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【心霊写真の最新事情】Z世代には霊の“顔ドン”は嘘くさい!世代差の背景に「フェイクドキュメンタリー」の隆盛

「誰かがいる家」撮影時期:令和4年/撮影場所:H県(写真提供・「怪談図書館」桜井館長)
9月3日、8月8日に公開された菅野美穂主演の映画『近畿地方のある場所について』が興行収入14億円、観客動員数100万人を突破したと、配給元のワーナー・ブラザース・ジャパンが発表した。
「小説投稿サイトで連載された原作は、ドキュメンタリー調の形式から『実話なのではないか』とSNSで大きな話題になったホラー小説です。昨年は間宮祥太朗さん主演の映画『変な家』が興行収入50億円超の大ヒットを記録しましたが、こちらも同じくドキュメンタリー風の小説が原作。いわゆる“フェイクドキュメンタリー”や“モキュメンタリー”と呼ばれる虚構を事実らしく見せる手法で、とくに若い世代に強く支持されています」(映画ライター)
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令和に入り、Z世代を中心に新たなホラージャンルが隆盛するなか、ホラーの定番トピックでもある“心霊写真”にも変化が生まれつつあるという。心霊写真収集研究家で、30年以上にわたり500枚超を収集してきた「怪談図書館」主宰の桜井館長はこう語る。
「昭和の心霊写真の多くは、被写体と霊との因縁に結び付けられ、“因果応報”の形で語られる例が目立ちました。しかし、現代では撮影者や体験者とは無関係に、いわくつきの“忌地”と呼ばれる場所などで偶発的に撮れてしまった心霊写真が数多く報告されるようになっています」
スマホが普及した平成後期から令和にかけては、一般の人が日常的に写真や動画を撮る機会が激増したからだ。
「また、死霊に限らず、他者との関係悪化、約束の反故などによる生霊や呪い、祟りといった人間関係由来の現象が写り込む例も増えています」
意図せず撮影され、“ドキュメンタリー”として残ってしまった心霊写真は、令和世代にとって新鮮な恐怖を呼んでいる。だが正直なところ、昭和の全盛期を知る世代にとっては「いささか物足りない」と感じるのも事実だ。
「昔のほうが怖かった気がする、という感想はよくいただきます。理由は大きく2つあると思います。ひとつは解像度の違いです。昭和の写真は不鮮明で、その曖昧さが“不気味さ”を増していました。もうひとつはデジタルとフイルムの違いです。フイルムは基本的に“何らかの現象”が起きなければネガには像が残りません。一方デジタルは加工や画質調整が容易なため、どうしても昭和世代には“真実味”が薄く映るのでしょう」
しかし、それだけでは片づけられない。
「カメラが高性能化した結果、これまで怪異と思われていたものの一部は、じつは機械の誤作動や人間の錯視にすぎなかったと判明するケースもあるのです。しかし、だからこそデジタル技術で説明のつかない写真ーー顔の輪郭が揺らいだような、本物の心霊写真には、見る者に言葉もなくさせるほどのリアリティが宿るのです」
心霊写真にまつわる恐怖は、写ってしまった人にその後も不幸が降りかかるという“霊障”の伝承とともに語られてきた。
「霊障は令和になっても消えてはいません。とくに赤や黒など色味の強い写真は危険な場合が多く、生首が写ったものは、深刻な霊障を招く危険があります。昭和の心霊写真が放っていた強烈な“圧”には及ばないと思われがちですが、むしろ令和の時代でも、心霊写真は“本物の恐怖”を突きつけているのです」
あなたのスマホの中にも、もしかしたら“怪現象”が写りこんだ写真が眠っているかもしれない。
ーー「怪談図書館」桜井館長による記事写真の解説ーー
3人のご家族が居た。旦那さんが仕事に出かけ、部屋には奥さんと娘さんの2人だけ。なにげなく撮った娘さんのスナップに、おかしなものが写りこんでいた。
娘さんの後ろ、室内を誰かが横切る。当然、そんな人間はいないのだが、借りた当初から、この部屋は誰かいると、旦那さんと話していたらしい。なぜだか、兵隊さんの様な気がしますとおっしゃっていたが、撮れた写真を調整すると、古い看護服の女性のようにも見える。娘さんが怖がるので、数年で引っ越したそうだがあなたには何に見えるだろうか?