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ジャッキー・チェン、最新主演映画が地元・香港で“大爆死”女性問題、中国共産党との“癒着”でいまや総スカンの“英雄”

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記事投稿日:2025.06.17 16:47 最終更新日:2025.06.17 19:22
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
ジャッキー・チェン、最新主演映画が地元・香港で“大爆死”女性問題、中国共産党との“癒着”でいまや総スカンの“英雄”

日本でもそのアクションに根強いファンが多いジャッキー・チェンだが…(写真・田中昭男)

 

 香港が生んだ世界的映画スターといえば、ジャッキー・チェンを真っ先に思い浮かべる人も多いだろう。

 

 命がけのノースタントで挑んできたカンフーアクションは唯一無二であり、『ドランクモンキー 酔拳』『プロジェクトA』『ポリス・ストーリー/香港国際警察』、そしてハリウッド進出後の『ラッシュアワー』シリーズなど、代表作は数知れない。

 

 そんな、アジアのみならず世界に名を轟かすジャッキーの最新主演作が、『ベスト・キッド:レジェンズ』だ。本作は1984年に公開され、世界に空手ブームを巻き起こした米国映画『ベスト・キッド』のシリーズ5作めにあたる。

 

 

「いじめられっ子の少年ダニエルが、空手の達人ミスター・ミヤギから修行を受け、心身ともに成長していく姿を描いたのが第1作ですが、ジャッキーは2010年に製作されたリメイク版で、カンフーの師匠として登場しました。

 

 今回の『ベスト・キッド:レジェンズ』では、そのリメイク版とオリジナル版の世界がひとつにつながる趣向です。第1作の主役を演じた少年を演じたラルフ・マッチオとジャッキーが競演し、ふたりの“レジェンド”が新たな“カラテ・キッド”を育てる、ファンには“胸アツ”なストーリーとなっています」(映画ライター)

 

 2025年8月29日の日本公開に先駆けて、全米や中国で公開された本作。ところが、どうもその評価は芳しくないようで――。とくにジャッキーのお膝元・香港では振るわず、壊滅的な興行成績になる見込みだという。いったい何が起こっているのか。

 

「香港では6月5日に公開が始まった『ベスト・キッド:レジェンズ』ですが、公開初日の興行収入が日本円で約87万円、2日めは約38万円。初速を占う公開2日間で、興行収入わずか約126万円(6.85万香港ドル)という“大爆死”を記録しています。

 

 6月12日のデータでは、香港で公開中の映画のなかで17位。この日の興行収入はわずか約6万1200円(3360香港ドル)で、お粗末どころではありません(数字は市場データリサーチ「WMoov」より)。

 

 ジャッキー・チェンの主演映画については、香港では久しく500万香港ドル(約9200万円)を超える興行収入作品がないのは事実ですが、今回は100万香港ドル(約1840万円)にさえ届かず、ジャッキーの主演作で最低記録更新は確実と見られています」(ジャーナリスト・角脇久志氏)

 

 米国に次いで世界第2位の巨大映画市場である中国でも、最終的に2000万人民元(約4億円)を突破するのは難しい見込みだ。制作費の4500万米ドル(約65億円)に加えて莫大な宣伝費を考えると、最低でも8730万米ドル(約126億円)は稼がないと投資を回収できないといわれており、非常に厳しい状況である。

 

「ジャッキー・チェンの主演映画は2017年公開の『カンフー・ヨガ』以降、新作が公開されるたびに興行収入が下がり続けています。2024年公開の『A LEGEND/伝説』では、3億6000万人民元(約72億円)の映画製作費に対し、わずか7990万人民元(16億円)の興行収入。3億人民元近い赤字を出し、その年、『もっとも赤字を出した俳優』といわれました。

 

 ただでさえ落ち目のジャッキーだけに、今回の『ベスト・キッド:レジェンズ』の不振もある程度、想定されていたんですが、ここまで香港市民の目が厳しいとは驚きました。香港の映画予約サイトでの、最新の作品評価は、5点満点で2.7(3.5以下の評価がつくことはほとんどない)と、香港人は彼の作品にそっぽを向いている状態です」(角脇氏)

 

 本作を観た香港市民の辛口レビューを一部、抜粋する。

 

《ここまで物語やキャラクターに、まったく深みのない映画を見たことがない。映画全体のストーリーは古臭く決まりきった展開で、起伏がなく、深く描きたいテーマもまったくない。物語にもキャラクターにも魂がない映画だ。見終わっても何も残らず、動画配信で十分だ》

 

《2010年にジャッキー・チェンとウィル・スミスの息子が共演したあの作品(リメイク版)は、目も当てられないほどひどかった! 今回の新作も予告編でジャッキーを見て、すでに見る気が失せたけど、ダニエルやミヤギ(故人だがAIで復活)をまた見られるから、見に行った。第1作の血沸き肉躍る、心を揺さぶる感動を振り返ると、今作はただ虚しさと嘆きだけだ》

 

 さらに主演のジャッキーに対しては、香港ネット民からはこんな辛辣な声が……。

 

《道徳的に腐った老人のカンフー映画なんて、誰も見ないよ》

 

《時代は移り変わり、名声はすでに枯れ果てたのに、なぜまだ恥をさらすのか? 早く引退すべきだ》

 

《この香港での興行収入爆死は正常な反応だろう》

 

 往年のジャッキー映画ファンであり、本作を観るため劇場に足を運んだ角脇氏はこう嘆息する。

 

「私は公開から8日めの6月12日に、観に行きました。100席ほどの劇場で、観客はわずか4人でした。公開後、興行収入が超低調なためか、どんどん公開劇場数も減ってきており、公開2週間を待たずに打ち切りになりそうなペースです。

 

 レジェンド級の師匠が少年を短時間で鍛え上げ、格闘大会で敵役を奇跡的に倒す……。よくいえば、ファンが求める定番ストーリーですが、もう何回もこすられたパターン。上映時間も94分と短いため、クライマックスに至る展開もご都合主義でしかなく、駆け足で進む感じです。

 

 ストーリー上、仕方ないのですが、ジャッキーのアクションシーンも少なく、彼のカンフーシーンを期待して観に行くと、肩透かしだと感じる人も多いかと思います。ジャッキーももう71歳で衰えが目立ってしまい、絶頂期を知るファンとしては寂しいものを感じました」

 

 映画の出来ばえ自体に問題があり、ジャッキーひとりに興行成績の不振を背負わせるのは酷な面もあるようだ。とはいえ、いちばんに応援してくれるであろう地元の香港人でさえ、ジャッキーへの求心力を失ったのはなぜなのか。香港の映画コラムニストで、ジャッキーの黄金時代から作品を観てきた劉蘭(りゅうらん)氏が、誰もジャッキーの映画を観なくなった理由を解説する。

 

「まずシンプルに、ジャッキーは、香港人からひどく嫌われています。その大きな原因が、彼の女性問題です。彼は若いころからメチャクチャ女癖が悪く、プライベートはスキャンダルまみれでした。たとえば、香港の女優のエレイン・ン(呉綺莉)と不倫し、彼女を妊娠させました。彼女は1999年に女児を出産したんですが、このとき、ジャッキーはすでに台湾出身の女優、ジョアン・リン(林鳳嬌)と結婚しており、その結婚生活を守るために、ジャッキーは自らの娘を認知さえしなかったのです。いっさい責任を取らないその姿勢に、多くの香港人、とくに女性からは大きな反感を買いました。

 

 それに加えて、近年は中国共産党にべったりで、そこも香港人から嫌われる原因となっています。2019年,香港でデモが起こったときに、ジャッキーは香港警察によるデモ参加者への弾圧を全力で支持。中国共産党と香港政府による逃亡犯条例改正や国家安全維持法施行への支持も、いち早く表明しました。そのため、民主派を支持する多くの香港人からは、とにかく毛嫌いされているんです」

 

 当のジャッキー本人も、香港における不人気を重々、承知しているようだ。

 

「映画が公開されるにあたって、ジャッキーは香港で何の宣伝活動もおこなっていません。すでに香港人から激しく嫌われていることを知っているからです。彼自身は『自分のマーケットは中国である』と考えているようですが、この映画に関していえば、中国でも興行収入は大惨敗の状態。残念ですが、もはやジャッキーには市場価値がない、といわざるをえないでしょう」

 

 2024年5月に香港で公開されたアクション映画『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』は、興行成績1億香港ドル(約18.5億円)を突破し、香港の観客動員記録を塗り替える大ヒットとなったが、ジャッキーは出演していない。香港カンフー映画の復活を感じさせるなか、かつてキレキレのアクションで観客を夢中にさせた“英雄”の失墜は、悲しい限りだ。

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