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坂本冬美の『モゴモゴ交友録』中村梅雀さんーー激しく唸るようなベースの音色に合わせて『夜桜お七』を歌いたい!

エンタメ・アイドル 投稿日:2023.10.28 06:00FLASH編集部

坂本冬美の『モゴモゴ交友録』中村梅雀さんーー激しく唸るようなベースの音色に合わせて『夜桜お七』を歌いたい!

中村梅雀、坂本冬美

 

『遠山の金さん』『伝七捕物帳』、NHK大河『花神』など、数多くの時代劇で主演を務められた中村梅之助(四代目)さんのご長男である中村梅雀(二代目)さんの舞台を初めて拝見したのは、大地真央さんとW主演を務められた明治座の『夫婦漫才』でした。

 

 演出はラサール石井さんで、原作は豊川悦司さん。豊川悦司……って、まさかあの? それとも同姓同名さん?

 

 そう、思いますよね。でも、同姓同名さんじゃありません。NHK大河『炎立つ』の現場で、「世の中にはこんないい男がいるのか」と、わたしをア然、ボー然とさせた、あの豊川悦司さんが原作を書かれた爆笑人情喜劇です。

 

 

 大地さんのすごさと魅力はいうまでもありませんが、それを受ける梅雀さんの演技が、とてもとてもとても素晴らしくて。いつか舞台でご一緒させていただけたら……と、ひそかに願い続けてきた想い人です。

 

 夢がかなったのは、今年の2月3日に初日を迎えた、大阪・新歌舞伎座での特別公演(1部『華麗なるサギ師たち』2部『坂本冬美オンステージ』)でした。

 

 断わられるのは百も承知でお願いしたところ、快く快諾してくださって。もうもうもう、天にも昇るような心持ちでした。

 

 これは後で聞いたお話ですが、ピアニストのお母様の影響でクラシックとジャズに傾倒。演歌で聴いたことがあるのは美空ひばりさんだけらしく、どちらかというと馴染みのないジャンルだったようです。

 

 それがなぜわたしの舞台に? ですよね。それにはきちんとした理由がありまして。

 

『夫婦漫才』の舞台の幕間に大阪にちなんだ曲が流れていたのですが、わたしがカバーさせていただいたザ・ピーナッツの『大阪の女』を聴いた梅雀さんが、「坂本さんとならやってみたい」と、思ってくださったというのです。

 

 わたしにとっては、最高の褒め言葉です。梅雀さんにその話をこっそり打ち明けられたときは嬉しすぎて、その場でぴょんと飛び跳ねそうになってしまいました。

 

 ただ……大変失礼なことに、この時点で梅雀さんがあれほどの名ベーシストだとは知らなくて。梅雀さん、ごめんなさい。

 

 ラジオでご一緒した方からうかがった、「梅雀さんのベースはすごいですよ」と、なんとも刺激的で、魅力的な言葉が頭から離れず、ダメもとでお願いしたところ、快く引き受けていただき、2部の『坂本冬美オンステージ』で、梅雀さんのベースと夢の共演が実現しました。

 

 歌わせていただいたのは、中島みゆきさんの『糸』。ベースの伴奏のみで歌わせていただくのは、わたしにとっても初めての経験でしたが、これがまたなんとも心地よくて。わたし自身、梅雀さんが奏でるベースの音にうっとり聴き惚れながら歌わせていただきました。

 

 役者さんであり、作曲家でもあり、バンドマンでもある梅雀さんにお誘いいただき、目黒のライブハウスに行って来ましたが、そのステージに立った梅雀さんはギンギン、バリバリのロック・ベーシスト!隣に座っていらした小林幸子先輩が、すっくと立ち上がり、「イエ~~~~ッ!」と叫びながら、こぶしを振り上げるほどのカッコよさです。

 

 そんな小林幸子先輩を見上げながら、ふと心に浮かんだのはーー梅雀さんの激しく唸るようなベースに合わせて歌う『夜桜お七』です。

 

 どうです!? カッコいいと思いませんか? ということで(笑)梅雀さん、よろしくお願いいたします!!

 

さかもとふゆみ
1967 年3月30日生まれ 和歌山県出身『祝い酒』『夜桜お七』」『また君に恋してる』『ブッダのように私は死んだ』など幅広いジャンルの代表曲を持つ。現在、著書『坂本冬美のモゴモゴモゴ』(小社刊)が発売中!

 

写真・中村 功
取材&文・工藤 晋

( 週刊FLASH 2023年11月7日号 )

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