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『しあわせな結婚』殺人犯かもしれない松たか子の奇妙な “がに股歩き” に苦笑…シリアスなのかコメディなのか、注目尽きず

『しあわせな結婚』でヒロイン役を演じる松たか子
殺人犯かもしれない妻・松たか子が、奇妙な “がに股歩き” で登場したシーンは、なかなか衝撃的だった。
7月17日(木)に第1話が放送された『しあわせな結婚』(テレビ朝日系)。
主人公の原田幸太郎を阿部サダヲ、ヒロインとなる妻・ネルラを松たか子、脚本を昨年の大河ドラマ『光る君へ』(NHK)を執筆した大石静が担当するという豪華布陣で、放送前から注目度の高かったドラマだ。
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テレビでコメンテーターもする売れっ子弁護士・幸太郎(阿部)は、50年間「独身主義」を貫いてきたが、入院中の病院でネルラ(松)と運命的な出会いを果たし、電撃結婚。
こうして、しあわせな結婚生活がスタートする――と思いきや、新婚早々に現れた刑事・黒川(杉野遥亮)から、ネルラが15年前に元婚約者を殺害した疑惑があると告げられ、ショックを受けるという展開だった。
公式サイトには【妻が抱える《大きな秘密》を知ったとき… “僕は…彼女を愛し続けることができるのか?”】という不穏なキャッチコピーが躍るマリッジ・サスペンスだ。
■新婚夫婦の朝をロマンティックに描かない
さて、あらすじやキャッチコピーを読むとシリアスな作風のドラマなのかと思いきや、本作はコミカルな演出で笑いを誘うシーンも多い。
特にヒロイン・ネルラのキャラクターがエキセントリックで、松たか子のコメディエンヌとしての才能がいかんなく発揮されている。
筆者が一番笑ったのは、ネルラの奇妙な “がに股歩き” 。
幸太郎が朝食を食べていると、寝起きのネルラがぎこちない “がに股歩き” でのそのそと登場。幸太郎が理由を尋ねると「股関節がちょっと」と答える。どうやら、昨夜の夫婦の営みが原因だとわかる。
新婚夫婦の朝をロマンティックな雰囲気で描くどころか、ヒロインに “がに股歩き” させるというシュールなセンスが最高。本筋は謎めいた妻の秘密を軸にした本格サスペンスの様相を呈しているが、細かい部分にコメディ要素が散りばめられており、バランスが秀逸である。
松たか子の民放・連ドラ出演は2021年の『大豆田とわ子と三人の元夫』(カンテレ・フジテレビ系)以来だが、このときも大いに笑わせてもらった。彼女の演技は表情や間(ま)、しゃべり方が天才的で、“大人の上質なコメディ” に昇華してくれるのだ。
■殺人犯かどうかの真相は早々に明かされる?
第1話終了時点でネルラに殺人疑惑がかかっているが、ポイントは本作が「ミステリー」ではなく「サスペンス」だということ。謎解きを楽しむ作品ではないのである。
まだネルラの秘密は明かされていないが、公式サイトには、妻の秘密を知った主人公がそれでも愛し続けることができるのかという、夫婦愛を問うことがテーマだと記されている。
前クールに放送された志尊淳×岸井ゆきのダブル主演『恋は闇』(日本テレビ系)は、【愛した男は、連続殺人鬼なのか――?】がキャッチコピーで、志尊演じる恋人が殺人犯なのかどうかを最終話まで引っ張る恋愛ミステリーだった。
一見すると『しあわせな結婚』と『恋は闇』は似たテイストに思えるが、おそらく『しあわせな結婚』では、ネルラが殺人犯かどうか、真相は早々に明かされるのだろう。しかし、そうなると、その後どういった展開になっていくか、なかなか読めない。
たとえば、ネルラの秘密を知った幸太郎が苦悩しながらその罪を隠そうとしてシリアス要素が増すのか、次から次へと噴出するネルラのオモシロ秘密に大混乱していく流れでコメディ要素が増すのか。それとも、まったく予想もつかない斜め上のストーリーが展開されていくのか。
個人的にはあまりシリアスには振り切らず、コメディ成分は維持してもらいたいが、はたして……。今夜放送の第2話も笑って楽しみたい。