松本人志やスピードワゴン・小沢一敬の芸能活動自粛が世間を騒がせている。これまでも不祥事などで活動自粛に追い込まれたタレントは枚挙にいとまがないが、「自粛したタレントの苦労なんか、私たちに比べれば生ぬるい」とくさす者もいる。
芸能事務所A社の関係者が、騒動後の “尻ぬぐい” の実態を明かした。
「主演映画も数本あった売れっコ俳優のXが、コロナ禍に旅行していたことが週刊誌報道されました。ほかのタレントに示しがつかないから、渋々自粛させました。
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進行中のドラマや映画の話はすべて白紙になり、スポンサーやテレビ局など、各所に謝罪行脚です。Xを担当するスタイリストやヘアメイクなども仕事がなくなるわけで、謝罪した相手は数え切れません……」
CMの違約金に関しては本人ではなく、事務所の負担になることが多いという。
「CMは事務所を通して契約していますから、違約金は事務所持ちです。タレント本人に払わせることはしませんが、復帰した際にギャラの配分を少なくしたりして調整しますね」
しかし、この慣例は事務所によって異なるようだ。芸能事務所B社の関係者は、「犯罪行為など本人に100%非がある事案は、タレントに全額請求する場合もある」と語る。
「トップタレントでは、CM契約金は7000~8000万円に上ります。ただ、契約期間が残り少なければ、日割りで残りの金額を算出して、タレントに払わせる場合も。
レギュラー番組やCMを抱えるタレントなら、自粛発表後に本人とマネージャー、事務所の広報がテレビ局に謝罪に回ります。復帰の目途が立てば、局とスポンサーへの根回しです。俳優なら、『どんな過激な役でも受けます』などと敷居を下げてオファーをせがみます」
自粛を決断すると同時に、復帰へのシナリオを描くことも重要になってくるという。C社の担当者が明かす。
「自粛させるのは、あくまで売れっコだけ。そうでなければクビにしておしまいです。
うちは『活動自粛』と決めた段階で、会社が復帰計画を作ります。自粛期間、復帰の方法などを、会社と本人が相談しながら決めます。
たとえば、自粛中にボランティアをさせ、印象アップを図る。見せつけるようにではなく、あくまでひっそりとやらせます。その活動を先輩タレントらが見て、応援ムードを事務所内で作り上げ、キリのいいタイミングで復帰させるんです」
活動自粛には、反省だけでは済まされない、事務所のしたたかな戦略があった。