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桐谷健太が語る“ヒーロー”論「『もっとこうありたい』の気持ちを持ち続けていれば、1歩ずつヒーローに近づいていける」

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記事投稿日:2025.04.03 15:00 最終更新日:2025.04.04 18:15
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
桐谷健太が語る“ヒーロー”論「『もっとこうありたい』の気持ちを持ち続けていれば、1歩ずつヒーローに近づいていける」

春ドラマ『いつか、ヒーロー』(テレビ朝日系)で主演を務める桐谷健太(写真・木村哲夫)

 

ヒーローって、誰もが自分の心のなかにいると思うんですよ。『よくやってんぞ、俺!』と心のなかで自分に拍手をする瞬間ってあるじゃないですか。そんなときは、自分が自分のヒーローなのかなって」

 

 そう熱く語るのは、4月6日スタートの新ドラマ『いつか、ヒーロー』(ABCテレビ・テレビ朝日系)で主演を務める、桐谷健太だ。主演ドラマが5作連続で続くなど、役者としてノリにノっている。

 

 本作では、とある事情から20年間、消息を絶っていた児童養護施設の職員・赤山誠司を演じる。アラサーになり、変わり果てた5人の教え子たちとともに、腐った巨大権力を相手に立ち向かう“復讐エンターテインメント”だ。

 

 

 教え子役として共演する長濱ねるとは、ほぼ20歳差。同じく共演者の宮世琉弥(りゅうび)とは24歳差。45歳という自身の年齢や、若い世代とのつき合い方を聞くとーー。

 

「たまにビックリしますよね、年齢だけ見ると。45? みたいな。ねるちゃんと、20歳差? ええ? みたいな(笑)。でも、よく言われますけど、年齢は数字ですよね。『45(歳)だからこそ、こうでなければいけない』っていうのも、あんまりないですし、逆に楽ですよ。もしかしたら30代のころのほうが、そういう意識があったかもしれないです。『大人として見られるから、気をつけないと』みたいな。

 

 僕自身は、自分がいつまでもやりたいと思うことをやって、できないなら、じゃあ、どうしたらいいか考えたり、切磋琢磨したりしていけば、いつまでも青春してられるんじゃないかなと思ってます」

 

 近年は、コンプライアンス意識の高まりによって、かつての芸能界にあった厳しい上下関係は消え去りつつある。“ベテラン俳優”として、後輩との接し方に変化はあるのだろうか。

 

「いまは何かにつけて『何ハラ』だ、とかありますけど、あんまり考えたことないですね。この間、出身地を聞くのもあまりよくないって聞いて、驚きました。もちろん、世のなかが変化している以上、つねにバランスを持っておくのはすごく大事なことだと思います」

 

 だがそのうえで、“大人”は萎縮することなく「気持ちいい自分でいること」が大切だと力説する。

 

「人を傷つけるとか、そういう意図がないのであれば、ありのままでいいんじゃないか、と僕は思っているんですよ。そのうえで『それ、いまはダメだよ』と言われたら、また考えなおしたり。自分が悪かったなら謝ればいい。

 

 人がこちらをどう思うかなんて、人によって違うんだし、最初から問題発言をしないように気にしすぎて過ごすより、まずは自分が気持ちいい自分でいるほうが大事じゃないですか。自分で自分のことが嫌いになってまで、相手に合わせる必要はないんです。みんなが相手にどう思われるか心配しすぎるから、心が疲弊しちゃうんですよ」

 

 年齢ではなく、気が合うか、波長が合うか、人づき合いはそういうシンプルなものだというのが、桐谷の考え方だ。

 

「僕は、初めて出演させていただいた映画で、西田敏行さんとご一緒させていただいたんですよ。当時の僕は、まったく無名の新人です。でも西田さんは『焼き鳥、行こうよ』って、2人きりでご飯に連れて行ってくださったんです。

 

 西田さんも、きっと僕とは『気が合う』と感じてくださったんだと思うんです。そこに計算はないじゃないですか。みんな、人づき合いで損と得とか考えちゃうから、しんどくなるだけで、もっとシンプルに考えたほうが、正しいし、おもしろい方向にいくと思う」

 

 2002年にデビューして以来、こうした出会いが桐谷を支えてきた。

 

「しんどい時期もいっぱいありましたし、泥水すするぐらいの思いをしたときも、もちろんあります。でも、僕は本当に、人に支えられてきたなと思うんです。節目、節目で、誰かが教えてくれたり、助けてくれたり。それは優しい言葉だけじゃなくて、自分にとって傷つくような言葉であっても、ちょっと時間が経つと『あれで鍛えられたな』とか、感謝できるときが来るんですよね。

 

 僕は、人との出会いっていうのは、どの出会いが欠けても成り立たない“階段“みたいなものだと思っています。この人と出会って1段上がったから、その次の1段もいける。でも絶対に、2段飛ばしはできないだろうなっていう感覚なんです」

 

 今作『いつか、ヒーロー』のキャッチコピーは「人生、死ぬまで敗者復活戦」だ。“泥水すする思い”をした桐谷が、人生において「敗者」を意識した瞬間はあったのか。

 

「敗者……わかりやすく勝ち負けがある、スポーツなどであるでしょうが、それ以外では結局、自分がどう認識するか、だと思うんです。負けてても勝ってるようなヤツもいれば、勝ってても負けたような顔してる人もいますよね。『M-1グランプリ』でいうと、サンドウィッチマンさんみたいに、敗者復活で優勝する場合もあるわけじゃないですか。だから、本当にその人のとらえ方次第だと思います。

 

 役者という仕事においては、誰かや何かと勝負している、という感覚はないですね。この世界は、数字だけで計れるものでもないですし。ただ、自分自身に対して『もっとこうありたい』って気持ちは、僕はとても貪欲だと思います。大切なのは満足や喜びを感じながら、その気持ちを持ち続けて生きていれば、誰もが今日よりは明日、明日よりは明後日と、1歩ずつヒーローに近づいていける気がするんです」

 

 誰よりも熱い気持ちを持った“ヒーロー”の活躍に、期待が膨らむばかりだ。

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