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『下剋上球児』鈴木亮平の魅力が薄くて薄くて…問題ばかり起きて視聴者はモヤモヤだらけ

エンタメ・アイドル 投稿日:2023.10.22 11:00FLASH編集部

『下剋上球児』鈴木亮平の魅力が薄くて薄くて…問題ばかり起きて視聴者はモヤモヤだらけ

 

 今後おもしろくなっていくのだろうとは思う。だが、第1話はモヤモヤと消化不良なことが多く、心がグイッと掴まれるようなグリップ力は弱かった印象……。

 

 先週日曜に第1話が放送された、鈴木亮平主演の日曜劇場下剋上球児』(TBS系)のことだ。

 

 社会現象化した『VIVANT』からバトンを引き継いだ作品で、約2年前に『TOKYO MER~走る緊急救命室~』をヒットさせた鈴木が、日曜劇場に凱旋主演することで注目を集めた。

 

 

 三重県の公立高校の野球部が、2018年、甲子園初出場するまでの奇跡を綴った、ノンフィクション本『下剋上球児』(菊地高弘著)を原案としているとのことで、要するに実話をモデルにしたストーリーである。

 

 鈴木演じる主人公・南雲脩司は、高校時代、甲子園を目指していた強豪校の球児で、大学まで野球一筋だったものの、ケガで引退。36歳で教員免許を取って高校教師になった変わった経歴の持ち主だ。

 

 物語は2016年の春からスタート。南雲は赴任している高校では野球経験を隠していたが、ひょんなことから廃部寸前の弱小野球部の監督に就任することに。最終的に、2018年夏の甲子園に出場できるかどうかを描くことになるようなので、3年間の物語を1クールで描く作品になるのだろう。

 

■『最愛』『アンナチュラル』などのコンビ

 

 本作は、鈴木が『TOKYO MER』以来となる2度めの日曜劇場主演というトピックが注目されているが、コアなドラマファンからは別の要素での期待値が高い作品だった。

 

『アンナチュラル』(2018年)、『MIU404』(2020年)、『最愛』(2021年)、『石子と羽男―そんなコトで訴えます?―』(2022年)と、TBSで近年ヒット作を連発している新井順子プロデューサーと塚原あゆ子監督のコンビが送るドラマなのだ。さらに、『最愛』でメイン脚本家を務めた奥寺佐渡子氏がストーリーを紡いでいく。

 

 筆者は『最愛』にかなりハマッており、ほかにも良質なドラマを量産しているチームであることは知っていたので、期待して第1話を視聴した。

 

 しかし、冒頭でお伝えしたとおり『下剋上球児』の第1話のグリップ力はいまいち。『最愛』は第1話からかなりグイッと物語に惹き込まれたのだが……。

 

 鈴木演じる主人公は、『TOKYO MER』の救命救急医のときとベースは似ていて、快活な熱血漢というキャラクターだと思う。悪く言えばマンネリだが、よく言えば鈴木の十八番ともいえる主人公像だ。

 

 だが、第1話では、ストーリー的にその熱血漢の魅力が薄く、消極的な姿ばかり描かれており、不安や苦悩の表情を浮かべたり、愛想笑いでやりすごしたりするシーンが続いていた。

 

 鈴木の演技がうまいことがアダとなっており、ふだんはポジティブな人格者であろう主人公が、ネガティブに表情を曇らせている様子を見せられると、こちらも気分が落ち込んでしまうのである。

 

■第1話はフラストレーションが溜まるばかり

 

 弱小野球部自体の問題はもちろんのこと、南雲が誰にも言えない秘密をひた隠していること、高校時代の野球部監督だった恩師に対して複雑な感情を抱いていること、南雲の妻が仕事関係の問題に直面していることなどもほのめかされた。この問題山積の感じが、視聴している側にもフラストレーションとなって、モヤモヤしてしまう。

 

 また、団体競技を扱うドラマなので仕方ないことだろうが、野球部員の登場人物が多すぎて覚えきれないという観づらさもあった。彼ら1人1人の背景をちらっと描き、伏線も張っていくものだから、脳内が整理しきれず、余計にゴチャゴチャしてしまった。

 

 3年間を1クールで描く物語なので、第1話で新1年生として入部してきた生徒たちが3年生になった夏がクライマックスだろうから、ぽんぽんと時間は経過していくはず。

 

 そのため、“掴み” となる第1話では主人公のよさが打ち消されていたが、第2話以降でどんどんフラストレーションが解消され、南雲の快活なキャラクターが活きてくれば、巻き返していけるとは思う。

 

――初回の世帯平均視聴率(ビデオリサーチ調べ/関東地区)は10.8%と二桁スタートとなり、X(旧Twitter)では『下剋上球児』が世界トレンド1位を獲得した。

 

 TBSには、弱小高校が成り上がっていくというスポーツドラマで、同じく野球を題材とした『ROOKIES』(2008年)、ラグビーを題材とした『スクール☆ウォーズ ~泣き虫先生の7年戦争~』(1984年~1985年)という大ヒット作がある。『下剋上球児』もその系譜に名を刻めるかどうか、今夜放送の第2話に注目だ。

堺屋大地

恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。『日刊SPA!』に恋愛コラムを連載中。ほに『現代ビジネス』『文春オンライン』『集英社オンライン』『女子SPA!』などにコラムを寄稿

( SmartFLASH )

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