エンタメ・アイドル
『ジュウオウジャー』から7年…柳美稀が“肌身離さない”宝物は「姉からもらった成人祝いのネックレス」
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2023.12.16 06:00 最終更新日:2023.12.16 08:29
躓いて転んでも、何かがうまくいかずに凹んでも、いつだって「大変だけど、大丈夫!」と、笑顔を見せるのが柳美稀(26)の矜持。
「父と母が、そういう人なんです。これまで、一度も『疲れた』とか『きつい』という言葉を聞いたことがないし、そういう姿を見た記憶もない。照れ屋で、恥ずかしがり屋さんで、素直じゃない(笑)。私も、両親のそんな性格を受け継いだんだと思います」
【関連記事:40歳の男女650人を集めた「W成人式」の成功が転機になった】
とはいえ、時には思い悩み、進むべき道が見えなくなって、誰かに助けを求めたくなることだってある。そんなとき、柳が相談するのは、名古屋の実家で暮らす2歳年上の姉だ。
「黙って私の話を聞いてくれて、毎回『芸能界のことはわからないけど』と、ひと言断わってから自分が思ったことや感じたことを言ってくれるんですけど、それが的確で。いつも、お姉ちゃんから元気と勇気をもらっている感じです」
一度「もう、無理!」と、本気で役者をやめようと思ったとき、姉に言われた言葉を鮮明に覚えている。
「『本当につらいと思ったら、やめるというのもひとつの選択肢だよ。それって、全然恥ずかしいことじゃないから。それが美稀の出した結論ならそれでいい、それがいいと思う』と言ってくれたんですよね。逆に、それで火がついたというか、頑張ろうという気持ちになっていました」
――それだけ仲がいいと、恋の悩みも相談する?
「ははははっ。それはないです。親孝行、おばあちゃん孝行になると思うので、いつかは結婚したほうがいいんだろうなというのはあるんですけど、お姉ちゃんも私も、めちゃめちゃ遠い先の話ですね」
そう言って苦笑いを浮かべた柳が、今回ヒソモノとして持ってきてくれたのは、成人のお祝いにと、姉からプレゼントされたネックレスだ。
「『おめでとう』と言われた後に、『これ、あげる!』と渡されて……。ぶっきらぼうで照れ屋さんなところは、柳家の血ですよね(笑)」
えっ!? いいの? 本当にくれるの? と何度も念を押し、リボンのついた箱を開けると、中に入っていたのは柳にぴったりのかわいいピンクゴールドのネックレスだった。
「当時、大学生だったお姉ちゃんがアルバイトで貯めたお金で、どれが似合うかなと悩みながら選んでくれたんですよね。その気持ちがすごく嬉しくて、撮影のとき以外は、ず~~~っと着けています」
その結果、ピンクゴールドは色褪せ、くすんでしまったが、柳のなかでは、今ももらったときのまま、やわらかな輝きを放ち続けている。
「私が出演したどのテレビドラマや映画、舞台を観ても、感想はいつも『おもしろかった』のひと言だけで。今度の舞台も、きっとそれしか言わないと思いますが、でも、そんなお姉ちゃんが大好きです」
柳が“今度の”と言ったのは、日本テレビ開局70年記念舞台と銘打たれた堤幸彦演出による令和版『西遊記』だ。
「私が演じる高翠蘭は、武術が得意で毒舌の女のコ。舞台はやり直しがきかないので、毎回口から心臓が飛び出ちゃうんじゃないかと思うくらいめちゃめちゃ緊張するんですが、今回はそういうことも含めて、楽しめている気がしています」
キャストは、片岡愛之助(孫悟空)、小池徹平(三蔵法師)、戸次重幸(猪八戒)、加藤和樹(沙悟浄)に加え、松平健の牛魔王に、中山美穂の鉄扇公主・・・・・・と、百戦錬磨のベテランがずらりと並んでいる。
「どんな些細なことでも、聞くと丁寧に教えてくださるし、私がこうしたいと言うと全力でそれに答えてくださる。どんな暴投を投げても、きっちりと受け止め、いい球を投げ返してくださる先輩は、皆さん神様のような存在で。もう、感謝、感謝しかありません」
開局70年にちなみ、全70公演の令和版『西遊記』は、大阪からスタートし、福岡、名古屋、年明けには創業150周年を迎えた明治座(1月6日~28日)の舞台が待っている。
「ひとつの舞台で大阪、福岡、名古屋、東京と日本全国をまわるのは今回が初めて。しかも地元の名古屋は、大晦日と元日も公演があるので、大晦日の舞台を終えた後、年越しそばを実家で食べて、“明けましておめでとう”と言ってから、また御園座に向かうという、なんとも摩訶不思議な経験ができるかもしれないのも楽しみのひとつです(笑)」
『動物戦隊ジュウオウジャー』(テレビ朝日系)のヒロイン、セラ(ジュウオウシャーク)役で本格デビューして7年。
「今は演じることがとにかく楽しい」と白い歯を見せる柳に、2024年の目標を尋ねると、「いくつかあるんですけど、『西遊記』ではアクションで苦労しているので、舞台が終わったら、本格的にアクションの勉強をしたいです。やる! やるしかない! やるぞ~!! という感じですね」
と、唇の端に小さな笑みを浮かべた。
やなぎみき
1997年8月24日生まれ 愛知県出身 趣味はゲーム(eスポーツ)。2016年にスーパー戦隊シリーズ『動物戦隊ジュウオウジャー』(テレビ朝日系)でデビュー。2017年には、『ふたりモノローグ』(AbemaTV)でドラマ初主演。その後も、テレビドラマ、映画、舞台と活躍の場を広げている
写真・柏木ゆり 取材&文・工藤 晋