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悪名は無名に勝る!なぜ令和には「女喧嘩師」が大量発生するのか…識者が語る「炎上のメリット」と「鈍感力」

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2024.05.31 06:00 最終更新日:2024.05.31 06:00

悪名は無名に勝る!なぜ令和には「女喧嘩師」が大量発生するのか…識者が語る「炎上のメリット」と「鈍感力」

たぬかなとてんちむ

 

「はて?」

 

 NHK朝の連続テレビ小説『虎に翼』、伊藤沙莉演じる主人公・寅子のこの口癖が話題だ。日本初の女性弁護士の誕生を描くこの作品で、寅子は数々の疑問にこう言って首をかしげ、反論するのだ。

 

 こんな「怒る女」は、ドラマのなかの話だけではない。インターネット上での過激発言、ワイドショーでの討論、辛口のコメントーー。日々舌戦を繰り広げる「女喧嘩師」たちを、本誌は識者らの監修のもとリストアップし、5項目のバロメーターで実力を分析した。

 

 

「まず、一般的に問題発言をすること自体は悪いことじゃありません」

 

 そう断ずるのは、経営コンサルタントの鈴木貴博さんだ。

 

「前提として、口論の種となる主張は、誰かを不愉快にさせることが不可避なんです。『ある人にとって正しいし、ある人にとっては不愉快だ』というような、正解のないテーマに切り込んでいくケースが多い。ここにリストアップされた『女喧嘩師』の方々の7~8割は、そうした主張すべきものを主張しており、よい口論を起こしている人たちだと思います」

 

 7~8割……。では、残りの女性陣はどうだろうか。

 

「名前を売るためだけに論争に乗っかることは、私はグレーゾーンだと思っています。個人的には、中井りかさんなどは特にその傾向が強いと思いますが……。今の時代、SNSはフォロワー数で広告料などが変わってくるので、『とにかく注目を集めたい』という “売名行為” にとらえられてしまうと、ファンだった人たちまで離れていってしまう “悪い炎上” になってしまいます。一時的な論争に乗っかるのではなく、一貫して主義主張を変えなければ、たとえ炎上したとしてもコアなファンが残り、 “いい炎上” になる」

 

 炎上対策やネット上のリスク回避を専門とする、株式会社MiTERU代表のおおつねまさふみ氏は、炎上にはメリットが大きいと話す。

 

「『悪名は無名に勝る』といわれるように、ネット炎上でファンを獲得する例も多く、メリットはそれなりにあるんです。芸能人や政治家のなかには、意識的に炎上させたり、『アンチ』と舌戦を繰り広げたりしている人もいます。

 

 雑誌やテレビとは違ってネットやSNSは、一般人との距離が近いという特徴があります。それゆえにアンチの言葉が直接届く半面、一般人と密に言葉を交わせるのでファンをつけやすい。その特性を生かすのがうまい人として、たぬかなさんが挙げられるでしょう。本業だったプロゲーマーとしてよりも、毒舌キャラとしてネット上で圧倒的に有名になりました。

 

 炎上した『人権がない』というフレーズは、じつはゲーム界隈ではよく使われる言葉です。不適切だったとしてのちに謝罪していますが、この事件を機に、割り切って歯に衣着せぬキャラが一気に確立され、ファンにも浸透しています」

 

 たぬかなだけでなく、謝罪すべきところはする、という姿勢で株を上げる人もいる。前出・鈴木氏が語る。

 

てんちむさんは、アンチへの攻撃的な発言などでたびたび話題になりますが、もっとも炎上した事案でいうと『豊胸手術事件』があります。胸が大きくなるという下着の広告塔に起用されたが、自身は豊胸手術をしていた、というものです。しかし、騒動発覚後に5億円ほどの返金を自腹でおこなった。『これもまた話題作り』といえばそこまでですが、これで評価を上げたと思います。

 

 一方、三浦瑠麗さんなどは、ワイドショーなどで舌鋒鋭く切り込んでいましたが、自身の元夫の不祥事に関しては知らぬ存ぜぬを貫いた。木下優樹菜さんもこれに類する対応でした。守備力が弱いというより、喧嘩師としての誠実さが足りないな、と思います」

 

◼︎ゲームを叩き割り……「最恐」だけがもつ魅力

 

 では、「令和最恐の女喧嘩師」は誰なのだろうか。2人に問うと、意外にも同じ名前が挙がった。

 

高嶋ちさ子さんが気になりますね。子供がゲームばかりしてチェロの練習をしないからという理由で、3DSを叩き割ったと投稿して話題になりました。高嶋さんのキャラ作りもあるとは思いますが、天然でスパルタすぎる方なんだろうなと感じます(笑)。こういうタイプが、討論ではいちばん強い」(おおつね氏)

 

 鈴木氏も高嶋を挙げる。

 

「攻撃力が強いというのもありますが、 “持久力” があって、ある種鈍感な方だと思います。炎上したり批判を浴びたりすれば精神的に辛いものがあると思いますが、高嶋さんはとてもそうは思えません。似たタイプだとアンミカさんでしょうか。強気な発言が多く、『嫌いなコメンテーター』ランキング1位になったこともありますが、本人は意に介さず。だからこそ、コアなファンを獲得でき、番組出演本数も増えています。この “鈍感力” が、喧嘩師の力量では重要なんです」

 

 叩かれても叩かれても、ダメージを受けず――ではなく気づかず、これからも彼女たちは戦いを挑んでいくのだろう。

 

鈴木貴博氏
百年コンサルティング代表取締役、経営コンサルタント。地下クイズ王の肩書も持ち、芸能に関する知識も豊富

 

おおつねまさふみ氏
炎上対策等のコンサルティングをおこなう株式会社MiTERU代表。メタバース炎上対策評論家

 

写真・本誌写真部、共同通信

( 週刊FLASH 2024年6月11日号 )

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