優” のレッテルを貼られてしまっていた。

 

■主役のハイリスクを回避しつつリターンもある

 

 川口は主役を担うということがいかにハイリスクであるか、身をもって体験しているからこそ、今回は助演を選んだ可能性もなきにしもあらず。そのうえで、『ハヤブサ消防団』を選んだのは絶妙だと感じる。

 

 池井戸潤氏の原作ドラマといえば『半沢直樹』を筆頭に、『下町ロケット』(TBS系)、『陸王』(TBS系)、『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ系)など、大ヒットとなる確率が高い。

 

 実際、『ハヤブサ消防団』も好調なスタートを切っているが、このままヒット作となれば『silent』効果もあって「川口春奈が出る作品は当たる!」という高評価を得られるだろう。万が一、不発に終わっても「中村倫也人気が低迷か」とささやかれるぐらいで、川口はほぼ無傷に違いない。

 

 そういった保険がかかっているので、ローリスクでハイリターンが望める手堅い作品選びと言えそうだ。

 

 ――今夜放送の第3話では、女の幽霊にまつわる山の怪異や新たな放火事件が描かれるようなので、ミステリー作品として大きな動きがありそう。ヒロイン・川口春奈の活躍も期待しつつ、ストーリーを楽しみたい。

堺屋大地

恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。『日刊SPA!』に恋愛コラムを連載中。ほに『現代ビジネス』『文春オンライン』『集英社オンライン』『女子SPA!』などにコラムを寄稿

( SmartFLASH )

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